医師解説:慢性上咽頭炎と片頭痛の関係について

上咽頭 治療

こんにちは、みらいクリニックの今井一彰です。
今日もご覧いただきありがとうございます。
今日はですね、慢性上咽頭炎と頭痛の関係について少しお話をしてみたいと思います。

慢性上咽頭炎という言葉がすごく広まってきたんですけれども、やっぱり患者さんの訴え、主訴と言いますけど、その主訴の中で一番多いのが後鼻漏ですね。鼻に垂れてくる、後鼻漏が一番の主訴なんですね。

副鼻腔炎からの後鼻漏もあるわけですけれども、圧倒的に慢性上咽頭炎を治療すると改善する後鼻漏が多いですね。おそらくこの動画をご覧になってる方はですね、この画を見たことがあると思うんですね。

これって 慢性上咽頭炎の起こる色々な様々な病気について書いてあるんですけれども、患者さん方には私はこれに3つ当てはまれば慢性上咽頭炎ですよ、という風にお伝えするんですよ。

この中に片頭痛っていうのがありますね。まあいわゆる頭痛もそうなんですけれども、片頭痛と言われる方々に上咽頭から頭痛が引き起こるという風なメカニズムがあるわけですね。

片頭痛、昔はエルゴタミンとか使っていましたけれども、私が医者になって5年ぐらいかな(調べてみたら2000年に薬価収載されていますから、6年目でした)、トリプタン系の薬が発売されまして、初めはイミグランだったかな、発売されて、今はレルパックスとゾーミッグとか色々出てますが、トリプタン系の薬が効くようになって、非常に恩恵にあずかった方は多いと思うんですよね。今でもおそらく常備しておられる方もいらっしゃると思います。

頭痛によって起こる経済的な損失、一年間に数千億円とか前なんか本で読んだことありますけれども、本当に傍から見えないので頭痛の方ってかわいそうではありますよね。今日は頭痛いんだっていうのが他の方々には分からないので本当にかわいそうです。

片頭痛ですけれども、古典的な片頭痛としては眩しいとかですね、鼻水が出てくるとかという風なオーラ・アウラ(aura)といいますけれども、閃輝暗点、黒い光が飛ぶようになるとか、様々な前駆症状があって出る方というのが多いんですよ。

これはズキズキという風な痛みとして表現されますし、言葉として片頭痛ってありますよね。 偏った頭痛、片側の頭痛なので、どちらかに左右どちらかに偏る方のほうが多いわけです。

この片頭痛ですけど、血管が拡張することによってズキンズキンズキンという風に痛みが起こるという風に言われています。

ただその中でトリプタンが効く人であったとしても、慢性の上咽頭炎があって、慢性の上咽頭炎を治療するとすごく良くなるという方も多いんです。私の感覚でも8割の方はトリプタンがいらなくなりますし、頭痛が起こることがなくなりますし、他の慢性上咽頭炎の治療しているドクターに聞いても、やはり正確な数字を出したことはないんですけど、大半の方々は頭痛がなくなるという風に言われています。

ですからこの脳の血管がズキンズキンと拡張するというのも一つの現象として理由としてあるかもしれませんけれども、慢性上咽頭炎からの頭痛ってのも考えた方がいいと思います。

この慢性上咽頭炎から引き起こるたとえば頭痛、あるいは首こり肩こりという方もいらっしゃいますね。筋緊張性の頭痛、締め付けられるような頭痛なんていうのも慢性上咽頭炎と関連して考えた方がいいと思います。

ではなぜこの片頭痛などが良くなるのかということについてちょっとお話をしたいと思います。

もちろん上咽頭自体は、この頭の中の真ん中、両方の耳の真ん中にあると思ってください。そして鼻の真後ろにあると思って下さい。この体の中心部のところにあるのが炎症を起こすわけですから、ズキズキと痛んでもですね、全く問題ないわけです。

これちょっと見にくいかな。ブログで出すのでブログでも確認してみてください。
これ慢性的な炎症とかがどうやって改善するのかということについて模式図を書いてみました。これは堀田修クリニックの堀田修先生と永野千代子先生のご尽力の賜物のスライドです。

決して私が作ったわけではなくて、お二人のご尽力の賜物ですね。

耳鼻咽喉科的な疾患として慢性扁桃炎とか慢性上咽頭炎・慢性副鼻腔炎、歯科的な疾患として歯性病巣感染症とか不適切な歯科治療なんて書いてますが、なんとか炎ってのがここに並びます。

3つのパターンがあるわけです。炎症が関係するパターンと、それから自己免疫的な機序が関係するパターンと、そして自律神経的な機序が関係するパターンですね。

片頭痛はどこにあるかって言うと、ここにあります(内科)。
青で書かれています。青は何かというと、炎症が関係していると書いてありますね。

この下には IgA腎症がありますが、この IgA腎症はですね、 これは黒になってるな。これは緑、自己免疫的機序が関係してるわけです。

片頭痛は青、炎症が関与してる、今お話ししましたが慢性上咽頭炎からの炎症の波及によって頭痛が引き起こってしまう。トリプタンが効くんだけれども、上咽頭擦過治療・EAT、昔は B スポットという風に言っていましたが、それが効くこともあるわけです。ですから、慢性的な頭痛がある、あるいはトリプタンが効かないとかですね、ミグシスみたいな予防薬を飲んでもなかなか良くならないという方は、是非とも慢性上咽頭炎の治療を受けてみられることをお勧めします。

特に頭痛っていつ起こるか分からないし、起こった時にも先ほど言ったみたいになかなか周りの理解が得られないという悲しい現実もあるわけですから、頭痛とさよならするためには、やはり慢性上咽頭炎の存在を確認しておいた方がいいと思います。

ですからぜひとも頭痛に関わるですね、頭痛外来とかしてるようなドクターにも本当にこの慢性上咽頭炎を知っていただきたいと思ってます。慢性上咽頭炎を知ることによって、様々な患者さんの 訴えが改善することがあります。

「なんだよ、擦るだけじゃねえかよ」「そんな野蛮な前近代的な治療ができるわけがねーじゃねーか」っていう風に医者がバカにする人がいるんですけれど、未だにだって歯を磨くのはハミガキなわけですよ。「何だ今頃こんな野蛮な方法で歯磨かねーよ」って言う人いないですよね。

同じように上咽頭も炎症があるところはですね、後鼻漏でべったり覆われてたりとかそういうこといくらでもありますから。

これ上咽頭の内視鏡の写真なんですけど、ぽっこり腫れてるところがありますね 。

これE-EAT、内視鏡によるEATによってこの部分をぐりぐりと押していくとですね、この白いのが綿棒ですね。押していくとここから中に膿みたいなのがドロっと出てくるわけです。

こういうのが炎症をずっと引き起こしてるって事もありますから、頭痛の種、まさに頭痛の種になってしまうことがありますので、先ほどのこれ

私3つ当てはまるなぁという方いらっしゃったらですね、是非とも慢性上咽頭炎を疑ってみてください。
本当にあなたの今の症状に関係してることがあるかもしれないというのが慢性上咽頭炎です。
少しでも病気が良くなること、症状が軽くなることを祈っております。
この動画が役に立てば本当に嬉しいです。
ご覧いただきありがとうございました。
是非ともチャンネル登録をよろしくお願いします 。

慢性上咽頭炎

執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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