【医師解説】ムダに燃える体を作るためにエクササイズしよう【知ってる?UCP】

こんにちは、みらいクリニックの今井一彰です。動画をご覧いただきありがとうございます。今日は無駄に燃える体づくりをするためにエクササイズしようということで、ショートレクチャーしていきたいと思います。今日も加圧をしながらやっています。私の体は無駄に燃えている、無駄に筋肉を動かしているような状況になっています。

 


今日の 用語、『脱共役タンパク』と書きました。
最近ではYouTube の宣伝にも UCP3なんてのが出てくるようになって、聞いたことあるというふうな感想を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。

UCPについてご説明したいと思います。これすごく大事なんです。

それを理解するために、UCP がどこにあるのかということなんです。それで非常に汚い図で恐縮ですが、私の手書きです笑

左上がミトコンドリアです。ミトコンドリアというのは外膜があって、その中に内膜というのがあって、そこの中にミトコンドリアのDNA が収められているわけですね。外膜と内膜の中間の部分を膜間腔と言います。膜と膜の間なので膜間腔と言います。そして内膜の間のところをマトリックスと言います。

なぜこのミトコンドリアのことをお話しするかと言うと、ミトコンドリアと言うのは呼吸をする場所なんですね。私たちは鼻や口で呼吸して酸素を取り込んでいくわけですけれど、最終的にはここで酸素を消費されて、酸素が何をするのかというと、エネルギーを作るわけです。体の中のエネルギーは ATPというので作られます。 ATPは大体60 kg から70 kg ぐらい1日の内に費やされるという風に言われています。その自分の体重と同じあるいはそれ以上のATPを細胞の中のミトコンドリアが作り出しているわけですね。

実はこのミトコンドリアは年をとっていくとその量も質も悪くなっちゃう。その量・質を良くしていくことが、元気になっていく、健康になっていく、免疫を上げていくひとつの方法でもあるわけですね。今回の UCP はミトコンドリアにとても関係があって、ここに書きました、内膜にUCPが存在するわけです。

その前にミトコンドリアの内膜で何が起こってるのかっていうことについてご説明しましょう。

これは高校の生物とかで習いますし、当然大学でも医学系を卒業した方は習うという風に思います。私の時(30年前ですね)にはこのUCP 多分習ってないんじゃないかなと思うんですけど。

まずⅠⅡⅢⅣは電子伝達系というやつですね。NADやFADだとかそういうものから電子を奪うという経路なんですね。

砂糖を食べます。砂糖を食べてからピルビン酸に変わって、ピルビン酸からTCA 回路に行く。TCA 回路から電子伝達系に行って、電子伝達系から電子を生み出すわけですね。

電子伝達系は何をするのかと言うと、ユビキノールとか聞いたことがあると思いますけれどもシトクロムだとかああいう物質によって電子を渡していくわけです。

ⅠからⅡ、ⅡからⅢ、ⅢからⅣというふうに電子を渡していく。電子を渡していくことによって何をするのかというと、H+を貯めるわけです。H+というのはプロトンですね。水素イオンですね。これを貯めていく。どこに貯めていくのかというと、intermembrane space(膜間腔)に貯めていくわけです。なぜ貯めるのか。水素イオンはダムだと思ってください。ダムにどんどん水を貯めていって、発電のために貯めるようなものなわけですね。ですから、汲み上げポンプだと思ってください。電子伝達系は汲み上げポンプだと思ってください。

ここにどんどんH+が貯まっていきます。H+が貯まっていって、この貯まったH +が ATPアーゼ、 ATP 合成酵素をシュッと通り抜けた瞬間に このATP合成酵素がくるっと回転して、 ADP から ATP が生まれるわけですね。ADPにP(リン)がもう1個ついて ATPになってきて 、このATPがエネルギーの通貨として マトリックスに貯められる。 マトリックスに貯められたATPはどんどんどんどん今度はミトコンドリアの外に放出されて細胞が使えるようになるわけですね。

ですからこの ミトコンドリアがエネルギーを生み出す呼吸の一番最後がとても重要だということが出てくるわけです。で UCPが何をしているのかと言うとここに出てきます。

UCPですけれども、英語ではuncoupling proteinと言います。脱共役タンパク。カップリングしないようにさせるタンパク質と言います。これは何をカップリングさせないのかって言うとちょっと戻りますね。

ATPの酵素というのは、水素がここ(ATPアーゼ、ATP合成酵素)を流れていくことによって、その力によってぐるぐるぐるぐる発電機が回って ATP が作られるようなものだと思ってください。ダムに水が貯められてダムからビューっと水が流れていく。そのタービンをぐるぐるぐるぐる回すことによって発電されているわけです。

細胞内のミトコンドリアでも同じで、膜間腔にどんどん水を貯めます。H+を貯めます。そこからH+がビュンビュン降りてくることによってATPが生まれるわけです。

ところがH+が流れて出ることによって共役しているこの状態を「脱」させないようにするがUCPなわけです。ですから膜間腔に貯まったH+をそのままスルーさせてしまう。ここで何が発生するのかって言うと熱が発生してしまうわけですね。この熱が発生してしまうことによって無駄に燃える体ができるわけです。

UCPには、1.2.3という種類があるんですけれども、いずれもミトコンドリアの所にあって、この貯まっている水を発電機を通さずにただ単に下流に流してしまうという無駄をさせてしまうんですけれどもこれが熱となって 恒常性を保ったり、若い時なんかだとこういうものがいっぱいありますから冷えない状態を作るわけですね。

このUCP、UCP1などは褐色細胞の中にある褐色脂肪の中にあるんですけども、褐色脂肪よりももっと量が多いのが骨格筋です。骨格筋にはUCP3などが分布しているんですが、この骨格筋にUCPを増やすことができれば、無駄に燃える体を作ることができるわけです。

じゃあどうやって増やすのかと言うと、なかなかこれが増やすのが難しいわけです。UCPを増やすにはエクササイズしかない。しかもハードなエクササイズが必要になってきます。レジスタンストレーニングとかHIIT(高強度インターバルトレーニング)、あるいは加圧トレーニングだと低負荷でも大丈夫です
この UCP を増やしていくことが無駄に燃えていくことに繋がります。

ですから、有酸素運動だけではこの UCP が増えませんので、ヨガなどの有酸素運動とエアロビクスのトレーニングとレジスタンストレーニング、筋力トレーニング、どちらがリバウンドしにくいか体重が戻りにくいかと言うと、レジスタンストレーニングの方が戻りにくい。それはなぜかというとUCP ができるからなんです。ですからUCP を増やすためにもちょっと強度の強いトレーニング、あるいは加圧トレーニングでUCPを増やしてミトコンドリアの状態を改善していく。ミトコンドリアを増やしていく。ミトコンドリアの質を良くしていということを心がけてください。

今日は UCP 脱共役タンパクについてご説明しました。これを増やす薬はありません(2020年現在)ので YouTube の宣伝に騙されないようにしてください。トレーニングの際はぜひ指を伸ばすためにゆびのばソックスもご活用ください。動画をご覧いただきありがとうございました。できればチャンネル登録もお願いいたします。みらいクリニックの今井でした。

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執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医・NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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