コロナ後遺症(およびワクチン後遺症)外来

コロナ後遺症治療およびコロナワクチン後遺症治療をご希望の方へのお知らせです(2023年5月1日現在の情報です ワクチン後遺症の情報を追加しました)。

※コロナ感染後の後遺症として発現する咳や倦怠感などは1ヶ月程度で自然軽快することがあります。なおPS(performance status)が4以上の方は1ヶ月以内でも優先的に診察しますので、問合の時にその旨お伝え下さい。早めの治療ができるとその後長引くことが少ないようです。

PSについてはこちら(表2)を参考にして下さい。

2022年4月27日にViruses誌上で「Epipharyngeal Abrasive Therapy (EAT) Has Potential as a Novel Method for Long COVID Treatment」というタイトルでコロナ後遺症に対するEATの効果に関する論文を発表しました。2023年1月Annals of Otolaryngology Head and Neck Surgery誌上で「Changes in Pharyngeal Endoscopy Findings with COVID-19」を発表しました。

遷延する因子はいまだよく分かりませんので、上咽頭擦過治療を行っている近くの医院を見つけて早めの受診をお勧めします。コロナワクチン後遺症においても昨年接種からの不調が続いているという方もいまだいらっしゃいます。
ワクチン後遺症についてもこれまでの全例において慢性上咽頭炎が関与しているため基本的な治療は同じです。コロナ後遺症と比較するとワクチン後遺症の方が比較的早くよくなる印象です(症例がまだ少ないので断定できませんが)。

※小児の診療は行っておりません(2023年5月現在)。

嗅覚障害に関しては、EAT奏功例は50%程度に留まりますので、全身倦怠感や頭痛、ブレインフォグといった症状にEATはより効果的と考えて下さい。

西日本新聞 コロナ後遺症 2022年4月10日

 

コロナ後遺症に関しては読売新聞記事なども参考になさって下さい。またこれまでのブログなどにも記事を書いておりますので、参考になりましたら幸いです。

慢性上咽頭炎という言葉をはじめて聞いたという人も多いでしょうから、受診をご希望の際は、まず下記をご覧いただき、その上でご連絡ください。

 

※治療には予約が必要です。

※当院にはレントゲン機器などはありませんので、詳細な画像診断などをご希望の際は他院へ紹介いたします。

※上咽頭炎治療を基本に行っていますので、すべてのコロナ後遺症に対して治療を行えるわけではありません。

※ある程度期間が経つと改善する場合があります。鼻うがいやあいうべ体操、マウステープ(口とじテープ)などのセルフケアで改善する事もありますから、治療を待たずすぐに取り組むようにして下さい。

みらいクリニックでは、コロナ後遺症を特別な新しい病気として捉えず、従来のME/CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)およびそれに準じる疾患(ウイルス感染後疲労症候群)であろうとの考えの基で、慢性(および亜急性)上咽頭炎の治療に取り組んでいます。

コロナ後遺症の定義・診断があいまいなため「気のせいだ」あるいは「怠けているのではないか」という心ない誹謗中傷をする人もいます。

今の所、検査で異常があればコロナ後遺症と言えるものはありません。血液検査、胸部CT、頭部MRIなどで異常が無かったため「異常なし」とされてしまいがちです。

しかし、慢性上咽頭炎の存在を知ると一変します。

病院での検査で異常なし=病気がない ではありません。検査技術にも医師の知識にも限りがあります。「異常なし」とは「病気なし」ではないのです。

「病院で検査したがこんなに体がキツイのに異常ないと言われた」と落胆することはありません。

原因不明の病気はあっても、原因のない病気はないからです。

その原因不明の病気の原因として見落とされがちなのが慢性上咽頭炎なのです。

みらいクリニックには、病巣疾患の原病巣となる上咽頭の治療で大勢の方が受診されます。それらの方々と比較しても、コロナ後の体調不良で悩んでいる人々の上咽頭炎の重症度は割合が高いのが特徴です。

コロナ後遺症重症割合

コロナ後遺症では、上咽頭炎の重症度は、重症39%、中等症56%、軽症5%、なし0%と、中等症以上が95%を占めます。この傾向は症例を重ねた今でも変わりません。

一方他の病気の原病巣となっている上咽頭炎ではどうでしょうか(例えば、IgA腎症や掌蹠膿疱症、胸肋鎖骨過形成症などです)。

 

対照群コロナ後遺症重症割合

重症は15%、中等症が58%、軽症21%、なし6%となって重症の割合が減って、中等症が増えていることがわかります。

すべての方に上咽頭炎が存在するわけではなく、他の原病巣が原因となっている(例えば歯周病、根尖病巣、扁桃腺など)もありますから、上咽頭炎が存在しない場合もあります。ところがコロナ後遺症では上咽頭炎が認められなかった例はこれまで経験がありません。

コロナワクチン後遺症について

コロナワクチン接種後の副反応の診療依頼が増えており、それらについてまとめてみました。

最初にお断りしておきますが、様々な理由により全てが後遺症と診断できないケースもあります。例えば、それまで潜在化していた病気や症状が顕在化したもの、たまたま病気の発症と接種時期が重なったもの、以前からあった症状が重篤化したものなどです。接種後数日~数週間経過するとその因果関係を証明することはなおさら困難になります。

コロナワクチン接種後の長期的な体調不良には、コロナワクチン後遺症 長期的副反応などいろいろな呼び名がありますが、当院ではコロナワクチン後遺症としています

コロナワクチンでは、熱が出ることが多く、「良く効いている証拠」などと表現されるが、それだけ体に与えるインパクトは大きいということです。その後様々な症状や病気に繋がったとしても不思議ではありません。接種が良い方向に向かえば良いですが、悪い方向に行くことも想定しておくべきでしょう。

コロナ後遺症でお悩みの方の受診が50名を超えたので簡単にですがまとめてみました。症状は極度の倦怠感、頭痛や脱毛、肩痛など多岐にわたるため症状別のまとめはできていません。

男女比は男37%(19名)、女63%(32名)、平均年齢44歳(12~84歳)でした。コロナワ後遺症では、男女比が50%ずつ、平均年齢が37歳ですから年齢層が高くなっています。これは単純に接種した人口が多いことが起因していると思われます。

上咽頭炎重症度分布は、重症例が46%、中等症が38%とコロナ後遺症より重症例がさらに多いのが特徴です。若年層では、起立性調節障害やメンタル疾患(うつ病を含む)と診断されることも多く、休学に至るケースも珍しくありません。必ず上咽頭の状態チェックは必要です。

ワクチン後上咽頭炎の分布

 

内視鏡による経時的変化を追う

みらいクリニックでは、初回時に咽頭内視鏡による上咽頭炎の評価、そして1ヶ月後の再評価を行っています。

このケースですと上咽頭擦過治療(EAT)4回目には、上咽頭の粘膜腫脹が減少し、易出血性(出血のしやすさ)も改善しています。これにより症状の改善も認めます。ただし、一月の治療による症状の改善は50%程度ですから、全ての方がこの様に順調に軽快していくわけではありません。いろいろと治療の工夫やセルフケアの指導も行っていますが、いまだに試行錯誤の状態です。

上咽頭炎の評価

 

テレビ放映された患者さんの声を紹介しましょう(すべてみらいクリニックの患者さんです)

 

職場から「気持ちの問題」「会社に来たら良くなるんじゃない?」などとの声をかけられたそうです。

見た目にはなんともありませんが、上咽頭には激しい炎症を認めます。

はたして熱が40度近くある人に「気持ちの問題」といって解決するでしょうか? 目に見える症状、一般検査での異常が無いからといって「病気ではない」ことになりません。

これはウイルス感染後疲労症候群という病気の状態です。

これは慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)ME/CFSと呼ばれる病気に移行するためにしっかりとした治療が必要ですが、職場の産業医もこの状態を知らないために理解が追いついていないようでとても残念です。

コロナ後遺症患者さんの声4

コロナ罹患後、数ヶ月しての発症もありますから注意が必要です。脳脊髄液減少症や起立性調節障害(OD)などとの鑑別も要します。

ODでは高率に(ほぼ全例)重症慢性上咽頭炎を合併しています(あるいは慢性上咽頭炎があるからOD症状が出るとも言えます)。

初診からの流れ

予約~初診
診療の予約をしていただき初診日を決めます。

問診票 三部あります。印刷して事前に記入していただけるととてもスムーズに診療が行えます。

出来る範囲で構いませんのでご協力の程どうぞよろしくお願いします(出来ない場合は来院の時に記入していただきます)。コロナワクチン後遺症の方も同様に記入して下さい。PCRや抗原検査などの確定日、または接種したワクチンのメーカー、日時も記入していただけると助かります。

 

これら2枚は共通の問診票です。以下はいずれかを選択して下さい

 

初診時の検査:咽頭内視鏡検査(必要があればそのまま治療に移ります)、血液検査、問診、身体所見

20分ほどで終わりますが、その後セルフケアの指導を行いますので、時間に余裕を持って来院して下さい。

判断力、記憶力がはっきりしない等の場合はご家族の付き添いや診療の録音をお勧めします。

セルフケア指導は、用紙に記入して看護師が詳細に説明します。

内視鏡検査の様子

最初は咽頭内視鏡で、鼻腔から上咽頭、喉頭、声帯にかけて観察します。必要があればその場で治療を行います。

2診目~

病状(あるいは居住地)に応じて1~2週間に一度のEAT治療(必要に応じて投薬治療)

施行する施設によっては2~3回/週で行う場合もありますが、当院では週に一回程度の頻度で十分な効果を得ていますので、できるだけ治療回数を少なくすると言う観点からも回数を増やすことはしていません。

約一月後

咽頭内視鏡検査(2回目施行時)と症状推移の問診票記入。内視鏡所見により治療内容の見直しを行います。

 

約2ヶ月後

これまでの経験上としか言えませんが、EAT8~12回(中等症上咽頭炎、週1治療の場合)で7割の方が改善し治療を終えます(全ての方の治癒は私の力不足もあり達成出来ていません、残念ながら力及ばず1年以上にわたることもあります、ご了承下さい、治療回数は治癒を確約するものではありません、あくまでも目安です

その後上咽頭炎が改善せず(あるいは改善しても症状が長引いてしまう)治療を継続となるケースが2割ほどあります。コロナ発症から後遺症治療開始の期間が短い方がより早く改善する傾向にあります。ですから、「いつか治るだろう」という風に経過観察はしないことを勧めます(病巣疾患研究会サイトなどで慢性上咽頭炎治療を行っている全国の病医院を検索してください)。

どの様なタイプが治りやすいとかどれくらいの期間で治るかというのはそれぞれ病状、病態によって違いますので、特に診療の開始後数回では確率論でしかお答えできません)。