掌蹠膿疱症、いつまでステロイドの内服しますか?

経口ステロイド薬を止めることが出来た

「良いってすすめられたけん、来たとよ」

こんな感じで紹介されてくる方の治療は結構難しい。

何が難しいって、みらいクリニックがどんな治療をするところかよく分からずに

行けば良くなる」とか「とにかく行ってみんしゃい治るから

という風に全面的にバトンを渡されても、どんな病気かも生活習慣かも分からないのに確約できないわけです。

日々治る病気より治らない病気の方が多いなあと、治療にもがいて、無い知恵を絞っていますから「治ると言われました」と言われるとホント困ります(誠にありがたいことですが)。

でも、受診した側としては「騙されたと思って」とまで言われるなら仕方なく・・・という感じで来院されるのも致し方ないことです。

上のセリフが問診の時に出てきたMさんもそんな感じでした。

掌蹠膿疱症で大学病院の皮膚科を受診して5年、なかなか改善せずに毎日プレドニン2.5mg(経口ステロイド薬)ドボベット(ビタミンDとリンデロン合剤)、デルモベート(最強のステロイド)を塗布する毎日。

「どげんかして良くならんやろうか」と悩んでいたところに、知人からみらクリを紹介されたといいます。

当院のことを全く分からないので、どのような治療をするのかももちろんご存知ありません。ネットのサイトなども見ずに「言われたからいってみよう」の行動力。私は好きです。

初診の時に

  • あまり薬を使わないこと
  • 掌蹠膿疱症は「病巣疾患」のことが多いから皮膚の治療ではなく、その病気の元となる原病巣の治療をすること

などを伝えなきゃいけません。そうしないと「クスリも出してくれなかった薮医者だ」と評判になりますので。

Mさんが受診したのは夏の暑い日。EAT(上咽頭擦過治療)施行と生活習慣改善をまずお伝えしました。

初診時の手掌の状態はこちら。全体的に赤みが広がって、皮膚の皮が剥けて痛々しいですね。

これでもステロイドを飲んで、塗っている状態でした。

内視鏡によるEATでは、重症の上咽頭炎を認めました。これが原病巣となって症状を悪化させていると思われます。

経口ステロイド薬、ドボベットを使用してこの状態

掌蹠膿疱症は病巣疾患であることが多い

掌蹠膿疱症は多量のビオチンを飲んでも改善しないことがしばしば起こります。先日、一日にビオチンを10g飲んでいるという方も見えました。

10g飲んでも治らないなら、15gに増やしてみようかというのが人情。

まったく違った視点から病気を見直してみようかとはなかなかなりません。それは患者さんだけじゃなく、医師も同じです。

ビオチンだけが治療じゃない掌蹠膿疱症治療

掌蹠膿疱症のエントリーでも書きましたが、掌蹠膿疱症は病巣疾患、病巣感染症として治療をすると比較的短期間に治ることが多いです。

統計を取ってみると手掌で20週、足蹠で24~30週というのがみらいクリニックでの平均的治療期間です。

毎度毎度のスライドですが、原病巣(口は扁桃、上咽頭が大多数を占める)の慢性炎症が直接とびひして遠隔臓器に二次性病巣を起こしたり、最近わかり始めてきたMucosa-Bone Marrow Axisなど免疫系を介して他臓器への病変を起こしたりというのが病巣疾患。

掌蹠膿疱症もまさにこの一つです。ですから、局所治療と合わせて全身の原病巣検索が治療の要になります。

 

EATを繰り返す事3ヶ月

「先生、またあの痛かと(治療)をするんですか?」

最初は、EATの衝撃的な痛みに驚いて、あまり乗り気じゃなかったMさんですが、体調の改善、局所所見の改善、塗布回数の減少など症状がしっかりと改善していくのにつれて、EATの重要性、原病巣治療の大切さを理解してくださるようになりました。

「先生、もぅ最近は塗り薬を塗っておらんとばい」

「それがよかですね。薬は出来るだけ少ない方がよかですね」

なんてやりとりをしておりました。

「もぅ飲み薬もやめてよかやろうか」と仰るので(それまでにステロイド薬は、二日にいっぺん、三日にいっぺんなどと少しずつ内服回数を減らしていました)

「一旦全部止めてみましょう」と止めてみることにしました。

「足の裏も良くなったし、薬も塗らんでいいし、飲まんでいいし、良かった」

と喜んで下さいました。

これが薬を止めたときのものです。薬を使わなくても、デルモベートを塗っていたときよりも改善しています。

受診後3ヶ月 12週後の手掌

足裏にも塗布剤を使うことがなくなりました。

これからますますキレイになっていくことでしょう。

最初は、突然のEATに戸惑っていたMさんですが、最近は綿棒にも出血することなく、痛みも減少しています。

掌蹠膿疱症で悩んでいる方はぜひ「病巣疾患」を知ってください。

NPO法人・日本病巣疾患研究会は口呼吸、病巣疾患について調査研究、啓発している団体です

特に大量のビオチンやミヤリサンをサプリとして摂取している方、病巣のこと考えないとずっと摂取し続けることになりますから要注意です。

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2017年7月発売の最新刊「口呼吸を止めて万病を治す~口テープ特典付き」発売中

これは私が2017年7月に出した本です。口テープの特典付き。こちらは息育、あいうべ体操についてです。

掌蹠膿疱症の症例も掲載。

ゆびのば体操や姿勢についても解説しています。 フルカラーでとても分かりやすく見やすく仕上がりました。

こちらもどうぞよろしくお願いします。

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投稿者プロフィール

今井 一彰
今井 一彰みらいクリニック院長

内科医・東洋医学会漢方専門医・NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長

1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局

2006年 みらいクリニック(JR博多駅すぐ)開業

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