IgA腎症と上咽頭治療の関係

あいうべ(息育) 上咽頭 治療

IgA腎症に対する上咽頭治療(Bスポット治療)

「わかさ」誌(わかさ出版)2017年5月号に

慢性腎炎の5割を占める難病IgA腎症はのどの炎症を治せば劇的に回復し話題騒然

と題した情報が載りました。

ある人
なんじゃ、ノドと腎臓まったく関係ないじゃないか

と思うのは大間違い。

むしろノドの病気が腎臓病を引き起こしていると言っても言いすぎじゃないんです。

このノドと腎臓病の関係を知らないとIgA腎症は治りません、といっても過言ではありません。

IgA腎症の治療として、扁桃摘出術ステロイドパルス治療治療を行ったのに「血尿が消えない」「炎症が続いている」というIgA腎症の相談を受けることもあるのですが、その全例において

  • 口呼吸の予防がなされていない
  • 上咽頭の問題が未解決

の二点が挙げられます。

堀田修先生が仙台社会保険病院に在職中も、この二つ「慢性上咽頭炎」と「口呼吸」(さらにいうなら食事もですが)のことをきちっと押さえていたことが良い結果につながっているのだと思われます。

ただ扁摘パルスをすれば良いという画一的なものでは解決できない場合もありますね。

わかさ 2017年4月号より

今回の記事ですがもちろん執筆、お話しは堀田修先生(堀田修クリニック院長、NPO法人日本病巣疾患研究会理事長)。

堀田先生がIgA腎症を「完治」させる「扁桃摘出ステロイドパルス治療」を世に送り出したのが1988年。来年で30年なんですね。

堀田先生のこれまでの尽力はすさまじいものがあります。

私も間近に見ていつもその治療への姿勢に身を正されます。

パラダイムの転換が起こるか

パラダイムという言葉を知っていますか?

トーマス・クーンと言う学者が提唱したものです。

それまでの考え(パラダイム)ががらりと変わるときによく使われるのが、「パラダイムの転換」という言葉。

まさに不治の病である(一部の医者にとっては今でもそうですが)IgA腎症が「治る」というのはパラダイムの転換な訳です。

では、このパラダイムどうやって変わっていくかというと

古いパラダイムの人 → 新しいパラダイムの人

と考えや行動が変わっていくのではなくて、

古いパラダイムの人 → 死ぬ、減る

新しいパラダイムの人 →増える

という移り変わりなんです。

ですから古いパラダイムの人はそこから抜け出すことは出来ません。

古い人がいなくなることによってでしか次の新しいパラダイムへと移り変わっていきません。

その変わる時間は約30年と言われています。ちょうど世代交代の時間(いわゆる一世代)と同じですね。

いまだにIgA腎症が「治る」堀田先生の扁摘パルス治療を「選択しない」病院、大学もあります。

受診したところによって病気が治る治らないというのは本当に可哀想です。

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エビデンスがあっても、「信用ならん」という感情が先行してしまうとこの様なことが起こりえます。

医師も人間、感情の生きものですからね。

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さて、IgA腎症は、糖尿病性腎症の次に新規透析導入が増えている病気です。

もしこれが早期治療すれば「治る」のであればそれを選ばない手はありません。

とろこがアンチ堀田派(古いパラダイム)の医師にかかってしまうと、「治らない」「非科学的」と一蹴されてIgA腎症が進行していってしまうという悲劇を味わわなければなりません。

慢性上咽頭炎を治すことがIgA腎症を治すことにつながる

このブログをお読みの方は「病巣疾患」「病巣感染」という言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。

聞いたことがなければ日本病巣疾患研究会のこちらをご覧下さい。

慢性扁桃炎、慢性上咽頭炎がIgA腎症治療の鍵です

このわかさ誌の特集にもあるのですが、慢性扁桃炎、上咽頭炎をどのように治療するかがIgA腎症の鍵なんです。

だから上咽頭擦過治療、口呼吸対策が必要なんですね。

Bスポット(上咽頭擦過治療)はどこで受けられるか

Bスポットを行っている医療機関

みらいクリニックでは2009年から上咽頭擦過治療(Bスポット治療)を行っています。

現在ではこれ以外の医療機関もBスポット治療をしています。

例えば、腸のスペシャリストで私も色々と勉強させていただいている田中宏明クリニック(福岡市田中宏明院長)も行っています。

またNPO法人日本病巣疾患研究会の理事でもあり、日本の上咽頭擦過治療のトップリーダー田中耳鼻咽喉科(大阪市)でも。

これから耳鼻咽喉科のみならず、他科でも上咽頭擦過治療を取り入れるところは増えてくると思います。

IgA腎症治療で悩んだり、あまりうまく行っていないなと感じたら口呼吸チェック、そして慢性上咽頭炎を疑って下さい。

また慢性上咽頭炎に関してはみらいクリニックのサイトも参考にして下さい。リストにもあるもぎたて耳鼻咽喉科の茂木立先生のブログも参考になりますよ。

慢性上咽頭炎はIgA腎症だけでなく、メサンギウム増殖性腎炎やネフローゼ症候群でも見られます。

病気は根本から治療することが大切だと言うことです。

https://mirai-iryou.com/shinryo/bspot/

執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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