膝痛、腰痛でお困りの方、浮き趾ありませんか?
浮き趾とは?
みらいクリニックに勤務しだして18ヵ月。
腰痛、膝痛にお悩みの方と接する機会が非常に増えました。
そして、つらい痛みを繰り返している方に共通する足指の変形に気がつきました。
それは「浮き趾」(うきゆび)
文字通り、指が地面についておらず浮いている状態を指します。
足指の変形というと、外反母趾が有名ですよね。
もちろん、外反母趾もイロイロな症状を起こしてします。
それと同じくらい「浮き趾」も注意が必要だと感じています。
今回は浮き趾と腰痛の関係についてお伝えいたします。
仕事を辞めるほどの腰痛に悩まされた
今年の春から受診をしていただいているYさん。
長い間、膝痛と腰痛に苦しんでおられました。
大好きなお仕事も、痛みに耐え切れずに辞めてしまおうかと考えたことも…。
どこに行っても手術を勧められるだけ、と半分あきらめた状態で受診されたそうです。
そんなYさんの足の状態がこちら。
足幅が広がっている開帳足、 内反小趾も気になりますね。
親指がつんっと上を向いています。
小趾が地面についていません。
こちらも浮いています。
Yさん、この写真をみて初めて浮き指の存在を知ったそうです。
というか、浮き指の人の大半は自分の指が浮いているなんて思ってもいません(笑)
地面に面している足が、実は浮いているなんて考えもしませんよね。
写真のような角度から、ご自身の足をみる機会がありませんし^^;
浮き趾によって、カラダのバランスが崩れ、姿勢が悪くなったり、痛みに繋がったり…。
Yさんにそのことをお伝えすると
とホッとした表情を見せて下さいました。
あなたの足指はしっかりと地面についていますか?
浮き趾チェック方法
上記のような写真を一人で撮るのは難しいですよね。
ですので、簡単なチェック方法を2つお伝えいたします。
チェックその① 紙を使う
まっすぐ立った状態で、足指の下に紙を入れてもらう。
地面に足指がシッカリと接地していれば紙は入りません!

足指の下に紙がスッと入ってしまうと「浮き趾」
このチェックの時は、フローリングやコンクリートなどの床の方が分かりやすいです。
カーペットや畳だと紙がそちらに引っかかってしまって趾との間に滑り込んでいかない「隠れ浮き趾」ということにもなりかねません。
チェックその② 母趾を反らしてみる
これは一人でもできるチェック法。
足指を甲の方へグッと曲げてみます。
下図のように、指が曲がりすぎる方も「浮き趾」です。
浮き趾の改善エクササイズ
現状と原因がわかったところで、改善法をお伝えいたします。
これはいつも言っていますが、まずは「ゆびのば体操」を。
いつでも、だれでも、どこでもできるお手軽な体操です。
浮き趾だけではなくて、外反母趾などの変形の改善にも有効です。
Yさんにも、診療中にゆびのば体操を実演させていただきました。
ゆびのば体操を受けたことがある方ならわかるかと思いますが
というリアクション。
半信半疑のYさんですが、歩きだすと腰に痛みが出ないことに気がついたようで
と再びナイスなリアクション。
本当に嬉しそうに、笑顔でそう仰っていただけました。
さぁ、ゆびのば体操で、足指を広げて伸ばした後はしっかりと使ってあげましょう!
足指のグーパー運動なども効果的ですが、クリニックでお勧めしているのは「小股歩き」です。
着物を着ているときの様に、はんなりと歩いてください。
※内股にならないようにご注意を。
小股で、普段通り、まっすぐと歩いてください。
腰痛で気をつけたいこと
痛いところだけを見てしまっては本当の原因に気づけないことがあります。
それが趾、足指。
足指の変形は、ご自身では気がつかないことが多いです。
というのも、「灯台下暗し」
カラダの土台である足指をシッカリと見る習慣がないんですよね。
まずは、毎日ちゃんとご自身の足元を見てください。
ゆびのば体操で足指を伸ばして広げた後に、普通のチューブソックスを履くとどうなるでしょう?
足指はすぐに元の縮こまった状態に戻ってしまいます。
良い状態をキープするためにも、矯正用五本指ソックスを着用することをお勧めします。
9月には簡易版がついた書籍も販売されました。

はいて“歩く”だけでやせる!魔法のくつした
お試しには良いかも(^^♪
ちなみにYさん、今では「チューブソックスを履くと気持ち悪い」と仰ってました。
私もそうですが^^;
指が縮こまると窮屈だし、バランスが悪くてイヤーな感じがしてきます。
今回Yさんにお伝えした「腰痛、膝痛の改善法」は以下の通り。
「ゆびのば体操」
↓
「ゆびのばソックス」
↓
「小股歩き」
Yさんと同じように痛みに苦しんでいる方にもお勧めです。
痛みと姿勢の外来
たとえば趾の変形からくる腰痛で苦しんでいるYさんにレントゲン検査やMRI検査などで腰椎や椎間板などを検査するとどうなるでしょうか。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が「たまたま」存在していて「見つかってしまった」とします。
そうすると、腰痛の原因が「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰椎すべり症」とか「脊柱管狭窄症」と診断されてしまいます。
これはある意味仕方のないことですが、もし「それが原因で無かったら・・・」と一歩引いて考えることも大切だと思うんです。
足指が原因だったらいくら薬を飲んでも、手術をしても治りませんよね。
痛みと姿勢の外来では、この様な頑固な腰痛、膝痛などの方も相談に見えます。
長引く足腰の問題にはぜひ一度ご相談下さい(要予約)。
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医・NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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