【吸入薬と】咳喘息は慢性上咽頭炎を疑え【おさらば】

こんにちは、みらいクリニックの今井です。
動画を視聴いただきありがとうございます。

今日は咳喘息と慢性上咽頭炎についてちょっと解説します。
咳喘息というのはですね、みらいクリニックに受診される方の問診票に一番多く書かれるといってもおかしくない診断名なんですね。

色々なところで診断されて、「咳喘息ですよ」と言われて受診される方が本当に多いです。そして、ほとんど同じ治療をされてるんですね。
例えば吸入薬とか、抗アレルギー薬を飲むとかなんですけれども、この咳喘息と慢性上咽頭炎、どのような関係があるのかということについて今日はお伝えしたいと思います。

咳喘息なんですけど、cough variant asthma(カフ・バリアント・アズマ)と言いまして、後でご紹介しますけど CVA と言うんですが、ある意味ですね言葉がちょっと悪いですけれども、ゴミ箱的な診断で使われることが多いんですね。ですから長引く咳の場合はCVA・咳喘息と言われることが多いです。

これからの動画は、こちらにあります『ぜんそくを自力で治す最強事典』と言って、マキノ出版から出た私が書いた本の内容をお伝えしたいというふうに思います。

この咳喘息ですけれども、CVAという風に先ほど言いましたが、長引く咳、長引くと言っても1週間・2週間ではなくて、だいたい1ヶ月とか2ヶ月以上なんですが、この治療としては吸入ステロイドですね、シュッとやったり、フッと吸ったりとかというステロイドがあるわけですけれども、その吸入薬の効果がなければ、吸入ステロイドと長時間作用型のβ刺激薬というやつですね、β刺激薬っていうのは、気管支にあるβアドレナリンですね。βアドレナリン受容体を刺激すると気管支がキュッと広がるので、それの刺激薬と合わせて使うということなんです。

ただCVAというふうに診断された方々でも、吸入してもほとんど変わんない、だから吸入やめちゃったとかですね、そういう方が結構いらっしゃるんですね。

ちょっと詳しく見ていきましょう。ここにあります通り、風邪を引いた後に3週間以上咳が続く状態。風邪を引いて長引く、長引いた咳という時にはですね、ほとんどの場合CVAと診断されてしまいます。

女性に多い傾向ですね。受診される方も、圧倒的にとは言いませんけれども、7対3ぐらいの割合で女性が多いです。

そしてしばしば再発し喘息に移行する恐れがある。
ここが問題ですね。喘息に移行する恐れがある。そうやって喘息に移行するかもしれませんよという風に言われて、ずっと吸入薬を真面目に飲んでるんだけど一向に咳が治まらない、なんて方がいらっしゃるわけですね。

咳は空咳で、喘鳴は認めない
痰が出たりとかってことも少なくて、そして喘鳴、ヒューヒューいったりということも少ない、認めないってことですね。

気管支拡張薬、先ほど説明したβ刺激薬で症状が治まればCVA。
これはどういうことかというと、診断的治療と言いまして、この薬を使って治ったんだったらこの病気としましょうみたいなところがあるわけですね。これを診断的治療と言って、よく外来では使われる、外来だけでなくてもちろん入院でも使われますけれども、医療として使われる治療法でもあります。

気道の過敏性が影響するため、長期のステロイド吸入が必要。
「あなたの場合はCVAなので、喘息に移行するから1年間は薬を吸入し続けなければなりません」という風に言われてる方が本当に多いし、例えば様々なメディア、新聞とか雑誌にもそう書いてあります。だいたい嘘です。はっきりと言いますが嘘です

咳喘息CVAは喘息に移行する、という風に言われるんですけれども、これほとんど根拠がないんですね。根拠のある論文がいくつかあるんですけれども、いくつかあるといっても2・3しかないんですけれども、咳喘息の診断は科学的な根拠はありません。

これらの研究では1年間(という短期間で)数十名の観察しかしていません。「咳喘息っていうのは喘息に移行しますよ」という風な脅し文句が使われるわけです。 今脅し文句という風に言いましたけど、こちらは善意を持って言ってるんだけれども、それが本当かどうかわかんないわけですよ。ゆるやかな脅し文句です。そしてこのCVAというのは、欧米ではほとんど使われない概念で、今や日本だけの病名となってしまっている恐れがあります、と言うかそういう状況になっているんですね。
これがCVAを取り巻く状況だというふうに思います。

『喘息を自力で治す最強事典』が出版されたのは2018年だったんですけれども、みらいクリニックにも喘息の患者さんがたくさんいらっしゃいます。特に先ほどからお話ししてる咳喘息CVAの患者さんは本当に多いです。それらの患者さんは、3ヶ月もするとお薬を止めることができます。

後からも紹介しますけど、抗アレルギー薬、そして例えばキプレスとかですね、シングレア(どちらも一般名モンテルカスト)というふうな、あるいはオノン(一般名プランルカスト)と言った抗アレルギー薬とか、ほかの抗ヒスタミン薬などもその場で私はやめて頂きます。それでも全く問題はありません。本当に効果があるんであれば、咳が長引くという症状でみらいクリニックを受診することはないわけですから、そしてキプレスとかシングレアとかですね、ほとんど効果はありません。(あくまでも咳喘息に対してです、気管支喘息の場合は効果を認めることがあります)

この方は50代女性です。5年ほど前からの症状だということなんですね。主訴は、後鼻漏が喉にへばりつく、咳払いをする、頭痛という風になってきてるんです。

他院で咳喘息という風に診断されまして、キプレスそしてシムビコートを投与されていました。この方は、主治医の先生が非常に理解があって、「咳喘息だけれどもなかなか治らないから、訳の分からないBスポット・EAT・上咽頭擦過治療、訳の分からない治療だけれども、なかなか治んないからやってみたら」という風に後押しをして下さったんですね。
『喘息を自力で治す最強事典』の本でも、津田さんという名前で証言をして下さっています。ある年の3月に来られました。内視鏡で診断してみると中等度の慢性上咽頭炎ということがわかりました。ここにある通り、後鼻漏・咳払い・長引く咳(咳喘息)・頭痛、3つあるとこれはほぼ100%と言っていいぐらいに上咽頭炎だという風に問診票からも診断ができます。非常に簡単ですね。

3月に来られたときに、すでにキプレスは必要ありませんということで中止していただいています。無駄な薬にお金を払う必要はありません。

2ヶ月後、2ヶ月後なので治療としては4回。頭痛は著明な改善。そして咳払いも減少した。

その1ヶ月後には吸入薬を半分にした。

そして8月、受診して5ヶ月後ですね。吸入薬は不要で、咳もない。

受診して半年後。咳はほとんどなく、運動ができるようになって、体力がついてきたのでマラソンを始めたい、という風におっしゃってました。

これは典型的な咳喘息と言われて、ベースに慢性上咽頭があった方の受診例ですね。この方はもう今は受診をしておられません。キプレスとかシムビコートは飲んでおられません。

その主治医の先生からも「不思議だね」というふうに言われて、その先生も喜んでおられたそうです。ありがたい話です。

次、この方はHYさん33歳。この方も『喘息を自力で治す最強事典』の本に載っております。本名載せていいですよっていう風に言われたので原口さんという方なんですけれども、33歳ですね。

心因性を疑われた咳喘息です。いろんな治療しても、いろんな検査しても出ない場合は、心因性という風に言われちゃうんです、メンタルな問題だという風になるわけですよ。

上咽頭炎ということを知っていると本当に簡単に片付くんですけども、それを知らないと延々と治療、そして検査をさせられることになってしまいます。

受診当時は33歳。28歳頃から 5年にわたり延々と続く咳に悩まされていました。色んな病院を受診されました。当然大きな病院まで行かれました。そして MRI、胃の内視鏡はもちろんですね、CT、いろんな検査をしたと言われてました。

つけられた病名は「咳喘息」「気管支喘息」「逆流性食道炎」「機能性胃腸症」「後鼻漏」「副鼻腔炎」「アトピー咳嗽」などなどでした。
それでも一向に治らないので、最終的にはメンタルの問題ですよという風に言われたんです。でも患者さんがおっしゃったんですね。「メンタルな問題と言われてもですね、思い当たることが全然ないんです」というわけですよ。ここがやっぱり現代医療の悪い所があるかもしれないですね。全てをわかんない時にはメンタルな問題にしちゃうわけですよ。

でもここに出てくるのが慢性上咽頭炎ですね。咳喘息・喘息・長引く咳ですよね、後鼻漏、副鼻腔炎、逆流性食道炎ときたんですね。これは上咽頭炎、慢性上咽頭炎。慢性上咽頭炎の場合は、ガード(GERD胃食道逆流症)と言われるような状態と非常に似てるんです。逆流性食道炎とかGERDと言われる状態と似ている。あるいはNUD、機能性のディスペプシアと言われる状態ともとっても似てるんですね。

この方の受診の当時の処方は、シングレア、抗アレルギー薬ですね。レルベア、吸入薬。ネキシウム(PPI 、プロトンポンプインヒビター)胃酸を抑える薬。アコファイド(NUD・機能性の非潰瘍性の胃腸症)に使われる胃腸の機能を改善するお薬ですね。

典型的な慢性上咽頭炎という風に、この経過から問診票見ただけでも、あるいは処方を見ただけでも分かります。本当にはっきり言いますけれども、無駄な薬を出しすぎです。

それでE-EAT(endoscopic-epipharyngeal abrasive therapy)を行いました。これは内視鏡下でのEATですけれども、そうすると慢性上咽頭炎が出ました。

これですね、HYさんの内視鏡ですけれども、これ(画面向かって左側)が何もしていないとき。 同じ部位ですけれどもこちら(画面向かって右側)は軽く擦っただけなんですね。それだけでこれだけ出血するんです。非常に粘膜がもろくなっていて、そして出血も著明なんですね。

この方、Hさんは5ヶ月、9回のEATで治癒しました。9回のEATでこれらのお薬は全くなくなり、そして咳も当然なくなって、人前で咳が出ていて喋ることが怖かったのがそういうこともなくなって、とても楽になったという風に喜ばれました。

ですからこのお二人の経過、『喘息を自力で治す最強事典』の中には色々なケースが出てくるんですけれども、そしてセルフケア、治し方も出てきます。EATだけではありません。

ここで分かるのは、咳喘息という言葉に医者自身が騙されていて、吸入薬を使わないといけないとかですね、中にはこの吸入薬はこういう薬が入っている、この吸入薬は吸入の仕方がどうのこうのっていう、本当に細かい重箱の隅をつつくような解説をしてるようなところがあるんですけれども、その前に慢性の上咽頭炎を知ることのほうがずっと大事だと思います。

これから慢性上咽頭炎という概念はもっともっと広まっていくと思います。そうすると咳喘息と言われるような、これまでゴミ箱的な診断名の概念も廃れていくというふうに思います。

咳が出るから肺の疾患だという風なことでもない。お腹の状態が何がちょっとおかしいからお腹の問題ではない。上咽頭の周辺には迷走神経もたくさん分布しています。その迷走神経を刺激することで、抗炎症作用が働いて病気が良くなっていくという機序も考えられます。もちろん炎症がそのまま治っていくという風な機序も考えられます。


この『喘息を自力で治す最強事典』ですけれども、慢性上咽頭炎のことも詳しく書いてありますし、喘息・咳喘息ということでご心配な方は是非とも参考になさってみてください。そしてまたこの動画はブログにあげますのでブログの方も是非ご覧ください。これまでもたくさん書いておりますので。

「ぜんそくが嫌なら舌を鍛えなさい」 もちろんあいうべの体操ですよ。足指も伸ばして、そしてベロも伸ばしてください。

さらにチャンネル登録もよろしくお願いします。
視聴いただきありがとうございました。

長引く咳、咳喘息が治って吸入薬とおさらばできますように。
みらいクリニックの今井でした。

咳ぜんそく

慢性上咽頭炎

執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医・NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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