老後と介護を劇的に変える食事術

あいうべ(息育)

あなたの最後の晩餐は何ですか?

「老後と介護を劇的に変える食事術」(川口美喜子著・晶文社)が出版されました。オーラルフレイル(口の機能の衰え)対策としてあいうべ体操を取り入れてくださいました。フレイルとは虚弱状態のこと、介護の一歩手前だと思って下さい。私たちは少しずつ、そして着実にフレイルが進行し介護状態になっていくんですね。その目安となるのが「食べること」です。

今回のブログは、「食べること」について、この書籍から学んで行こうと思います。

食べること、息をすることは命をはぐくんでいくためには欠かせないことです。息をすること呼吸は、無意識のうちに行っていますが、食事は意識的に行う必要があります。食事量の衰え、意欲の衰えが老化を促進していきます。

さて、この写真は何でしょうか。

実はこれ徳島県鳴門市にある大塚国際美術館の中のレストランで提供されている「最後の晩餐」です。

イエスキリストが最後に弟子達と食したと伝えられるパンと葡萄酒(このメニューでは葡萄ジュース(^^)が並んでいます。

私たちが人生最後にする食事はどんなものでしょうか。そして、どんなものを食べて人生を終わりたいでしょうか。

やはり自分の口から栄養をとり、親しい人たちに囲まれて終わっていきたいと願うのは私だけでは無いと思います。

ちなみに大塚国際美術館は、すべて「精巧なニセモノ」が展示されており、有名な美術品を触ることが出来ます。

これはゴーギャンの「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」です。

原寸大のモナリザもあります。油彩の凹凸なども細かく模してあります。これにも「触る」ことが出来ます。

本物ではあり得ないですよね。

粗食は危ない

管理栄養士で大学で教鞭を執る川口先生は本の冒頭でこう書いておられます。「粗食が体にいいは誤解」と。

もちろん若い人、働き盛りの人たちが何でもかんでもどんどん食べるというのはどうかと思いますが、高齢者に限っては「粗食は危ない」んです。

高齢者の食に対する誤解とは・・・

  • 活動量が減るから食事量も減らして良い
  • 肉類や脂ものを控えた方が良い
  • 痩せた方が健康に良い

これらは「誤解」です。

高齢になれば栄養を消化吸収する機能も衰えますから、それらを補う必要があります。食べているのに「栄養不足」という状態にもなりかねません。中肉中是、ある程度BMI(太め指数)が高い方が長生きという研究結果もあります。

また「お腹いっぱい」と「しっかりと栄養が取れている」も違います。

私も外来ではご高齢の方には「薬と思ってしっかり食事をとりましょう」と伝えます。

皆さん、「食べ過ぎじゃ無いかしら・・・」と不安になっていることが多いんです。

でもしっかり動いて(動けて)、しっかり食べる(食べられる)という状態を続けるのが大切ですね。

書籍は

  • 「食べられない」が招くリスク
  • 「食べる」を弱らせない食べ方・暮らし方
  • 身近にある「食支援」
  • 「食べる」とあわせて守りたい「しゃべる」生活
  • 「食べる」「しゃべる」から考える認知症

と章が続いていくのですが、川口先生の豊富な臨床経験からいろいろな話題に拡がっていきます。

食べる機能低下、予防のためのセルフケア

その中で第三章の「食べる」を弱らせない食べ方・暮らし方の最後にあいうべ体操を紹介していただいております。

食べる機能の低下は「オーラルフレイル」口腔機能虚弱状態として知られるようになりました。

硬いもの、大きなものが食べられない、噛めない、飲み込めないという状態が体をますます悪くしていきます。

本著では、スルメを使った口腔機能改善のための「スルメ訓練」(唾液もたくさん出そうですね)とあいうべ体操を「オーラルフレイル」予防のセルフケアとして紹介してくださっています。

人は「口からダメになる」だけど「口から再生もする」、わたしの友人でもありあいうべ体操を全国で広めてくださっている歯科医師の中澤桂一郎先生(利根歯科診療所所長)はそう仰います。

健口長寿の鍵は「口」、そう命の入り口なのです。

食べることはもちろん大切です、これは言うまでもありませんが、ここまで口の機能が命と直結しているとは、私が医学生だったときにはまったく分かりませんでした。おそらく今でもそれほど関心を持たない医師も多いことだと思います。

新しい機序の薬や従来薬よりちょっと副作用の少ない薬も大切でしょう、でもそれ以上に「予防の法が大切」です。

問題が起こってから対処するのでは無く、問題が起こらないようにすることこそこれからの医療だと思うのです。

そして問題が起こったとしても、その人一人ひとりにあった対応法を柔軟に提供していくことも。

そんなことを考えさせられる一冊です。ぜひご覧下さい。

2017年7月発売「口呼吸を止めて万病を治す~口テープ特典付き」発売中

あいうべ体操をもっと知りたい方へ。息育だけでは無く、足育、態育も載っています。

口テープの特典付き。こちらは息育、あいうべ体操についてです。 ゆびのば体操や姿勢についても解説しています。 フルカラーでとても分かりやすく見やすく仕上がりました。 こちらもどうぞよろしくお願いします。

執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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