慢性上咽頭炎では内視鏡検査をした方が良い
東京都荒川区の相田歯科・耳鼻科で月に一度診療を行っています。
相田歯科・耳鼻科にも喉頭ファイバーがあり、慢性上咽頭炎疑いの患者さんでは初診時に喉頭ファイバーで上咽頭周辺を観察します。
この方は、歯科治療も平行して行っているのですが、左上顎洞に根尖病巣(歯の根っこの炎症)が及んでいるようなレントゲン所見があり、体の状態を考えて抜歯をした方が良いだろうとの意見で、院長の相田先生と一致しておりました。
さて、この方の喉頭ファイバー所見です。
上の写真が、上咽頭を真正面から見た状態です。
写真半分より、歯科にすこしピンクがかっているところが中咽頭、そこから上のオレンジ色が強いのが上咽頭です。
軽度慢性上咽頭炎の所見です。
この写真は、正面から「患者さんの右側」へファイバーを向けた時のものです。
粘膜の下に、赤い川の流れのような血管が見えます。
これは正常な上咽頭の粘膜所見と言えます。
さてこれはいかがでしょうか。
この写真は、左側にファイバーを振った時のものです。
右側と違って全体的に粘膜が厚くなって、血管がはっきりしません。
細かく見ると敷石様の変化が分かります。慢性上咽頭炎の所見です。
この部分を綿棒で擦過すると、はたして簡単に出血しました。
血管像がはっきりと見える右側を擦っても出血は認めません。
左側のみこの様な炎症が起こっているのは、おそらく左上あごの根尖病巣が関係しているのではと思われました。
慢性上咽頭炎では、この様に一部分のみが炎症性変化を起こしていることがあります。
ですから、鼻からの綿棒で擦ってみて出血がなかったとしてもそれは上咽頭炎が「ない」ことの証明としてはちょっと弱いです。
どこに炎症があるのかが分かるとその部分を念入りに治療できます。
喉頭ファイバーで、ポリプや潰瘍など「擦過してはダメな部分」を見つけることも出来ます。
ですから、やはりきちっと上咽頭擦過治療(Bスポット治療)を行うには喉頭ファイバーをした方が良いでしょう。
https://mirai-iryou.com/shinryo/bspot/
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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