【あいうべ体操】医師が勧めるインフルエンザの予防法【手洗い】

あいうべ(息育)

こんにちは、みらいクリニックの今井です。
今日は診察着じゃなくて普通のポロシャツなんですけど、今からちょっと出張に行かないといけませんのでこういう格好にしております。

昨日ネット見てたらですね、インフルエンザですね。9月の第2週だったかな、全国で5000人の患者さんがいたという風な記事が載ってました。

インフル「極めて異例」まだ9月なのに患者急増
2019/09/20 19:21読売新聞
読売新聞の記事より

この時期になるとですね、インフルエンでもう学級閉鎖なんて言われるんですけど、インフルエンザは実は別に冬だけに流行るものではなくて、例年ずっと夏とかでも流行ってるという風なことが分かってきてますね。

特に沖縄なんかで流行ってると、その記事の中でも沖縄県が半分以上を占めていたなんていうことが書いてあり ました。

この夏でもインフルエンザが流行るというのは諸説あるんですけど、例えばインフルエンザは乾燥して冷たい空気のとこだと生き延びられるけれども、暖かくてジメジメしたところでは生きられないという風なことを言われています。

(ラグビーワールドカップが開催されますから、いまは冬の南半球から持ち込まれるって事もありますね)

夏だと暖かくてジメジメしてるわけですから、湿度が高いわけですから、ウイルスなどが生き延びられないという風に思われていても、インフルエンザが出る時があるわけですね。

またキットが普及して、流行期でもないのにインフルエンザの反応が出てしまうことがあるわけです。これはキットの精度の問題にもよりますが。

医学的な検査には100%ってのもありえませんから、偽陽性とか偽陰性と言ったもので、本当はインフルエンザではないんだけれども、インフルエンザの反応が出ちゃう、いわゆる偽陽性という状態になることがあるので、 検査の精度問題なんかもあると思います。

けれども夏休みが明けて、二学期になってそして学級閉鎖が出ましたなんていうのはですね、新聞記事になるのは例年のことですね、去年(21018年)もありましたし、その前もありました。9月、もうすでにインフルエンザで学級閉鎖なんてことがあったんですけど、普通のことなので、そこまで大げさに騒ぐことでもないかなという風に思います。

このインフルエンザですけど、冬に当然流行ってくるわけですね。夏の時期も出たとしても、大流行までとは行かない。やはり寒い時期に流行するわけです。

あいうべ体操、いろいろなところでインフルエンザの予防として使われています。

新聞記事:お茶の間学「風邪予防にあいうべ体操」

例えばこんな感じですね。福岡のみならず全国の、今では様々な諸外国でも使われてるんですけど、あいうべ体操、こうやって予防してくれているわけです。

太宰府南小学校 表

これはよく講演でもお話しするんですけれども、太宰府南小学校というところで、インフルエンザの罹患率がトントンと下がっていって、これは2月度ですけど1/8にまで低下している。

周りの小学校ではインフルエンザが凄い流行ってるのに、この小学校だけは子どもたちが元気に登校して、周りの学校の先生達がなんだなんだという風に話題になったという話もありました。

図表、のど

口を閉じれば病気にならない(家の光協会)より

なぜあいうべ体操でインフルエンザが予防できるのかと言うと、当然鼻呼吸すると、暖かい空気を体の中に送り込むことができるわけですけれど、口呼吸の場合は冷たい空気、鼻の副鼻腔とか温めることができずに、そのまま冷たくて汚い空気を体の中に送り込んでいくわけですね。

そうすると当然喉のところですね、咽頭のところであっても温度が違ってきます。これはですね、体温の大体2割ぐらい違うという風に言われています。そうするとこの喉のあたりの線毛の働きが悪くなってしまってうまく排除できなくなってしまうんですね。

それともうひとつ。あいうべ体操、顔を大きく「あいうべ」と動かすわけですけど 、実はですね、動かすとどうなるのかっていうと、当然暖かくなっていくわけですよ。

イエール大学作成の動画より

これはですね、2015年ぐらいだったかな、イエール大学の研究なんですけどね。おもしろいですね。鼻腔の温度が37℃の時は、この鼻の粘膜の細胞がしっかりと働いて、ウイルスが来たぞとアラームを鳴らす事ができる。

ところが33℃の場合はですね、当然細胞の働きも弱くなってしまうわけですから、それらのアラームが鳴らないっていうわけですよ。

ですから鼻は温めておいた方がいいわけです。

これ、
カゼの罹患予防には鼻腔内の温度も重用
37℃に近いほうが良い
鼻腔内の湿度や 温度も重要。37℃に近い方がいいってことですな 。

あいうべ体操前後の体温:写真

あいうべ体操するとどうなるかというと、これがした直後、1分間なので10回ぐらいになりますけど、した直後ですね。

1分後

これがして1時間後です。

1時間後

もうこの明るさの違い、温度の違いがよく分かりますよね。だいたいこれがですね、3℃から4℃上がるんですよ。
これは鼻腔内の温度ではなくて、鼻の表面の温度なんですけど、それでも3℃から4℃上がっていってます。当然こちらの方(あいうべ体操して1時間後)が免疫力が高いということがよくわかりますよね。

ですから、寒い時期にかかってしまうっていうのは、こういう風な温度の変化もとっても大切だということなんですね。

春日市の小学校

ですからこれをきちっとすると、たとえば、これは福岡県にある春日市の小学校なんですけど、このあいうべ体操をやった小学校だけ10%以下になったりとかですね。

あるいは 、この小学校なんか面白いですね。3年生と4年生と5年生にあいうべ体操をやったんですよ。 そうするとこの学年だけが低かったことがあったんですね。それで全校でやろうなんていう風になったわけです。

ですからインフルエンザの予防、手洗いとかうがいとかって、未だに言ってる人いるんですけど、もちろん手洗いは重要。うがいはそれほど重要ではないと言ってるんですけど、自分自身で動かして温めていくことも考えていく必要があるわけです。

毎年インフルエンザのワクチンを打ってもまたかかっちゃうみたいな人がいると思いますけど、あいうべ体操だったらですね、タダですから、タダで自分の体を動かさないといけない。

あいうべ体操をやって1時間経って、その1時間後には元の状態に戻るので、その時にまた10回動かすとこういう風な状態(あいうべ体操をやった1時間後の状態)になりますから、寒い時期はですね是非ともやって、お鼻の温度を温めて、免疫力を上げるということを実践してみてください。

それでは、 視聴ありがとうございました。
出張に行ってまいります。みらいクリニックの今井でした。
チャンネル登録もよろしくお願いいたします。それでは

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執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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