メディカルパフォーマンス学セミナーのお知らせ 2023年2月11日

ご挨拶

 こんにちはメディカルパフォーマンス研究会(後述)代表の今井一彰です。私たちは、「メディカルパフォーマンス学」を通して従来にない患者さんと医療者の関係の構築を目指しています。またともに働くスタッフ間同士の円滑なコミュニケーションも促進していきます。パフォーマンス学を日常診療に採り入れることによって起こる変化を体験してください。お互い学び合い、高めあえる仲間たちを募集しています。
 
メディカルパフォーマンス研究会を設立します。顧問に日本のパフォーマンス学の第一人者でいらっしゃる佐藤綾子先生をお迎えしました。
 
佐藤綾子先生は、これまでの著作が200冊を超えようかというベストセラー作家でもいらっしゃいますし、さまざまなメディアでもパフォーマンス学を通じた解説情報提供をなさっておられます。
 
その他プレジデント誌、NHKヒューマニエンスなど。
 
私たちは、2023年2月11日にメディカルパフォーマンス学研究会設立記念セミナーを開催します。
 
 

メディカルパフォーマンス学へのご招待

まずはペップトークとの出会いから。

 ここで私とペップトークとの出逢い、かかわりについて紹介させてください。私は山口大学医学部を平成7年に卒業し救急医学講座に入局しました。当時はまったくメジャーではなかった救急医学です。夜三次救命センターに搬送される重症の患者さんの治療に終われる日々を過ごし、帰宅するのは下着を取りにいくときだけという体力的にはハードでしたが、とても充実した日々を過ごしました。
 
 それから漢方診療の習得を目指し飯塚病院漢方診療科の門を叩き研鑽を積み東洋医学会漢方専門医を取得しました。ちょうど同時期に「口呼吸」問題を知り、口呼吸の弊害を学ぶことを優先し、漢方診療から一時離れました。そんな時、大学医局から戻ってくるよう要請がありまた救急集中治療に身を置くようになったのです。ところが配属されたのは大学附属病院総合診療部でした。救急医学もマイナーでしたが、さらにマイナーな総合診療という部門に配属されました。大学では診療、研究以外に学生教育もしなければなりません。総合診療部では、「医療面接」という聞き慣れない分野の”医療”を担当”させられました”。
 
 医療面接については詳述しませんが、従来行われていた”問診”とは違い、診療者側の身なりや言葉使いまで気を配って診療に当たるというものでした。もちろん学生時代には、医師になってからも教えられたこともなければ、聞いたことさえもありませんでした。これを学生に教えなきゃいけない、さらにはテストまでしなきゃいけないというのですから大変な作業です。
 
  コミュニケーション技法や患者医師関係といった一見、手術や処方、検査といった医療とは直接関係の無い分野ですから、まだ医師としては若手だった私には同級生などから自分がおいて行かれるような気がしてあまり気乗りのする分野ではありませんでした。
 
それでも学生は医療実習に毎週やってきますから、好き嫌いをいってられません。
 
医療面接と問診の違い
 
 私は必死で勉強しました。
 
 もちろんそれまでも外来での言葉づかいなどには気を付けていたつもりですが、系統立てて学ぶことしかもそれを他人にレクチャーするとなると大変でしたが、それ以上に得るものが大きかったのです。そして、診療をしていく上で一番役に立ったのはこの医療面接技法でした。具体的治療法、薬剤などはもちろん大切ですが、それらの前段階としての医療面接はその後の治療成績を変えてしまうほどの重要性を秘めていたのです。
 
 それを切掛として「言葉についての力」を積極的に学ぶようになりました。医師になって7年目頃のことでした。コーチング、NLP(神経言語プログラミング)なども勉強はしてみましたが、得るものは多いものの私にとって(あくまでも私にとってです)深く学ぼうとは思えないものでした。
 
 そんな時出会ったのが”ペップトーク”という言葉でした。日本ペップトーク普及協会の代表理事である岩崎由純先生の書籍を読み進めていくと「これだ!これを学びたい、広めていきたい」と思えたのです。
 
 医療はさまざな職種で成り立っています。直接医療に関わる医師、歯科医師、リハビリ職、介護職などから、食事の面から医療を支える栄養士、調理師、組織の運営を支える事務職・行政職など多種多様です。
 
 それらの一人ひとりの人が学ぶにはペップトークが最適だと判断しました。またペップというかわいらしい言葉の響きも良いですよね。一目で好きになりました
 
メディカルペップトークなぜ
 私自身の診療においても「診療時間をより短くして、内容はさらに充実させる」という一見相反する目的を達成するために導入しようと思いました。それまでも前述したようなさまざまな内容を学んでは見たものの、診療というのは医師のみで行えるものではありません。医師のみが知っていて活用できても、他のスタッフが採り入れることが出来なければ中途半端になってしまいます。
 
ましてや、処方や手術といった治療は医師しか出来ませんが、”言葉の処方”は誰でも出来るのですから、医療に関わる皆が出来るようになると医療の質がぐんと上がります。
 
 そこで2019年にペップトーク協会で活動しておられて旧知の間柄であった末永成一先生から院内勉強会を開催していただき、本格的にペップトークを学ぶこととなりました。
 
 そして嬉しいことに2021年4月18日には、日本にペップトークを導入された先駆者である岩崎由由純先生をお招きしてメディカルペップトークセミナーを開催する運びとなりました。
 
岩崎由純代表理事と

岩崎由純代表理事と私、書籍はペップトークと最初に出会ったもの。

 

ペップトークはスポーツ分野で発展・発達してきましたが、それだけでなく教育、企業内でも十分応用できる素晴らしものです。もちろん医療においてもそうなのですが、さらに様々な医学的エビデンスを学ぶと「言葉の力」の偉大さ・重要性への理解が深まります。

私は同日「エビデンスで学ぶメディカルペップトーク」と題してセミナーを行いました。

メディカルペップトークセミナー

エビデンスで学ぶメディカルペップトークセミナーの模様

これは事前の一時間に及ぶ動画に加えて、3時間のリアルセミナーという長いものでしたが、これでも紹介しきれたエビデンスは多くありませんでした。この膨大な資料をメディカルペップトーク研究会を立ち上げて多くの仲間と共有し、さらなる医療の発展に役立てたいと立ち上げたのが今回のメディカルペップトーク研究会なのです。

 
 
 

そしてメディカルパフォーマンス学へ

パフォーマンス学の佐藤綾子先生のことは講師養成講座のスーパープレゼンテーションセミナー(SPS)でもそのご著書を紹介していましたので、ずいぶん前から著書を通して存じていました。しかし、直接お目にかかる機会がなく雑誌の対談で要約お目にかかることができたのが2020年6月のことでした。

あっという間の対談の時間は過ぎ去りこの内容は、壮快誌2021年3月号に掲載されました。

壮快誌2021年3月号

 

いまは「12人の達人に聞いた 薬に頼らない新時代の医学」で読むことができます。

 

対談の後から個人的にも親しくお付き合いさせていただく中で、メディカルペップトークをさらにもう一段昇華させパフォーマンス学の一部として取り入れることができるのではないか、と佐藤綾子先生へ相談したところ心強い賛意を得ることができました。

もともとメディカルパフォーマンスとは、故日野原重明先生が作られたものです。私が継承するというのは大変におこがましいですし、その資格があるかと問われれば心許ないですが(実力がないことは重々承知した上で)、メディカルパフォーマンスを学問として追求したい、それらを広めることによりより良い患者-医療者関係を構築したいという思いが強くなりました。

そして2023年2月11日(土、祝)にメディカルパフォーマンス学研究会の設立記念セミナーを開催することにしました。

 

メディカルペップトーク(医学的ペップトーク)とは

 ペップトークのペップ(PEP)とは、元気、活気、活力という英単語です。ポジティブな言葉を使うことにより相手やそして自分自身に元気や活力を与え、前向きにさせる効果があります。もともとはスポーツの分野で活用され磨かれてきた言葉です。日本においては日本ペップトーク普及協会の岩崎由純代表理事を中心に広まっています。
 
 医療現場ではペップトークがその効果を発揮できる場面が数多く存在することに気がつくでしょう。例えばリハビリや新しい治療に際して、生活習慣などの指導、技術習得のための講習会などなど。
 
 注射の際にかける言葉で患者さんの痛みの感じ方が変わる事を知っていれば、より苦痛のない言葉掛けに心を配れるでしょう。患者さんが安心して治療、検査が受けられるのであれば治療時間の短縮や満足度の向上に繋がるでしょう。医療者はややもすると薬剤や手術、検査などに重きを置きがちで、私たちが絶えず他人とそして自分と行う会話には無頓着なものです。
 
 その会話をペップトークに変えていくと医院がガラリと変わります。
 
みらいクリニックでは、もちろん受け付けや検査などの声掛けなどもペップトークを使っています。ちょっとした工夫で人の体そして心の動きは変わるものですね。そんな瞬間を学んだ皆さんにも味わっていただきたいと思っています。
 
こちらが2022年1月15日にマキノ出版から発売の「言いかえ便利帳」です。ペップトークの中でも「とらえ方変換(リフレーミング)」を活用して、ペップな生活を送れる言葉の変換が100も載っています。ぜひご覧下さい。
 
言いかえ便利帳
 
 
私たちはペップトークを通じてこれらのことを目指しています。
 
▶信頼しあえる仲間作り
▶持続可能な医院作り
▶より良い患者医療者関係
▶外来時間、診療時間の短縮
▶治療成績の向上
 

医療における言葉の力を知る

 プラセボ効果を知っているでしょう。偽薬効果とも言われますが、効果のない薬剤であっても本人や治療者の”思い込み”により症状や検査値が改善してしまう現象です。これが正の効果だとすれば負の効果もあります。それがノセボ効果です。偽薬であっても副作用が出る場合があるのです。また高脂血症薬における副作用はなんと実にその9割の副作用がノセボ効果によるものという報告もあります。与えられた情報によって私たちは健康にもそしてその反対の状態にもなるのです。
 その場に応じた適切な言葉をあたかも「その場に応じた適切な薬剤、処置、処方」と同じように扱うことが大切だと私たちは考えています。より良い言葉を治療の一環として使っていきたくはありませんか。
 
 言葉掛けの興味深い研究を紹介しましょう。

医師
治療中楽に過ごせるように局所麻酔をしますね

医師
「これから蜂に刺されたような痛みを感じますが、これがこの治療で最大の痛みです

さてこの二つの言葉を治療台に横たわって、背中側から何をされているか分からず医者から声をかけられた場面を想像してみて下さい。

実験結果を見るまでもなく、分かりますよね。そうです、前者のように声をかけられた方が、痛みの感じ方は少ないのです。

同じ手技をやっているにもかかわらず、言葉掛けによって変わるのです。

腰麻の時の声掛け

Nocebo-induced hyperalgesia during local anesthetic injection. Varelmann D, Pancaro C, Cappiello EC, Camann WR Anesth Analg 2010;110: 868–70.

これらの事を知ってヒトとコミュニケーションを取るのか、知らずにやってしまうのかの違いは大きくなります。 

 
 またペップトークは言葉掛けだけに留まりません。新型コロナ感染症の蔓延防止のためにこの様な注意書きを院内に掲示した施設は多かったと思います。これをペップトークで表現するとどうなるでしょうか。実際にメディカルペップトークを実践している能美誠先生の歯科医院ではこの様に変えてみたところ子どもや保護者の行動が変わったと言います。
 
触らないで掲示
 
ペップトークを盛り込んだ注意書き変更例ではこういう表現にしました。
 
また遊ぼうね掲示
 
 いかがでしょうか。
 
この様なちょっとした心遣い、取り組みを通しても人の気持ち、行動というものが変わる事が良くお分かりでしょう。
 
ペップトークの良さはその応用範囲の広さとともにどんな人にでも採り入れることの出来る間口の広さ、敷居の低さです。施設やチームの管理者のみならず様々な職種のスタッフがすぐに採り入れて効果を実感できるのがメディカルペップトークです。この学びを院長や管理職だけに留まらせておくのは大変もったいないことです。施設のみなが取り組むからこそすぐにそして着実に、確実に変わっていけるのです。
 
 メディカルペップトークでは、心理学的アプローチはもちろんのこと医学的データや研究から言葉の持つ力を学んでいきます。ペップトークの有効性が裏付けられる豊富な
 

学ぶことによって得られること

 私たちはメディカルペップトークを医療現場に取り入れると大きなメリットがあると考えています。人間関係による離職率の高さも考えるとコミュニケーションをいかにうまく取ることが出来るのかは医療技術と同じように大切な技術です。スタッフのやる気に火を付ける、治療抵抗性のあるクライアントへスムーズに治療へ誘導する、苦痛のない診療を提供するといった事がメディカルペップトークで行えるようになります。みらいクリニックでも、2019年から本格的にスタッフのペップトークを取り入れてスタッフ定着率の向上、患者医療者関係の向上を実感しています。
 
 
 
 

メディカルペップトークセミナー(ファーストステップ)

メディカル(医学的)ペップトークとはどういうものか動画で学んでいただきます。
 
ペップトークについての理論手的、医学的裏付け(エビデンス)を様々な分野の文献、動画などから楽しく学べます。
 
3ステップセミナーを受講される方は無料で視聴できます。
 

講師

  講師 今井一彰(医師) 日本ペップトーク普及協会講師、東洋医学会漢方専門医、加圧医療学会理事 あいうべ体操提唱
 
 
 
 

執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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