目次
漫画家・魚戸おさむ先生に聞く
ご自分が歯が悪かったので、孫にはそんな思いをさせたくないという思いのある魚戸先生。
小さな子どもの成長を見守る時に
- 毎日毎日見ているから分かることと、分からないこと
- 時々見るから分かることと、分からないこと
どちらも大切なんですよね。
いっつも見ている人だと気がつかないことって案外あるんですよ。
例えば顔つきなんて数週間違えばずいぶん変わりますよね。
今回は、その1の続きをお届けいたします。
はっぴーえんど第二巻発売(2017年9月29日)
ビッグコミック連載中の「ハッピーエンド」の第二巻が発売になります。
ひよっこ料理人第二巻には・・・
魚戸先生の前作品「ひよっこ料理人」第二巻には、今田秀好先生先生というこのブログにも度々登場して下さっている岡崎好秀先生がキャラの元になっているのではと思われる歯科医師が出てきます。虫歯になった男性主人公が、忙しさにかまけて歯の治療をしませんでした。すると虫歯の部分が腫れ上がって、今田先生の元に駆け込みます。
そして今田先生から一喝されるのです。
右頬が腫れ上がってずきずきと痛みが走ります。
すると今田先生は・・・
「お前の奥歯一本を抜くだけで噛む能率が40%に落ちるんだ」
「歯は歯車と一緒で、一本化桁だけで時計が来るように上手く働かなくなるんだ」
「上手く噛めないから病気に繋がり寿命を縮めてしまうわけだ」
と諭されます。
皆さん、歯は大事にしましょう!
魚戸先生も「こういう漫画を書けたお陰で、口を大切にしなきゃいけないという知識を得ることが出来た。自分の子育ての時はそのような知識の無いまま育てたので、次の世代には病気の予防などの知識を伝えることが出来れば、大人になった時につらい思いをしなくてすむ」と仰います。
祖父母の世代になって、孫にたまに会うと成長の度合いがよく分かるので、食べものや食べ方を観察する余裕ができたとも仰います。
栄養素も大切ですが、食べ方や食べさせ方も同じように大切なんです。
でも、多くの人が「栄養素」のみに目がいきがちなんですよね。
今回は優しい虐待がテーマ
優しい虐待とは、保護者は子どものことを心配して対処しているのに、それがかえって仇となり子どもの成長発育を阻害している状態と言えるでしょうか。
たとえば この写真は虫歯なんですって。素人目だと分かりませんね。
4歳くらいだとすきっ歯が正常ですから、歯並びには問題ないなとくらいしか分かりません。
さてどこが虫歯なんでしょうか?
口の中を見てみると・・・この口の中に9本も虫歯があるんですって!!
いやはや、こんなかわいらしい口の中に大量の虫歯が存在するなんて・・・
驚きますね。
歯と歯の境目に虫歯が出来やすいらしいですよ。
※青森県の熊谷歯科医院・熊谷拓院長先生から写真を提供していただきました。
ナゼこんなにたくさんの虫歯が!?
大きな疑問は、どうしてこんなにたくさんの虫歯が出来るんだろうと言うことです。
答えはスポーツドリンクの飲ませすぎです。
えっそんなことで??
と思う人もいるでしょう。けれど
病気で熱を出したりした時に、子どもの食欲が無い、食べても吐いてしまうなんて状態になったら保護者はとても心配しますね。
その時に、スポーツドリンクを「飲む点滴」と称して勧めるわけです。
スポーツドリンクの中の砂糖の量って結構多いんですよ。
病気の時であれば仕方がない、それを
- 「熱中症になるといけないから」
- 「脱水が危ない」
- 「飲みたがる」
という安易な理由で飲ませ続けた結果が、この大量の虫歯なんです。
でも保護者は、身体に良いものを与えていると信じているから「優しい虐待」なんです。
スポーツドリンクには砂糖が大量に含まれる
これは先日岐阜県中津川市のやまうち小児歯科に行った時のもの。
あいうべ体操の紹介とともに、ジュースの中の砂糖の量が提示してありました。
見て下さい、驚きますよ。
もちろんコーラなどの炭酸清涼飲料水に比べればスポーツドリンクの砂糖の量は少ないですが、20g以上は含まれていますね。
透明のボトルに入っているから「水とおなじ」と思ってごくごく飲むと、虫歯やペットボトル症候群(糖尿病)になりかねない量です。
医師が勧めるからと行って盲信してはいけません。
それはある特定の状態の時のみ推奨されるもので、日常から摂取し続けるものではないからです。
子ども達は甘いものが好きですから(もちろん大人も)、食事中も飲みたがります。
そうすると水洗式咀嚼になってしまいます。
魚戸先生も以前はパンを食べる時には水分が必要だったそうですが、極力水を摂らないようにした今ではパンを食べる時に水分が要らないそうです。
しっかりと唾液が出ている証拠ですね。
過蓋咬合に気を付けて
ちょっと難しい言葉「過蓋咬合(かがいこうごう)」を覚えて下さい。
この5歳の女の子、気管支喘息で悩んでいました。
薬を止めたいと思っていろいろ取り組みましたが、なかなか治りません。
過蓋咬合とは、「いー」とした時に下の歯が見えない状態のこと。
この子も見えていませんね。そして魚戸先生も指摘して下さった「富士山唇」。
この二つから、あまり噛んでいない、口呼吸が疑われます。
これがこの子の気管支喘息という病気を作っていると思われます。
この子の喘息発作を止めるにはどうしたら・・・??
詳しくは動画をご覧下さい。
お孫さんのY君がすくすくと成長していきますように!
魚戸先生から祖父母世代に一言
高度成長期に育ってきた世代としては、回りに虫歯や口の中を悪くしている人が多かった、自分の年代でも総入れ歯に近い人もいる。
情報が氾濫しているけれど、きちんとした知識を世間話程度でも良いから次世代に伝えていくことが出来るのでは。
魚戸先生本当にありがとうございました!
撮影を終えて
撮影を終えたのは昼の1時前でした。
アメ横近くの居酒屋に入り軽めの懇親会を催しました。
魚戸先生からは素敵な色紙をいただきました。ありがとうございました。
連載のお忙しい中時間を取って下さった魚戸おさむ先生に心より感謝申し上げます。
※この動画は2017/7/31に(株)ヨシダさまのご協力の下収録いたしました。感謝申し上げます。
※資料を提供して下さった岡崎好秀先生、熊谷拓先生に感謝申し上げます。
また動画内の発言など責任は全て私にあります。
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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