子どもの転倒予防に足指体操 保育園で驚きの調査結果

第31回福岡市保育研究大会が福岡市保育連盟の主催で行われました。福岡市東区の保育園グループが「足指と姿勢とかみ合わせ(歯並び)」のテーマで発表しました。私もこの研究に加わっていましたので、その内容についてご紹介します。

子ども達の転倒(転ぶ)による怪我(鼻を折る、歯を折る、皮膚をすりむくなど)をどうやって予防していくのかという取り組みです。

この度の調査によって、足指の問題が転倒に大きく影響をしていることがわかりました。

転倒による子どもの歯の怪我が増えている

福岡歯科大学小児歯科の尾崎正雄教授によると子どもの歯の怪我が増えており、しかも受傷する年齢も上がってきているとのことでした。

これまでは転んで顔をぶつける、口の怪我をするというのは幼児、小学校低学年の子ども達の問題だったものが小学校高学年にも拡がってきています。

このことは、永久歯の損傷をすると言うことを意味します。その子の口の問題に与える影響はとても大きいですね。

下のグラフを見ても10年間で3倍以上に増えていることがわかります。これはかなりの増加です。

転倒する原因は?

では転倒する原因はどういうものが考えられるでしょうか。

体力、運動能力の低下(する子しない子の二極化)が一番に上げられるでしょう。では、それらを起こすものは

  • 室内での遊びが増える
  • 歩行数の低下
  • 食生活の変化(体重増などの生活習慣病)

などが上げられます。そして、体に合わない靴・靴下の問題もあると私たちは考えました。

ジャンプや行進が出来ない幼児に対して、その改善を目指した足指機能改善体操である「ゆびのば体操」(FC方式)の先行研究から、今回子ども達の転倒防止に「ゆびのば体操」を導入しました。

子ども達の足指が壊れていく

 近年、子ども達を取り巻く環境が大きく変化しており、運動能力の低下が指摘され転倒による
怪我も多い。 平成27年度一般保育士研修会「人生元気で歩く為の足づくり」の研修で、子ども達の
足の異変(かがみ指・反り指・扁平足等)が、様々な問題(少し歩くとすぐ疲れる・よく転ぶ・雑巾がけが
出来ない・走り方がおかしい等)と関係がある事を知り、 東区グループは園児の足指に着目した。 み
らいクリニックの今井一彰先生を講師に迎え、歯科医の先生方のご協力の元、足指を伸ばして広げる
「ゆびのば体操」を、①する園・しない園との比較、②体操を行うと子どもの姿勢・歯並びにどのよ
うな変化があるかについての研究を行った。

上の図を見てもわかるとおり、子供だからといって足指がきちっと育っているかどうかは別の話です。むしろ子供だからこそ足指が大人と違って容易に変形していってしまいます。足指の変形としては浮き指(反り指)、屈み指、寝指などが挙げられます 。

調査の方法

今回調査に加わってもらったのは3,4,5歳児さん達で、総勢約2,500名です。

そして、ゆびのば体操をして病院の受診に変化があるかどうかを検討しました。

 対象人数
ゆびのば群  対照群
平成27年度 2167名  353名
平成28年度 2213名 350名

今回の調査で転倒の指標として、病院への受診(歯科、外科)の変化を見ることにしました。

転倒と言ってもその程度は様々で、所属する保育園によっても基準が違う可能性があります。病院への受診となると、ある一定の怪我をしたことが推察されますし、大きくその判断基準は違わないだろうと考えました。

思いがけず大人数のデータが得られたのは大変喜ばしいことです。

これが子ども達がゆびのば体操をやっている実際の様子です。みんなで一斉に始めます。

最初は3歳児さんが上手く出来ないとか、動きが単調すぎて子ども達が飽きてしまう、取り組む時間が無いなどの問題が起こってきましたが、保育士の先生方がいろんな工夫をして続けてくれました。

結果:転倒による病院受診が減った

さて「ゆびのば体操」を導入した結果はどうだったでしょうか。

なんと、受診率が22%低下しました。逆にゆびのば体操を導入しなかったグループでは、受診率が増えてしまいました(特に歯科)。

今回の調査では、改善には有意差は出なかったものの、ゆびのば体操を取り入れた園は、転倒による病院受診が減ったという結果になりました。

まだ二年間しか調査をしていませんから、引き続き子ども達の転倒防止の取り組み、調査をしていきたいと思っています。

 

かみ合わせに関しては、私の信頼する橫田成一先生(よこた歯科クリニック)、秋月大先生(秋月デンタルオフィス)、長嶋哲郎先生(てつデンタルクリニック)のお三方の指導を受けました。いずれブログでもご紹介します。

保育士グループリーダーの西村先生をはじめとして、福岡市東区の保育園グループの先生方この度の発表お疲れ様でした!

子ども達の元気は、日本の将来の元気に繋がります。保育士の先生方の活躍にこれからも大きな期待をしています。

みらいクリニックでは、ゆびのば体操、あいうべ体操の講演、セミナーも承っております。

実践を積んだスタッフが訪問いたします。お気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

今井 一彰
今井 一彰医師 みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医・NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
内科・アレルギー科・リウマチ科
加圧トレーニングスペシャルインストラクター

みらいクリニック(内科・アレルギー科・リウマチ科)
福岡県福岡市博多区博多駅東1-13-31駅東サンシティビル6F
tel : 092-415-2153
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