*申し込まれた方で、みらいクリニックからの返事が無い方はメールフォルダのゴミ箱をチェックして下さい
2021年5月9日(日曜日)に特別外来を相田歯科・耳鼻科(荒川区)にて行います。今回はそのお知らせです。
キャンセル待ちも停止しています。
※定員となりましたので締め切っております。キャンセル待ちをご希望の方は、お問い合わせフォームからお申し込みいただきますようお願いします
更新日:
2021年2月にコロナ後遺症特別外来を行いました。詳しくはブログをご覧下いただけると分かりますが、新型コロナ感染症の拡大につれコロナ感染後急性症状が改善してからのコロナ後遺症(LongCOVID、post-acute covid-19)が問題となりました。
症状が多岐にわたるため、精神的なもの、ヒステリーなどといった医療者の誤解もあるようですが、私は早い段階からこれはウイルス感染症後の慢性上咽頭炎だと考えておりました。
コロナ後遺症には決定的な治療法もないため、慢性上咽頭炎治療としてEAT(上咽頭擦過治療、Bスポット治療)が役立つだろうとの推察により2021年2月7日に特別外来を行いました。
その後も当日診察した人々の診療を続けていますが、やはりコロナ後遺症は慢性上咽頭炎の一部であり(2月7日当日診療診察した人は100%、全員が慢性上咽頭炎を発症していました)、そして治療にはEATが有効だとの思いを強くしました。また強い倦怠感などはME/CFS同等と考えて治療に当たるとも思われました。
これまでの拙い経験をまとめると、コロナ後遺症は新しい疾患概念ではなく、従来からのME/CFSあるいはウイルス感染症後の病巣疾患(たとえば反応性関節炎やギランバレー症候群といった疾患)でしょう。といってそれが分かったとしても対処法がなければ困るだけです。
その治療として有望なのがEAT(上咽頭擦過治療)です。私の定期外来ではどうしても対応に限りがありますので、この度も特別枠にて対応することにしました。
さらに今回は、金子朋広先生(日本医科大学多摩永山病院 腎臓内科准教授、相田歯科・耳鼻科担当医)と一緒に外来を行います。力強い助っ人が来てくれます。
金子先生はJFIR(日本病巣疾患研究会)でも毎回貴重なご発表をしていただき、私も親しく勉強させていただいています。
相田歯科・耳鼻科が内科的疾患に対するEATの発信基地となれるようにタッグを組んで取り組んでいきます(金子先生は従来からEATを行っていましたが、コロナ対策優先のため施行出来ていませんでした。この度復活となりました!)。
金子先生不在の間は、私が担当させていただいた患者さんもホッとしてると思います。良かった良かった。
外来申し込み受け付け
今回は、通常の相田歯科・耳鼻科での診療範疇となりますので、慢性上咽頭炎治療が主体です(初診のみの受付です)。もちろん引き続きコロナ後遺症に関しても治療を受け付けます。
対象疾患:コロナ後遺症(類似疾患含む)、IgA腎症などの腎疾患、慢性上咽頭炎が引き起こす諸症状(咳喘息、慢性じんま疹、後鼻漏、咽頭違和感など)、ME/CFSなど
※外来の申し込みはこちらから。
初診後のフォローアップは相田歯科・耳鼻科あるいはお住まいの近くに信頼置けるEAT施設があればそちらをご紹介いたします。
後鼻漏やのどの違和感、締め付け感あるいは他院でEATを行っているがなかなか改善しないなどの症状があるかもお申し込みいただけます。
診療に当たって
コロナ後遺症という言葉が広く知れ渡るようになり良い面もありますが、悪い面もあります。
- 自己診断で「コロナ後遺症」としてしまう
- 症状が多彩なために「コロナ後遺症」とされてしまう
大きくこの2点が悪い点として挙げられるでしょう。
新型コロナ以前も多彩な症状を呈したり、原因がはっきりとしなかったり、いわゆる不定愁訴(心気症)とされていた状態は数多く存在しました。それらが少し熱ぽかった、会社にコロナと診断された人がいたなどの”弱い理由”でコロナ後遺症と捉えられることがあるかもしれません。少なくとも私の経験では、従来の疾患概念では捉えられない症状はありませんでした(といってもまた20例ほどに満たないので、これからこの意見もどうなるか分かりません)。
PCR陽性と診断されてからコロナ後遺症の診断に至る流れが本来ですが、PCRが受けられなかったけれどコロナ感染していただろうという状態はコロナ後遺症類似疾患と暫定的に名付けるしかありません。
あまりにも多彩なコロナ後遺症の症状がマスコミ報道などに乗るとそれによるノセボ効果(悪化する、症状を作り出してしまう、プラセボの反対)として症状が出てしまうことがあります。直ちに「コロナ後遺症」であるとの診断は慎まねばなりません。「かもしれない」という観点と「そうでないかもしれない」という見方を常に持っておかねばなりませんね。
みらいクリニックで見たケースでも、コロナ後遺症と自己診断しながら別の疾患であったと言うことがあります。これは珍しいことではなくて、当たり前の事なのです。
- 風邪と思って受診したら白血病だった
- 腰痛と思ったら解離性大動脈瘤だった
- 片頭痛と思ったら帯状疱疹だった
- 胃痛と思ったら心筋梗塞だった
なんて事は日常茶飯事に起こるのですから、PCR陽性後の症状だから、上気道炎症状が先行したからといってすぐにコロナ後遺症とすることなく、コロナ後遺症の診断は一番最後にして他の疾患を除外していかねばなりません。
風邪診療というのは本当に難しいです。私如きが言うものなんですが、診療は風邪に始まり風邪に終わる、風邪は万病の元と先人はよく言ったものです。
と受診したら
と医者からたしなめられたなんて話もありますが、安易に風邪だと思っていたら全然別の病気だったなんて経験は医者であれば1回や2回だけの経験では済みません。
そう考えるとやはりというか、コロナ後遺症は”除外診断”として扱わねばならないとコロナ後遺症診療を経験する中で再度認識しました。
医療行為、診断行為としては当たり前なのですが、どうしても先入観が入ってしまいますので要注意しなければなりませんね。様々な疾患を考え、それらが除外されたからコロナ後遺症だろうと診断に至らねばなりません。
偉そうに私も書いていますが、これまで様々な誤った診断をしてきたからこそ自戒を込めて書いています。
金子先生とともに4つの目と二つの頭で(私のはポンコツかも知れませんが、、、(^^;)診療を行いたいと思います。
毎度の図で恐縮ですが、慢性上咽頭炎は様々な病気、症状と関係しています。
外来診療ご希望の方は下記のフォームからお申し込み下さい。
これまで診療しています例えば掌蹠膿疱症(SAPHO症候群など辺縁、類似疾患)や関節リウマチなどの自己免疫疾患の方でもお申し込みいただけます。
金子先生は腎臓病専門ですから、IgA腎症の方(扁摘パルス後など)もフォローいたします。
- 料金:11000円(税込)(通常の相田歯科・耳鼻科での初診料と同じです)
- 自費診療です、投薬は行いません
- 時間:30分
- 治療内容:E-EAT(内視鏡下上咽頭擦過治療)を行います
- 電話予約は不可(こちらのフォームからのみ受け付けております)
以上ご理解いただきお申し込み下さい。お申し込み後は私の方から連絡を差し上げます。
※設備などの問題で対応出来ない疾患の場合にはお断りすることがありますのでご了承下さい。
※当日は見学医師が入る場合があります。ご了承いただきますようお願いいたします。
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
クリニック案内
amazon著者ページ
今井院長facebook
今井院長Twitter
今井院長Instagram
コメント