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○△Vプロジェクト第三弾 その4
岡崎好秀先生、益子正範先生に、元気なあご、口を作るお話しも第4回目になりました。
ここまでお付き合い下さったお二人の先生に深く深く感謝です。
みらいクリニックでも、小児を診ていますが、
アトピー性皮膚炎、気管支喘息、おねしょ、慢性鼻炎など疾患は色々ですが、
口の問題を指摘されたことのある子は「ひとりもいない」んです。
口やあごの形、歯並びなんてのは、視診の一つですから簡単です。
見れば良いのですから、見方を知らないとちょっと分かりにくいこともあるかもしれませんが、それでも絶えず見続けていると分かってくることがあります。
小さなお子さんを育てている人、周りにいる人、ぜひ上あごの形、歯並び(こどもはすきっ歯が正常)を見てあげて下さい。
では、その4いきます。
なんでもかんでも一口30回は無理
- よく噛んだ方が良い
- 硬いものをかむと良い
- 一口三十回噛むと良い
なんていろいろ言われますね。
岡崎先生は、
30回噛める食事が大切で、柔らかいものは30回も噛むことが出来ない。
噛む時に、前歯を使うことが大切
と仰います。
ここで噛む実験を青森県民のソウルフードと言われるイギリストーストでやってみました。
イギリストースト登場!
ここでイギリストーストについてご存じない人へ、wikiで勉強して下さい。
小さい頃から食べている人にはあまり違和感がないでしょうが、普段パンを食べ付けない人にはかなり「難しい」パンです。
私も食パンってまず食べることがないのでマーガリンと白砂糖の黄金コンビを挟んだ食パンにはじめは戸惑いました。
日持ちがしないので、青森(あるいは近県で売っているところもある)に行って入手するしかないわけです。
いろんな味もあります。「あまおう味」なんて福岡と青森のコラボイギリストーストもありました。
イギリスとの関係性は不明、焼いてもないのにトーストと呼ぶ。
ホットドッグに犬が入っていない、メロンパンにメロンが入っていないのと同じでしょうね。
このような派生商品も(イギリストーストとこちらとどちらが古いのかは分かりません)
青森県民にはおなじみのパン。
これは健康に●そう・・・(^^ゞ
パンの耳があるとかむ回数が増える
例えばサンドイッチやヤマザキパンのランチパックには「耳」がない。
パンの耳があると「噛まなきゃいけない」ですね。
ランチパックに「耳」がついていたら売り上げは減少するでしょう。おそらく。
「耳」のついているサンドイッチと「耳」のついていないサンドイッチがあり、内容が同じだったらおそらく「耳なし」を手に取るでしょう。
噛むのは面倒なんです。
岡崎先生が確かめると「耳つき」だと噛む回数が増えると。
この辺の話は「カミカミ唾液学」に詳しかったとうろ覚え。
「耳あり」サンドイッチだと1.5倍の噛む回数
「耳なし」トーストサンドイッチだと1.8倍の噛む回数
焼いた方が噛む回数が増えるんですね。
イギリストーストを健康的に食べる
ここで妙案。
ちょっとそのままでは青森県民以外には食べるのが難しそうなイギリストーストを健康的に食べるにはどうするのか思案して
と思いつきました。
トーストですから、これが本来の形になるわけです。
しかも「耳あり」「トースト」ですから、そのままの状態よりも噛む回数が増える。
と言うことは、イギリストーストを健康的に食べられると言うことです。
これで青森県が平均余命ワースト1から抜け出せるかも知れません。
ということで、焼いてみました。イギリストースト。
うん、これだと良い感じ。
イギリストーストが、本来の「トースト」になってよく分かったこと。
イギリストーストは、トーストするとかなり美味しくいただけるという事実。
「生」イギリストーストだとかなり食べるのは無理しますが、「トースト」イギリストーストだと
と家人からも好評でした。
残念なのは、噛む回数を数えていなかったことですorz
食事中に水を飲むな(みそ汁以外の)
磯野家の食卓風景ですが、いまでは普通に見ることが出来るあるものがありません。
ここで、良い上あごを作るための食事学としては
- 食材を大きく切る
- 野菜は皮付きのまま調理
- パンなどはちょっと焦げ目を付ける
- 水分をなるべく摂らない
などがあげられます。
昭和の中頃は食事が終わってからお茶を飲むという習慣が当たり前だったと言うことが分かります。
いまや食事中に水をドンドン飲むのは当たり前。
でもそれが「水洗式咀嚼」(流し込み)を引き起こしてしまいます。
食事の順番を変えるだけでもインフルエンザが減る
岡崎先生が食事の食べ方についての話題にも触れていただきました。
ここで出てくる小学校は、香川県三豊市立仁尾小学校です。
全生徒300名ほどの小さな学校です。
私も2015年に訪問させていただきました。
山下校長先生(当時)の発案で、よく噛むこと、菌ちゃん野菜を食べること、運動すること、あいうべ体操することなどなどが実施された結果インフルエンザの罹患率が激減したことで当時かなり話題になりました。
- 最初に一口牛乳を飲んで、蓋をする。
- 食事中は、みそ汁、スープ以外の水分は摂らない
- 最後に、牛乳を飲む
この順番。
休職中は蓋をしているのが分かりますね。
これでインフルエンザが激減したのです(もちろん校長先生のその他の様々な取り組みの結実と言えるでしょう)。
山下昌茂校長先生とは、愛媛の歯科医師会の先生方のお招きにより、西田亙先生(内科医)と山下昌茂校長(当時辻小へ異動)私の三名で光年をさせていただきました。ありがとうございますm(__)m
心に串を刺すから「患者」という
ここから岡崎先生の哲学的なお話しに入っていきます。
患者という感じを分解してみると
串 と 心になります。「心に串を刺した者」が患者というワケです。
私たち医療者は、その刺さっている串を抜く作業をする者とも言えます。
また英語ではpatient(ペイシェント)と書きます。
be patientとは、「辛抱強く耐える」「ガマンする」という意味です。patientとは、ガマンする人のことなのですね。
日本語でも英語でも似たような表現になるところが興味深いです。
そして
心に借金をして返す
心に貯金をして返す
という岡崎先生の名言が出てきます。
特にお子さんが受診した時に、心に借金を背負わせて終わってしまい、徐々に受診しなくさせてしまうのか、心に貯金をさせて何時までも元気な口、身体を維持できるようにするのかは大切ですね。
そして
大人は心が開かなくても口が開く
子どもは心が開かないと口が開かない
という言葉も出てきます。
子どもを見るというのは、医療知識だけではなくて、様々なテクニックが必要なんですね。
岡崎先生をもってしてもこの気持ちに至るまでに、17年もかかったそうです。
私を含めて皆さん、安心して下さい。日々精進が必要ですね。
本当の悪者は何か?
原因不明の病気はあるが
原因のない病気はない
と言われます。
これは日本病巣疾患研究会理事長の堀田修先生の言葉です。
とかくちょっと難しい病気になると「原因不明」という言葉が使われます。
でも、何かが起こったら必ず原因があるはずです。
子どもの上あごの形が悪くなって口呼吸になっていくのにも必ず原因があるはずです。
それが岡崎先生が仰る「本当の悪者」なのですね。
赤ちゃん歯科ネットワーク
さて、動画内で紹介した赤ちゃん歯科ネットワークは下記を参照して下さい
口から食べる、飲み込むというのも技術なんですよね。
ですから、学習・習得がとても大切。
歯科医院では、この様なことへの取り組み、指導をして下るところも増えてきてますね。
心強い限りです。
岡崎好秀先生は、日本各地で講演をなさっていますから、あなたのお住まいの近くで講演が開催される時は、ぜひ足を運んで下さいね。
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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