腰痛・膝痛の方でも、足指を診察する理由を解説します。

痛みと姿勢の外来では、膝痛や腰痛のご相談を多くいただきます。

膝や腰の確認もおこないますが、まずは足指の確認からおこないます。

 

患者さん

え、なんで足指?

痛いのは膝なんだけど…

 

と言われることもあります。

膝痛や腰痛は、膝や腰だけで起こるわけではありません。

私たちのカラダは膝や腰といった「単体」で動いているわけではなく、カラダ全体が協力しながら動いています。

痛みという結果が膝に出ていたとしても、その原因は違うところにあることがほとんどです。

今日はカラダの繋がりをトレーナー目線で書いてみたいと思います。

膝痛腰痛でお困りの方は、ぜひ最後までお付き合いください。

Joint by Joint Theory【ジョイント-バイ-ジョイント理論】

カラダの繋がりを説明するにあたりJoint By Joint Theoryは外せません。

トレーナーとして活動している方であれば、一度は聞いたことがある言葉だと思います。

というより、知らないとヤバい…と言われるレベルです。

ストレングス&コンディショニングという分野のリーダー的存在であるMichael Boyle(マイケル・ボイル)

そして、整形外科専門医師会認定の理学療法士であるGray Cook(グレイ・クック)

その2人によって生み出された理論。

動作において、身体の関節がそれぞれの役割を持って個別に働きながら、複数の関節を同時に協同して働かせることが機能的な動作に結びつく

この一文だけでは意味がわからないと思います。

私も最初はわかりませんでした^^;

ということで、大事な要素をピックアップして説明しますね。

関節にはそれぞれ役割がある

私たちの関節の働きは2つあります。

  • 安定性
  • 可動性

それぞれの関節は、どちらを優先するべきか決められています。

この2つの働きはどちらも大事で、どちらかだけできれば良いというわけではありません。

各関節がどちらなのか、詳しくは下図を参考にされてください。

安定性と可動性が交互に並んでいることに注目です。

なぜ重要なのかは事項で説明します!

複数の関節を同時に共同して働かせる

複数の関節を同時に協同して働かせる。

これを簡単に言いかえるとすれば「私たちのカラダはチームとして働いている」ということです。

安定感を出してくれる関節がいることで、可動性を出すことができます。

会社組織や演劇でも同じですよね。

表舞台で活躍できるのは、裏方さんのおかげ。

また裏方さんだけでは仕事になりません。

表舞台で活躍してくれる人がいるからこそ、集客ができるわけです。

どちが優れているとかではなく、どちらも大事。

カラダも同じで、可動性ばっかりではグニャングニャンになるし、安定性だけでは動きが出せなくなります。

交互に並ぶことで、機能的に動くことができます。

 

膝痛に困っているAさんがいたとして、それは膝だけの問題なのか?

近くの関節の問題なのか?

膝で考えると「股関節」「足関節」ですね。

もしかしたら…

足関節の動きが正常に出ていないので、膝関節が過剰に働いているかもしれません。

じゃぁ、足関節の動きが正常に出ない理由は…?

足部(足指)に問題があるかもしれません。

とくに足部の働きは「安定感」です。

足指が使えないということは、安定感がなくなる。

その安定感のなさを、他の関節がサポートしなければいけない。

慢性的に負荷が増えて、膝痛・腰痛へ…。

痛みの原因を探っていけば、足指にたどり着くことは不思議なことではありません。

一番の悩みが吹き飛びました

10数年フラダンスをやっていたTさん。

もう長いこと、腰と股関節の痛みにお悩みでした。

 

Tさん

先生、痛いのは我慢できるけど…

姿勢が一番の悩みなのよ

このままじゃ、立てなくなるんじゃないかと不安でね

 

すごく不安そうに訴えていらっしゃいました。

姿勢ももちろんですが、腰痛や股関節痛改善のために、足指をチェックさせていただこうとしたらこう仰られました。

 

Tさん

先生…

私、足は痛みもないし元気な自信があるんだけど…

 

実際に足を拝見させていただくと「外反母趾」「内反小趾」「屈み指」がありました。

これが原因でカラダのバランスを崩していることをお伝えすると…

 

Tさん

あー、納得しました!

だから、腰や股関節ばっかり治療しても改善しなかったんですね。

 

と改善に期待をもってクリニックを後にされました。

足指のセルフケアを頑張ったTさん。

今では背筋もシャンっと伸びて、カラダを動かすことを楽しんでおられます。

たまに痛むことがあってもすぐに治まるし、動かした方が楽になると喜ばれておられます。

 

あなたが膝痛や腰痛でお悩みなのであれば、足元を見直してみてください。

足指は伸びてますか?

上記で説明させていただいたように…

Joint By Joint Theoryで考えてみれば「足指」をみない理由はありません。

痛みや姿勢でお悩みの方は、痛みと姿勢の外来までご相談ください。

https://mirai-iryou.com/shinryo/itamitoshisei/

執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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