新型コロナウイルス対策にも!
日本病巣疾患研究会(JFIR)では(もちろんみらいクリニックでも)「鼻うがい」を新型コロナウイルス対策に推奨しています。聞けばジャニーズタレントの相葉さん、松潤さんも花粉症緩和のために鼻うがいをやっているとか。
今回のブログは、「鼻うがいチャレンジ」とどのような鼻うがいが良いのかについて記します。
こちらは日本病巣疾患研究会の3つの愛「i」で新型コロナウイルス予防を啓発するチラシです。
3つの愛「i」とは「換気kanki」「手洗いtearai」「鼻うがいhanaugai」の事。
密を避けてなるべく疎にして換気、そしてこまめな手洗い、さらに鼻をきれいにする鼻うがい。この3つで乗り切っていこうではありませんか。
鼻うがいについて
まず鼻うがいについて説明します。私が読売新聞ヨミドクターに連載しているものを参考になさって下さい。
鼻うがいは怖そう、痛そう、つらそうなんて声も届きますが、まったくそんなことありません。
鼻に水が入った時つーんと痛いのは「浸透圧」が違うからです。鼻水は痛くありませんね、そう、鼻の洗浄液を鼻水と同じような浸透圧にすればまったく痛くありません。
むしろちょー気持ちよいです。
人間の体液は塩分濃度0.9%です。鼻水も涙も塩分濃度0.9%。これと同じにすれば良いのですから簡単です。100ccの水に0.9gの塩を入れるだけ。ちょっとなめてみるとかすかに塩っぱいかなと言う感じがする程度です。これが洗浄液。
鼻うがいでは重曹を加えた方が線毛の働きが落ちないとされていますから、少しの重曹を入れます。
用意するもの
水 1リットル、食塩9g、重曹0.5g
水 100cc、食塩0.9g、重曹0.05g
でOK。もちろん専用の鼻うがいキットを使うのが楽ですが、自分でも作れますよ。重曹は無くてもOK。
できれば鼻の穴から鼻の穴へ
いろんな空気中の異物は鼻の入り口で大半が濃し取られるので鼻うがいが恐い人は入り口を洗うだけでもOKですが、コロナウィルスが感染し増殖すると言われる上咽頭部を洗うには片方の鼻から洗浄液をいれて、反対の鼻の穴から出てくるようにするのがよいですね。
やり方は動画を参考にして下さい。
こちらの動画は、上咽頭部(鼻咽腔)をしっかりと洗えてるのが分かるものです。口から洗浄液が流れ出してしまうと(ダメではないですが、上咽頭部は洗えてイナと考えて下さい)。ちょっとした洗浄液の角度で変わりますから練習が少し必要かも知れません(すぐ出来ますよ)
鼻うがいのエビデンス・禁忌
鼻うがいの禁忌疾患は
急性中耳炎、浸出性中耳炎、声帯麻痺、誤嚥を起こしやすい人、膿性鼻汁の多い人
です。これらの方でどうしてもしたいと言う人は、鼻の入り口だけ洗って下さいね。
時々「医師に相談したら”やっちゃダメ”と言われたけどどうすればいいですか」と相談されます。
強く洗浄液を注入しなければ、まずは心配ありません。繰り返しになりますが、心配な場合は鼻の入り口だけを洗浄して下さい。
私は、むしろ鼻うがいを避ける方がリスクが高いとも考えています。
鼻うがいのエビデンスをすこしご紹介しましょう。
●家庭医のほとんどが鼻うがいを推奨、上気道感染症に対して抗生物質を投与する前に鼻うがいを勧める(※文献)
急性・慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、気管支炎に対して推奨、妊婦にも勧める
●副鼻腔炎患者の鼻うがいは、抗生物質の使用量を減らす(※文献、文献)
毎日セルフケアとして行うことで生活の質も改善します。
●妊婦の季節性アレルギー性鼻炎が改善(※文献)
妊婦さんはあまり薬を使いたくありませんよね。6週間鼻うがいすると統計的に有意に薬の使用量が減ります。
●周術期のCOVID-19(SARS-cov-2 新型コロナウイルス)防衛のために鼻腔、口腔の除菌を(※ 文献)
これはポピドンヨード(イソジン)で洗浄しています
●鼻うがいは粘膜の線毛活動を改善、復活させる(※文献)
線毛は異物を排除するのにとても大切。鼻うがいでこの機能が保たれます。
もう鼻うがいをするしかありませんよ。
最後に「元気の学校」で私が鼻呼吸、あいうべ体操、鼻うがいについてお話しさせていただいた動画を紹介します。
皆さんも「鼻うがいチャレンジ」やってみませんか?クセ、日課になりますよ!
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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