目次
○△Vプロジェクト第三弾 歯並びを悪くしないぞ
岡崎好秀先生・益子正範先生に聞く
youtube動画の冒頭でいきなり
と「V」を抜かしたタイトルを言っちゃいました。すいません。
今回は、歯科界では知らない人がいない(知らない人はモグリだ)岡崎好秀先生(モンゴル医科大学客員教授、元岡山大学歯学部小児歯科講師)と益子正範先生とお迎えして勉強して参ります。
円熟の小児歯科医と、若手のホープ新進気鋭の小児歯科医のコンビに私が挑みます!
歯並びをよくしたい、子どものアレルギーを治したいという人はこのシリーズ必見ですよ。
小さいお子さんを育てている人、これから妊娠する予定の人、いま正に妊娠している人、これから子育て準備に入る人はぜひ。
かわいいお子さん、お孫さんの歯並びをよくしたいでしょ!?
○△Vプロジェクトについてはこちらをご覧下さい
何回か登場しているこの「ヘルスデンティストリー」の序文(Ⅱのほうにあります)を岡崎先生がお書きになっているのです。
この文章がしびれる~~~~~~(#^.^#)
まずは、この序文のことから伺っていきましょう。
5歳で受診 二回目の受診は9歳??
1970~80年代は、「虫歯の洪水」と言われていた時代。
1970年生まれの私にも当然ありますよ。虫歯。
いまの若い人たちの口をみるとうらやましいですね~~
岡崎先生が若手だった時代、5歳で受診したら次の予約が4年後だったという逸話。
問題が無くて受診しなくて良いわけじゃなく、あまりにも虫歯患者が多いので、予約を取ることが出来ないので4年後だと言うこと。
高齢者だったら、もう生きているかどうかもわからないくらい先です・・・
それくらい虫歯の子ども達が多かった。
5歳と9歳、5歳は乳歯、9歳はすでに永久歯が生えてきていますね。
だから「虫歯になりながら生えてくる」といわれていたようです。
だから虫歯予防が大事!
体格と体力は違う
岡崎先生が続けます。
体格と体力は違う。
- 虫歯の予防 = 体格を作ること
- 口の機能を育てる = 体力を作ること
昔、「健康優良児」といって表彰される児童がいましたが、その子達がけっして健康に育っていったわけじゃないという理由から、健康優良児という考えそのものがなくなっていったことを思い出しました。
ずいぶん選択基準に地域差があったようですが、体が余計に大きくて、ちょっとぽっちゃり君が選ばれていたイメージがあります(もちろん私の思い出だけですが)。
岡崎先生と私の関係は
それぞれの大学卒業年度を聞いてみると岡崎先生が1978年、益子先生が2006年でその差が30年。私が1995年なので、その中間に当たるでしょうか。
岡崎先生との出逢いは、西日本新聞社主催で行われた第一回命の入り口セミナーで私が講師を務めた時でした。
お忙しい中を縫って講演を聞きに来て下さいました。その時に紹介して下さったのがこの本。
「謎解き口腔機能学」2003年発刊ですが、10年以上経った2017年現在のほうが売れている、というではありませんか。
やっと時代が「口呼吸問題」に追いついてきたようです。
障害児の治療をしていた岡崎先生は、全体的に筋力が落ちているダウン症の子どもは口が開いているということに気がついていましたが、そのうち健常児にも口が開いている状態が増えてきたことに警鐘を鳴らしています。
岡崎先生は、歯科という分野を超えて多方面に渡る知識をお持ちです。
私も長くお付き合いさせていただいておりますが、様々なことを学ばせていただいております。感謝感謝。
益子先生と私の関係は
益子先生とは、2015年1月号の「歯科衛生士」誌で協働して記事を書かせていただいたことがあります。
私が注目している若手歯科医!これがその時の記事の表紙です。
また赤ちゃん歯科ネットワークというグループでも活躍しています。
岡崎先生と益子先生をつないだのが石田房枝先生です(この辺は割愛)。
皆さん、口呼吸問題を通してつながっています。
○△Vプロジェクトに突入
最近は、赤ちゃん時代からV字の子どもが増えているそうです。
これは、「後天的」生まれた後の問題が大きい。
上あごの形は、ベロの形を表しているといいます。
まず飲み込みがシッカリしているか
さぁ皆さん、一度唾を飲んでみましょう
ゴクッ
いかがですか、飲み込む時にベロが上あごを押しましたか、奥歯でぐっとかみしめましたか。
飲み込む時に、舌の背中側が上あごに当たらない人は、「舌癖」(ぜつへき、舌の悪い動きの癖)があるかもしれませんよ。
このベロの当たりが上あごの形をつくっていく。だからこの○型のあごになって行くんですね。
一日の嚥下回数(飲み込みの回数)は1000回、この刺激が○あごを作るんですね。
飲み物で流し込んでいないか
食事の時に、水分があるとよく噛まずに、上あごにベロを当てることなく「流し込んで」しまいます。
これが△、Vの上あごを作る悲劇につながります。
小児の食事に、
- 小さく切って
- 飲み物を用意して
なんてのは、食べることを学習させない暴挙、優しい虐待につながると私は思います。
アレルギー疾患をもっている子ども達の、流し込み食べ率はかなり多いし、咀嚼、嚥下が下手な子が多い。
益子先生は、咀嚼よりも飲み込みの技術獲得、習得の方が先に来ると解説されます。
オッパイを飲む → 嚥下する → 嚥下の達人!
それから「かむ」「しゃぶる」ということにつながるんですね。
ここですごいものをみせてもらいました。
これが生後一ヶ月の赤ちゃんの歯形(歯がないですからあご形ですね)。
まぁかわいらしいこと。手形を取るのように、一人に一個どうですか!?
生後1ヶ月と5ヶ月の乳児のあごを比較すると一目瞭然です。
五ヶ月の乳児の方は、すでに△になっています。
抱っこの仕方やおっぱいの飲み方などが大切なんですが、後々の動画で詳しく説明していただきましょう。
問題は、噛むこと、飲むことなどのちょっとした生活習慣が、健康的な○あごを作るか、病気がちな△、Vあごを作るかの違いなんですね。
かむことがないと唾液が出ない、唾液が出ないことによって味覚障害まで引き起こしてしまいます。
かむって大切ですね。
岡崎先生は動物の歯医者さん
ほ乳類(私たち人間もそうですね)と他の動物の歯は違うと言います。
人間の歯は、生え替わりは一回、サメは何回も生え替わる。これはその役目が違うからとのことです。
サメ 捉える歯 捕まえる歯 そして丸呑み
人間 咀嚼する、かみ砕く歯
食べるのにこういう違いがあるんですね。
しっかり噛めるから栄養摂取の効率が良くなったんですね。
これが上あごが出来た理由とのこと。 上あごがあるから食物を噛みながら鼻呼吸できるんですね。
岡崎先生は本当にいろんなことをしってます。面白いなあ。
歯はナイフだ
岡崎先生は、歯はナイフだと仰います。
ケーキを食べるとべっとりとクリームがつきますが、しゃきっとした浮ルールを切ってもそれほどナイフには残らない。
軟らかい食事をこんな風に例えてくれると分かりやすいですね。
さらに、益子先生が離乳食も変わってきていると言います。
栄養は摂れるけれど、口腔機能は発達しない食事、これって恐いですね。
栄養学だけでは一方向からの視点しかないことが分かります。
窒息という事故を一度目にすると「恐い」「危ない」という風に、先回りの気配りが子ども達の成長を奪ってしまっている可能性があるかもしれませんね。
手づかみ食べが大切
手づかみで前歯で噛ることがとても大切。
これが一口の量なども学習する過程なんですね。
しゃぶる、かじる、なめる
どれも子ども達にとってはとてもとても大切な体を作っていく学習過程ですね。
スプーンの扱いも重要
子どもがなかなか食べないからといって、スプーンですくった食事を口に突っ込んで、上あごになすりつけるように与えていませんか?
これ最悪ですよ。
岡崎先生が実演して下さっているように、下唇にスプーンを当てて、上唇が動くようにする、ベロが動くようにすることが大切です。
面倒ですが、これは教育、子育てです。
口呼吸を予防するためにも、このスプーン捕食を実践して下さい。
もちろんその前に「手づかみ食べ」ですよ。
かえって食事の準備が楽になりますよ。
虫歯菌よりも砂糖が危ない
親からの虫歯菌が伝染するから、箸の共有やスプーンの共有は危ない
なんて話を聞きますよね。
岡崎先生は、それはちょっと違うんじゃないかと仰います。
その理由は・・・ぜひ動画をご覧下さい。
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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