とてもありふれた症状、悩みとしての腰痛症。誰でも一度は経験したことがあるでしょう。

慢性に続く腰痛は日常生活にも支障を来します。色々検査をしても原因が不明な場合もあります。

また「二足歩行をするヒトにとって腰痛は宿命だ」と語る人もいます(ちなみにこれは真実ではありません)。

また「腰が痛い」というと周囲から「年のせいだよ」とか、医療機関でも「加齢による変化です」と言われることもありますが、これも本質を突いていません。腰痛は、あらゆる年齢に起こる症状であって、年をとるから起こるわけではありません。

昨今では、椎間板ヘルニアという言葉をあまり聞かなくなりました、代わりに腰部脊柱管狭窄症という病名をよく耳にするようになりました。

これは、腰痛が椎間板の突出だけでは説明できないことが明らかになってきたからです。

腰痛には様々な原因がありますが、私たちは足・足指の不調が原因の一つだと考えています。

カラダの土台である足の不安定さを補うために、腰背部の筋、腱、筋膜、関節などに負担がかかり炎症を起こします。これは症状と原因は必ずしも一致しない状態です。

ですから、痛むところだけを細かく見ていっても原因がわからないことがあります。

昨今では、腰痛は心的ストレスと大きく関係していることも分かってきており、身体的疾患のみならず、心のアプローチも必要になってきています。

日本の腰痛治療の第一人者と言える菊池臣一先生の著作にもそのことが記されています。

腰痛とは

腰痛とは、腰背部(腰や背中)の筋肉、腱、筋膜、関節が炎症を起こしている状態を言います。痛みや炎症が続いている期間で急性(6週間以内 ギックリ腰など)、亜急性(6~12週間)、慢性(12週間以上)とわけられます。

また、はっきりとした病気が原因の特異的腰痛と原因のはっきりとしない非特異的腰痛に分けた場合、その大半は(約8割)非特異的腰痛と言われています。

腰痛の原因と治療へのアプローチ

原因のはっきりしている腰痛(特異的腰痛)の場合は、その原疾患の治療が第一選択となります。

例えば腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などです。ただしMRIで腰部脊柱管狭窄症が診断できたからといって、それがそのまま腰痛の原因にならないこともあるから要注意です。

問題となるのは非特異的腰痛です。

原病がはっきりしない、受傷機転がはっきりしないなどの場合、無理矢理に診断名が付けられることもよく経験します。

くしゃみ、靴を履こうと屈んだとき、ものを拾うためしゃがんだときなどにぐきっと腰を痛めてしまう、いわゆるギックリ腰を繰り返す人を見てみると、癖になっているわけではなくて、そのような体の動きをしたときに関節が動きやすい位置になってしまっていることが観察できます。

これは関節運動学という学問分野になりますが、関節同志の関係がすこし緩んだ状態になるとギックリ腰を発症してしまうようです。

そのようなときは、体の使い方、歩き方などを見直す必要があります。

足・足指の変形などで姿勢が悪くなり、それらが慢性腰痛を引き起こしているような場合は、ゆびのば体操やアキレス腱のストレッチ、つま先立ちなどで足下の問題を解決しなければなりません。

心的ストレスでおこしている場合は、別のアプローチが必要になるでしょう。

大切なことは、非特異的腰痛の場合はその原因毎に治療法を帰る必要があると言うことです

薬物治療一辺倒にならず全人的治療が必要となります。

特異的腰痛(例えば椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、すべり症)と診断されていても、たまたま非特異的腰痛にそのような画像所見になったと言うこともありますから注意が必要です。

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執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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