靴下の擦れは症状改善の大きなヒント
ある時は上咽頭のことを書いたり、漢方のことを書いたり、変形性関節症のことを書いたり一体私は何が専門なんだと思われる方もいらっしゃることでしょう。
私は、症状や病気が「治る」ことに専門でありたいと思っています。
自分の専門(と思われる)分野の検査だけをして「問題ありませんね」とするような診療はしたくない。
だから「治る」ためにはいろんなこと、知識を付ける必要があります。
医学的知識はもちろんですが、それ以外のことも・・・
今回は、靴下の擦れた状態からわかることについてです。
靴擦れならぬ靴下擦れ そこから分かることとは・・・
ゆびのばソックスは、ブラック(黒色)が基本です。
色々な理由があるのですが、今回はその一つ「靴擦れが分かる」ことを挙げてみたいと思います。
おろしたての革靴だからなじんでくるまで痛みなどをガマンするという人がいます。
痛みが出た時点で「その人に合っていない」靴なので、なじむまでガマンするというのは、靴による足や足指の変形が起こるまで「靴なりの足」になるまで放置する、と言うことです。これは怖い。
わざわざ変形をさせるのですから、極端なことを言うと中国の纏足と同じです。
ゆびのばソックスをはいているのに足首が痛む
膝の不調で受診しておられた50代の女性のお話です。
膝の不調はすっかり良くなり歩くのもとても楽になっていました。
ところが何時の頃からか両側の足首痛を感じるようになりました。
それまで普段通りに生活をしていたのに、特に悪いこともしていないはずなのにと心配になり相談に見えました。
本人は、いつの間にか足首の捻挫をしていたのではないかと心配しておられます。
これがその時のゆびのばソックスの状態です。
さてどういうことが見えてくるでしょうか。
黒の靴下が白く替わっているところは、靴に擦れてしまって変色している部分です。
擦れているところを見て行きましょう。まず親指側から
- 母趾の爪先
- 2趾の爪先、第2関節
- 3趾の第2関節
- 4趾の第1、2関節
- 5趾の外側全面的に
が擦れていることが分かります。
これは靴のサイズを間違っているか、紐をきちんと締めていないかが予測できます。
次に左側の足を見ていきましょう。
こちらも右側と同様に擦れていますね。右よりも左の方が擦れがひどいようです。
良く確認してみると、
- 指定サイズのシューズを変えていた
- 靴ひもをきちんと結んでいなかった
と言うことが分かりました。
これにより足首の痛みが出ていたのです。
またこのように屈み指(屈指症)になると肩凝りや猫背といった姿勢の問題も引き起こしてしまいます。
実際この方も肩凝りが再発してしまいました。
人は、症状が改善すると、それまでやっていた取り組みをしなくなってしまいます。
これは仕方のないことです。
ところがまた同じような症状が出ると、「別の病気か」と思ってびっくり、ドッキリするのです。
実際は、それまでの取り組みを中断したからなのですが。
薬など「医療行為」と思われるものを止めた後だと症状の再発には気づきやすいのですが、生活習慣の改善などだとこの変化に気がつきにくいんですね。
さて、あなたの靴下の擦れ具合はいかがですか?
みらいクリニックでは、こんな所にも気を配って痛みや症状の原因探索に取り組んでいます。
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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