ヒトの足は三つのアーチで体を支えている
内反小趾で足腰の不調を来していると言うことを知っている人は本当に少ないです。
外反母趾と同じくらいに気を付けるべき足指の変形です。足の小指の外反母趾といっても良いかもしれません。
カラダを良くも悪くもする小趾を「変形させる」原因と解決方法を探ります。
ヒトの足は、前のアーチ、内側横アーチ(土踏まず)、外側横アーチの三つのアーチで体をしっかりと支えられる構造になっています。
たとえば外反母趾では、内側アーチが崩れて扁平足になってしまいます。
前アーチが崩れる開張足では、足幅が広くなってしまって、足裏にタコができやすい状態になります。
私たちが、二本足で歩けるのはこのアーチのお陰でもあります。
ですからアーチ構造が崩れると体に色々な異変が起こることがあります。
- 歩くと疲れる
- まっすぐ立つことがダルイ
- 両足で立たず、どちらかの足に重心をかけることを繰り返す
といった症状が起こることがあります。
このアーチ構造を支えるためにあるグッズがゆびのばアーチサポーターです。
内反小趾について詳しく知りたい方は。
体を壊すアーチサポーターは
ゆびのばソックスもそうですが、多くの機能性のあるソックスというのはアーチを強く補強する構造になっています。
- 指袋の矯正 変形した足指を伸ばします。
- アーチ部分の矯正 足指を開きやすくします。体を支える構造が整います。
- 締め付け感について ずれ落ちるのを防ぐ着圧構造
- かかとのゴアライン ゴアラインをかかとに合わせることによってさらに足指を伸ばします。
この図(ゆびのばソックスの特徴)で言うと、Bの「アーチ部分の矯正」です。これにより足指をしっかりと開きやすくして3点のアーチを持ち上げて整えますとの説明書きがあります。
ちなみにAの「指袋の矯正」がゆびのばソックスの第一の特徴で、足指袋にも着圧をして曲がった足指がしっかり矯正するように作られています。
不適切なアーチサポーターで内反小趾が悪化する
腰痛で受診中の患者さんが写真のようなグッズを使用していました。
ストッキングの下に、しましま模様が見えますね。これがおそらくアーチサポーターとして外反母趾を改善させようとの意図があるのでしょう。
ところがこの状態では、かえって内反小趾がひどくなりかねません。
では、どうしてか??
写真を説明してみます。
白線は、指と指の間です。
赤線は、サポーターの一部です。
小趾の付け根にまでかかっています。しかも指がそれぞれ離れておらず(母趾のみ分かれている)、2~5趾は一塊です。
いわゆる足袋の状態です。足袋はあまりよろしくない。
しかもしましま部分は、すこしゴムによる締め付けがあります。これが内反小趾をひどくさせてしまうのです。
図の黄線よりも下(より踵の方に)に締め付け部分が来た方が良いのです。
反対側の足はどうかというとこちらの方がより小趾にかかっている部分が大きくなっていました。
これでは、むしろ外反母趾のためじゃなく、内反小趾を悪くするためにはいているようなものです。
健康に関するグッズは、きちんと使わなければかえってカラダを悪くすることがあるから要注意ですね。
ゆびのばアーチサポーターの使い方
ということで、ゆびのばアーチサポーターの使い方を紹介します。
これは、ゆびのばソックスが一人でははくのが難しい方やストッキングしか着用できない場面で活躍します。
ブラックとベージュのリバーシブルになっているので、ストッキングの色に合わせてご利用になれます。
この裸足の状態に、アーチサポーターをはめます。
今回は、分かりやすいようにブラック面です。
このときに、5番目の中足骨の尖端(小趾との境目ですこし外側に膨らんでいるところ)にかからないようにします。
写真のようにします。出来るだけ土踏まずの部分にかかるようにします。
これは間違った使い方です。中足骨の骨頭(尖端)部分にサポーターがかかっています。
これではきちんとしたアーチを作れません。
このわずか1cmの違いが大きな違いを生みます。
これはさらに間違った状態です。
今回紹介したケースと同じような感じになりました。
小趾が母趾側へ移動して、隣の第4趾の下へ潜り込もうとしています。
これは間違った使い方です。
ゆびのばソックスも細かく見て行くと、実は小趾の付け根の部分すぐのところにアーチをもってきておらず、そこから1cmほどかかとよりの部分にアーチサポートの始まりがあります。
だからしっかりと足指が広がるんですね。
この写真を見て下さい。アーチの部分を締め付ける構造になって、そしてそこから足指に向けて形が拡がっています。
いわゆる寸胴型のソックスではこのような足の拡がりは得られません。だからゆびのばソックスなんです。
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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