足指を広げてのばす「ゆびのば姿勢学」が少年写真新聞社から2018年7月12日に発売されます。
サイズの合っていない靴や靴下などで縮こまっている現代っ子達の足指をきちんと伸ばすことによって姿勢を良くしたり、転倒を少なくしたりしていきたいという趣旨の本です。
つまり足育、フットケアの本でもあります。
今回はこの書籍について簡単にご紹介していきますね。
これが表紙です。黄色で目立ちますね。子ども達が手に取りやすいように大型本です。
amazonなどのネット書店でも販売しています。
この書籍は2017年刊行の「あいうべ体操で息育、なるほど呼吸学」の姉妹編です。
こちらの本は、息育の観点から鼻呼吸の大切さやいろんな動物の呼吸など呼吸にまつわる内容を学習できるようになっています。
2冊の書籍は「ソクイク」繋がりと言うことになります。
現代人の足指は曲がっている、浮き指が増えている
さて、姿勢が大切と言われながら子ども向けの姿勢の本ってあまりないんですね。
姿勢を正しくしよう
とか
ぴんと背筋を伸ばす
と指導、アドバイスされることがありますが、「では、良い姿勢とは?」という質問に答えるのはとても難しいんですね。
いわゆるぴんと背筋を伸ばして胸を張った状態というのは短時間は続けられますが、同じ姿勢を長くは保てません。
少しリラックスして肩や背中の力がすこし抜けたくらいの姿勢の方が楽に立ち続けることが出来ます。
現代社会では、硬いアスファルトやコンクリートの上を靴や靴下をはいて歩かなければならないためどうしても足指が屈みがちになってしまいます。
※靴ひもが緩かったり、サイズの合わない靴だったり、サンダルや下駄といった踵の無い靴はかがみ指を誘発します。
自然の中を裸足で歩くのとはまったく意味が違っています。
凸凹道でもありませんから、同じ所に負荷がかかってしまって結果としてタコや魚の目といった症状にも繋がります。
特に小児の場合は、足の骨、組織も柔らかいため容易に変形してしまいます。
結果として浮き指や内反小趾などの足指の変形、ひいては踵重心になって姿勢の悪化を招いてしまいます。
姿勢の悪化は色々な原因が考えられますが、足指の変形、体の基礎、土台である足の不調による場合もあるのです。
猫背や巻肩、O脚なども「結果として」起こっていることもあるため、「姿勢を正しくしましょう」というかけ声だけでは改善しないことも多いのです。
ですから、「ぴしっと姿勢を正しましょう」と伝えて10秒もするとまたもとのだらっとした姿勢に戻ってしまうのです。
こんな風に曲がっている足指ではきちんと立つことは難しいのです。
子どもの場合は、大人と違ってまだまだ体が発達途中ですし、どんどん変化していきますから改善も早いんです。
まったく諦めることはありません。
踵重心になってしまう(浮き指)
子ども達どころか大人でも踵重心となり足指が地面についていない状態になっています。
足の指が浮いていると足指で踏ん張ることができず、体を踵で支えるようになります。
そうすると姿勢が悪くなり、ひざやこしなどに負担がかかり、痛みが出ることがあります。
これは”成長痛”で受診した女児の足圧画像ですが、左踵よりに体重をかけていることが分かります。
3つの赤丸は重心の中心部分を示していますが、踵の所にあるところをみると、その部分で立っていることが分かります。
上の書籍中の写真と比べてもかなり踵重心であることが分かります。もちろんこうなると足指の部分は浮いていて写ってきません。
靴のサイズをしっかと決めて、ゆびのば体操を行うと2ヶ月で足指が写ってくるようになり、重心もすこし前寄りになってきていることが分かります。
こうなると自然と姿勢の改善も見られるようになります。
つまり、漠然と姿勢を正した方がいいと指導するのは間違っているのです。
カラダの土台である足を見ていくことが、この「ゆびのば姿勢学」の骨子となっています。
フルカラーになっていますから、とても見やすいですよ。
やっぱり靴は正しく履こう
大人が靴の履き方やサイズ測定を適当に行っていますから、その子ども達ももちろん適当な靴の扱い方をしています。
上着がシワが寄っていないか
ぴしっと折り目が付いているか
などは気にするのに
靴の踵が踏んづけられて降り曲がっていないか
足に合わないブカブカの靴を履いていないか
など気にする保護者は本当に少ないものです。
靴をきちんと扱うように教育している保護者は数えるほどしかいません。
上着に注意する以上の心配りを靴にも与えて欲しいと思います。
わが家の子ども達のファーストシューズは紐靴でした。
いちいち結んだりほどいたりするのはとても面倒ですが、これが良い姿勢、体を作っていく土台になっていくと考えていたからです。
靴のことについては「ゆびのばセミナー」でもお伝えしています。もっと詳しい内容を知りたい方はご利用下さい。
子ども達にこそ足育を
重すぎるランドセルの中身によって子ども達に腰痛、膝痛が増えているという報道を目にした人もいるかも知れませんね。
では、どんどん軽くすれば良いのかというとそれでは体が作られていきません。
荷重のかけ過ぎはだめですが、ある程度の重量は必要です。
外で思い切り遊べない現代っ子たちの通学がもしかしたら「歩行訓練」になるかも知れませんし。
体はきちんと使えば大きな力を秘めています。
なるべく負担をかけないと言うことも大切ですが、負担がかかる、ストレスがかかるからこそ心身が健全に成長していくという視点も必要です。
口呼吸より鼻呼吸の方が、「面倒」「息がしづらい」といってもそれは学習していく必要があるのと同じです。
ぜひ「ゆびのば姿勢学」お求め下さい!
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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