口呼吸を鼻呼吸に矯正する顔の体操と口テープのやり方
週刊女性自身に口呼吸・口テープに関する記事が掲載されました。
寝る時の口閉じテープはいまは色々なところで知られることとなりました。私の診療も口テープなしでは成り立ちません。
就寝中は唾液の分泌が極端に減ってしまうために口の中が乾きがちです。ぽかんと口を開けて寝ていたらそれこそ口の中が細菌であふれることになります。
起きた時の口臭も寝ている時の口ポカンと関係しています。
人生のうち三分の一は寝ています。睡眠不足は高血圧、ウツ、認知症などいろんな病気の元凶です。
以前も睡眠に関してこんな記事を書きました。
今回の記事は私が監修しましたので、記事の内容を紹介しつつ説明したいと思います。
ヤフーニュースの元記事はこちら(リンクが切れている場合もあります)
画像ページはヤフーニュースから
口呼吸を鼻呼吸に矯正する顔の体操と口テープのやり方
寝ている時に口がポカンと開いている人は少なくありませんね。
例えばこんな状態です。起きている時は口を閉じるように注意できていても寝ている時には無意識ですし、筋緊張も低下しますから口が開きやすくなります。
また加齢によって口周りの筋肉も弱ってしまいますから余計に開きやすくなってしまいます。
せっかく起きている時に頑張って口を閉じても(そもそも頑張って口を閉じる状態はあまり良い状態ではないのですが)、寝ている時に口を開けてしまっては元も子もありません。
もちろんあいうべ体操も
口が開いてしまうのは、まずは筋力低下が原因、さいきんはフレイル(虚弱状態、介護一歩手前の状態)という言葉で表現されます。
口まわりの筋力の衰えはオーラルフレイルと言われます。オーラルというのは「口の」という英語です。
それを改善していくのが、口呼吸を鼻呼吸に変えていくあいうべ体操です
【鼻呼吸を実現する「あいうべ体操」】
- 「あ」なるべく口の形が円に近づくようにする
- 「い」前歯が見え、頬の筋肉が両耳に寄るまで横に開く
- 「う」くちびるをとがらせて、前に突き出す
- 「べ」あごの先端まで伸ばすイメージで舌を出す
まずはお風呂や洗面台の鏡の前で口の形を確かめながら、正しく行う。慣れてくれば、トイレの中や、テレビを見ながらなど、鏡のない状態でも正しく行うことができる。1日合計30回を目標に。
毎日のあいうべ体操で、口周りの筋肉、嚥下の筋肉、舌筋を動かしてオーラルフレイルを予防したいものです。
道具も使わずいつでもどこでも出来ますから、早速いまからチャレンジです。
まずは2週間、ぜひ取り組んでみて下さい。
口テープは応急処置?
まれに「口テープは本質的な改善ではないからやるべきでない」とか「口テープで閉じるようではだめだ」という意見を言われます。
私としては、そういうことも含めてやっぱり口テープは大事だと思っています。
それにはいくつかの理由があります。
あいうべ体操でオーラルフレイルを脱却できるようになるといびきが減ったり、起床時のノドのイガイガがなくなったりします。
それまでの間は口テープで応急処置は必要です。応急処置は必要です。
また飲酒や睡眠薬などで通常より筋肉の緊張具合が下がってしまった場合は、寝ている時に口が開いてしまう場合があります。そんなときは口テープです。
お酒を飲むといびきをかくなんて人はこのパターンです。
そして寝具や寝る姿勢によって口が半開きになってしまう人がいます。
ホッペに掛け布団が被さってきたり、横向き寝やうつぶせ寝をして枕や敷き布団(時には枕にしている腕、机に伏している時など)で口が半開きになってしまいます。それを防ぐためにも口テープです。
どんなときでもしっかりとしまっていることが理想ですが、寝ている時のことは自分では分かりません。毎日ビデオで確認するという人なら別でしょうが、そんなことは現実的ではありませんね。
口テープは以下の理由で口を閉じていたとしてもやった方がいいです。
- 睡眠薬や飲酒、極度の疲れで筋力がいつもより下がっている時などは口が開きやすい
- うつぶせ寝や横向き寝るのクセがあったり、寝具が分厚い人、マクラが高い人
- 起きた時に口が渇いている人はまだまだ口を開けて寝ています
口テープは口呼吸を防止するための応急処置ではありません。
毎日元気に過ごしたければあいうべ体操と共に習慣にしたいものですね。
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医・NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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