インフルがかなりの勢いで拡がっているようです
インフル対策大丈夫ですか?
インフルと言えば先日の記事でも挙げましたが、「手洗い、うがい、マスク」と3点セットがすぐに思い浮かぶ人が多いと思います。
でも私はこう考えるんです、これまで何十年もやってきたこと、啓発したことなのに、インフルの蔓延を防げていないのはどうしてだろうと。
ここで人が採る手段は二つに分かれます。
- もっと行動を徹底する
- 別の行動を取り入れる
この二つです。もっと行動を徹底する方を選択するならば、手洗い場やうがい場を増設したり、いろんな所に消毒用のスプレーをおいたり、マスクをいろんな所に置いてすぐに着けることが出来るようにしたりするという処置が考えられますね。
そのために啓発するポスターなどを掲示することもあるでしょう。
そうなると「うがい達成率グラフ」とか「手洗い回数グラフ」などを作成するというアイデアも出てくるかも知れません。
私が採りたい手段は「別の行動を取り入れる」です。
インフル予防には、唾液が大切というのはよく知られていますが、うがいは唾液を洗い流してしまいます。そして、せっかく暖かくなっている口の中に冬の冷たい水を入れて、口の中を一瞬にして冷やしてしまいます。
これでは白血球の働きが弱ってしまいます。温水でうがいをするならまだしも、学校現場では冷たい水でうがいするところばかりです。
もったいないなあといつも思っていました。
そこで「あいうべ体操」です!
またそこかよ、いつものオチだなと思うでしょうが、やっぱりきちっと口を閉じて、鼻呼吸をすることが一番の予防になります。
いつでもどこでも誰でも出来て、しかも無料、1クラスでも学校全体でも一斉に出来ます。
構内放送を使って学校中であいうべ体操を一緒にやっているところもあります。
この動画のように一斉にみんなでやることが出来ますよ。
北崎小学校の取り組み(福岡市西区)
こちらの記事は、2018/1/18の読売新聞朝刊に載ったものです。インフルが九州沖縄でも猛威を振るっているという情報の中で、福岡市西区の北崎小学校(養護教諭・塚元依子先生)の取り組みを紹介してもらいました。
塚元先生は、子ども達が元気に登校できるようにいろんな取り組みをしています。
あいうべ体操を始めた子ども達の感想は
風邪を引きにくくなり、保健室に行く回数が減った。体操を続けているお陰だと思う」(小5)
というものが載っていました。子どもがこんなに実感してくれるなんて嬉しいですね。
私の仕事もそうですが、保健室の養護の先生達も「暇なのが一番」なんですね。
病気の予防が医者の使命だとしたら、出来るだけ自分たちが暇な社会を作っていくことが大切です。
ここは、医療機関の存続に関わってくること(みんなが健康だと病院にかからないですから、収入が減りますね)なので、医療機関としてはみんなが元気な社会というのは本音では「困る社会」なのです。
でも21世紀になりずいぶん経ち、時代が平成から次のよに変わろうとしてるのですから、次の医療のようなものが出現しても良いと思います。
教育は最大のワクチン
次の記事も塚元依子先生関連。塚元先生は、本当に優しくて子ども達のことを一番に考えてくれている先生なんですよ。
子ども達が自分たちの力で自分たちの健康を培っていくことを教えたい、伝えたい。
インフルワクチンは、インフルエンザしかもその年に流行ると思われるものだけにしか効果がないけれど、健康教育は一生の宝、いろんな病気に効くでしょう。
子どもの時に身につけた習慣は大人なっても続くものです。
それが「教育は最大のワクチン」の意味。
鼻呼吸教育は元気な子どもをはぐくんでいくためにとても大切です。
塚元先生にこの子と記者とのやりとりを教えてくれました。実は取材を受けた五年生の子ども、一年生の頃は毎日のように来ていたんですって。
今では、保健委員として、あいうべ体操を歌って踊って呼びかける側にたってリードしてくれてるそうです。
https://mirai-iryou.com/aiube/
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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