農作業の時に痛めた膝、腰の痛みで歩行困難
ヨタヨタと何かにつかまらないとつらそうな足取りで診察室に入ってこられた方が今回のお話しのKさんです。
とてもつらそうです。隣県からの受診です。
痛い体で大変だったことでしょう。
Kさんの症状は、みらいクリニックの「痛みと姿勢の外来」に受診する7年ほど前、転倒してしまって腰部を強打したことから始まります。
「注意一秒、ケガ一生」と言っても転びたくて転んでいる人はいません。
Kさんひどく転倒してしまった、そこから膝や腰、股関節の痛みが始まり、とうとう杖歩行になってしまいました。
2016年の秋から痛みで家の中でさえも動くことが困難になり筋力も低下しました。
こういうときの筋力は、「あ~~っ」という間に落ちていきます。
太もももタプタプです・・・
とご自身も嘆いておられます。
みらいクリニック知ったきっかけは、ふと銀行で目にした「ゆびのば体操」の書籍でした。
「ここがダメなら諦めよう」そんな気持ちで、痛い体を押して受診されました。
自宅からみらいクリニックまで車で二時間ほどかかったということでした。
飛行機の距離を受診される方もいらっしゃるので、そんな肩からするとそれほど遠くはないのですが、痛い体では家からちょっと外出するだけでも心理的な負担は大きいですね。
Kさんも本当に思いきって受診されたのでしょう。
さて、youtube動画では左が初診時の歩行、右が治療後そしてゆびのばソックスをはいた後の歩行です。
さてココまでの時間は・・・
30分程度
です。
しかもずっと治療をしているわけではありません。
治療は数分という短時間です。
長く治療したからよいというものでもありません。
もちろんKさんも自分の体のことですから、手をこまねいていたわけじゃなくて、良くなればと思って色々な事を取り組まれたようですが、残念ながら一進一退でした。
最近では、近くの治療院に通っていたそうです。
そこですこし改善してきたとのことでした。
そしてもっと良くなりたいとの思いでみらいクリニックの「痛みと姿勢の外来」への受診となったんですね。
杖歩行でしたが、初診時になんとか杖を使わない歩行状態を撮影させていただきました。
CTやMRIではこの様な違いは分かりません。
写真とビデオは得られる情報量がぜんぜん違います。
ただビデオ撮影しても検査料が発生しません(笑
だからみんなCTやMRIを撮りたくなる・・・
でもこんなことが診察のとても大切な所見になるんです。
みらいクリニッククリニックの廊下を歩いていただくと初診時と治療後では歩く姿勢も速さも変わることが一目瞭然ですね。
診断は?
さてKさんの診断は、、、、
- 右の仙腸関節炎
- 両側の屈み指
でした。
病院では「脊柱管狭窄症」と診断されていたとのことです。MRIでは脊柱管の狭窄が認められるのでしょうが、私は狭窄症の症状ではないと診断しました。
まず仙腸関節の動きが改善するだけでも歩行姿勢は変わります。
さらにゆびのば体操とゆびのばソックスを組み合わせると初診時の時とは、歩行速度が1.5倍くらいになっていることが分かります。
ビデオで確認すると初診時はやっとUターンしたところ。
治療後は、すでに一往復終わってさらにUターンをしています。
初診時に1往復したときにはすでに1.5往復しています。それくらい歩行スピードが上がりました。
足指を矯正すること、アーチを形作ることってとても大切なことなんです。
さて、ビデオを見てお気づきの方もいらっしゃると思いますが、手の振りも改善しています。
特に仙腸関節障害のある方の手が振れないのは特徴的な歩き方です。
初診時だと、腕まくりをしている方が右手です。歩行時に左手より右手の振りが弱いことがわかります。
治療後はしっかりと両手を振って歩けています。
特に歩行姿勢、歩き方などの指導はしなくてもこの様な変化が見られます。
仙腸関節障害がとれること、そして足指がシッカリと広がって伸びていること、これが二足歩行らしい手の振りにつながるのです。
診療を終えて
すっかり歩行姿勢の変わったKさん、奥様と帰って行かれる時に私が
と声をかけると、何と杖を振って答えてくれました(笑
こんな診療をしているのがみらいクリニックの「痛みと姿勢の外来」です。
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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