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パンプスを履きながらでも外反母趾は改善できる!

外反母趾とは

外反母趾がいはんぼしの特徴的な症状は、足の親指(母趾)の先が人差し指(示趾)のほうに曲がることです。

その結果、親指のつけ根の関節がカラダの内側に飛び出してしまい、痛みがでることもあります(赤くなってバニオンともいいます、写真を見て下さい)。

靴の歴史の長い欧米人に多い病気だったそうですが、最近は日本でも急速に増えています。というより、外反母趾という病気の認識が広まってきたと言った方が正しいかも知れません。

黄色丸のところが赤くなったバニオン

外反母趾の原因

ただ足指が変形するだけならまだいいのですが、痛みが出てきて歩くことも大変になってくるとやっかいなんです。

では、なぜこの外反母趾になるのでしょうか?

実はとても簡単な理由なのです。

足指を使っていないからです。

患者さん
いや、そんなことはない

とよく言われますがこれは足の写真を撮ってみるとはっきりとわかります。

こちらの写真をご覧ください。

親指先が離れている、典型的な外反母趾です。

親指の先が上を向いていますね(浮き趾)

外反母趾の症状で「痛みと姿勢の外来」へご受診くださったKさん。

外反母趾による親指のつけ根の痛みで歩くことが辛いという状態でした。

写真をみてわかる通り、親指の先端が上の方に反っています。

いわゆる、浮き指という状態なのです。

では、なぜ浮くのか?

そう、体重が足指先に乗っていないからですよね。

つまり、外反母趾の方は…

足指で体重を支えて立っていない、足指で体重を支えて歩いていないのです。

これが外反母趾の一番の原因と考えます。

ところで外反母趾=ハイヒールが原因というイメージが強いですよね。

でも、原因は履き物だけにあるわけではありません

外反母趾は、足指を使っていないという「足指のフレイル(虚弱化)」です。なので、装具・テーピング・サポーター・インソール・外反母趾対策の靴を使用しても、足指をシッカリと使わなければ、根本的な改善にはなりません。

足指でカラダを支える

「足指のフレイル」の多くの方が、踵に体重をかけ過ぎて立っています。

いわゆる、踵重心という状態です。

重心が後ろにあるので、足指に体重がかかりにくくなってしまいます。

いつもセミナーでもお伝えしていますが、逆立ちをイメージしてみて下さい。

カラダを支えるために、手の指はパーになっているはずです。

手の平から指までしっかり地面に着けて体を支えることで、接地面積が増えますよね。

その結果、カラダをしっかりと支えて逆立ちをすることができます。

足指も逆立ちしている時の手の指と同じように、伸びて、開くことでカラダを支えることができます。

逆立ちをした時に、指を浮かして手の平だけで体重を支えようとすると非常に安定性が悪くなります。

外反母趾の方もこれと同じで、足指が体重を支えていません。バランスをとるために力んでしまい、腰痛、膝痛を起こすこともあります。

足指で地面を押す感覚を取り戻せ

外反母趾の方の多くが、足指を使わずに踵と指のつけ根だけで歩いています。

歩いているときにドスドス音が聞こえる場合は、足指を使わずに歩いていると思ってください。

足指に体重がかからないことで、足指の筋力が低下してしまいます。

足指の筋力が低下してしまうと、足指の付け根に過剰に体重がかかってしまいます。

足の横幅がひろがったり、痛みが出たり、タコや魚の目ができたりします。

そのような状態を、開帳足と言います。

ウォーキングやランニングで健康維持することも大事ですが、足指に体重がかかっていないと、逆に健康を害する結果となってしまいますので注意して下さい。

シッカリと足指を使いましょう!

男性にも多い外反母趾

外反母趾=女性のイメージがありますが、男性にも外反母趾になっている方はいらっしゃいます。

外反母趾だけでなく、開張足かいちょうそくになってしまっている方も非常に多いです。

それだけ足指を使わない生活習慣が増えてきたということでしょう。

男性はパンプスやハイヒールのような靴を履くことはありませんが、革靴も先がとがっているものが多くみられます。

また、共通して言えることですが靴のサイズ間違いによって、外反母趾になってしまった方が多いです。

パンプスは本当に悪いのか?

先程の写真のKさん。

2回目のお写真がこちら。

初診時から比べるとやや改善しています。

心なしか指先も下りてきたように思えます。

この時にはまだ痛みが残っていて辛そうに歩かれていました。

そして、こう相談されました

Kさん
やっぱりパンプスやヒールはいちゃダメですよね…?

話を聞いてみると、お仕事でどうしても履かないといけない。

上司からは「履けないなら裏方に周るしかない」と言われたとのこと。

 

外反母趾でもパンプスが痛みなく履けた!

Kさん
表に出る仕事が好きだけど…

とやや諦めムードのKさんにこう伝えました。

石田
体操の回数を増やしましょう!

お仕事の休憩中にもやってください。

あと、お家では小股歩きを意識してください!

そして先日、3回目のお写真がこちら。

親指はほとんど離れていません!

酷かった巻き爪も直ってきました!

まだ痛みが少し残っているみたいですが、しっかりと歩けるようになってきました!

そして、何より変わったのは表情です。

すごく明るい笑顔で

no name
今もパンプス履いて、表の仕事やってるよ!

と教えてくださいました(^^♪

体操で足指を伸ばして、小股歩きをやった後は痛みが軽くなったことをすぐに実感されたそうです。

パンプスやヒールを履かないといけないなら、それ以上のケアをすればいいのです。

パンプスやヒールを諦めている方がいらっしゃいましたら、まずは足指のケアから始めてみませんか?

ゆびのば体操で足指を伸ばす

足指を軽く反らすだけで充分です。強くしすぎないことが大切です。
良くしたい、という気持ちはわかりますが、あなたの体を支えてくれている足指です。
優しく伸ばして下さい。

ゆびのば体操1

ゆびのば体操のやり方を解説します。椅子に腰掛けても、床に座り込んでも出来ます。

  1. 手の指の根元(赤丸) 写真では右手
  2. 足指の先(赤丸) 写真では左足
  3. それぞれ合わせて入れていきます(右手と左足・左手と右足)
  4. 足指にはすき間が空くように

これがまず準備段階です。

ゆびのば体操2

ゆびのば体操1の写真で組み合わせた手足の指を動かしていきます。
本当に軽い力で充分です。

  1. まず足の裏側に伸ばします
  2. 上から見た写真
  3. つぎに足の甲側に伸ばします
  4. 上から見た写真

肘の動きに注目して下さい。手首でこねて、足指を必要以上に曲げすぎないことがポイントです。

これを一回反らす毎に5秒程度、片方で10回ずつ毎日やってください。

 

また、体操の効果は15~30分ていどです。

残念ながら、一回やれば大丈夫!というものではありません。

予防のためにも足指をしっかり伸ばす健康靴下「ゆびのばソックス」を併用されることをお勧めします。

ゆびのばソックスについて

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執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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