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靴でカラダは良くも悪くもなる
靴の履き方を間違えるとカラダにその影響が出てきます。毎日毎日使うもの、体を預けるものですから大切だよな~と思っていてもどうやって扱えば良いのかしっかりと教えられたこと無いですよね。
今回は、間違った靴の履き方、使い方で体を痛めてしまった方のお話しです。
靴の履き方は学校では習わない
ところで、靴の履き方って知っていますか??
靴屋さんで聞いたことあるけど・・・「かかとトントン」だったようななんて言葉が出てきた方は、一歩進んでいます。
履くときはかかとトントンです。ダメなのは「つま先とんとん」です。これはやっちゃダメ。
靴の扱い方、はき方なんて習うことないですよね。一日何千歩も歩くとしたら、靴の良い影響も、悪い影響もあるはずですよね。
靴がいくら素晴らしいものであっても扱い方、はき方を間違えると体に異変が出てしまうかも知れませんよ。
そしてその異変が靴が原因だとは気づかなかったら大変なことになります。まさに、「灯台下暗し」の状態です。
足の痛みで部活が満足に出来ない
先日、女子学生が「「痛みと姿勢の外来」へ相談にいらっしゃいました。
私自身、膝と腰のケガでバスケットボールをプレーできなくなった経験があります…。
学生の時にこれほど苦しい体験は他にありませんでした(+_+)
彼女も思いきり体を動かしたいのに足の痛みでどうにもならない悔しさを抱えていました。
なので、どうにか思い切りプレーをしてもらいたいとアドバイスをさせていただきました。
初診時の足の写真がこちらです。さぁいかがでしょうか。
足指とカラダの関係を運動動作に結び付けて、腑に落ちるまでお話をさせていただきました。
そして、その原因は靴にあるように思いました。通学靴というのは、何よりも一番長く身につけているものですから、体に与える影響は大きいんです。
そこで彼女に靴えらびの方法、靴ひもの結び方をお伝えすると
靴ひもをしっかり結ぶと痛みが軽くなりました!
自分で続けて、またプレーできるように頑張ります(^^♪
と希望に満ちた目で言ってくれました!
私もほっと安堵して彼女の症状が改善するように見送りました。
と、ここまでは良かったんです。
二回目はかえって悪くなった
彼女が二回目の受診にやってきました。この日は、前回よりも暗い顔…
どうしたのか聞いてみると
またプレーできるかもしれない!と藁をもすがる思いだったのでしょう。
彼女の落胆ぶりに動揺してしまいました(・_・;)
二回目の受診時の足の写真がこちら。
話を聞くと、ゆびのば体操を毎日30回くらいやってくれたようです。
足指は確実に伸びてます(^^)
ですが、指が浮いてしまっています…
今井院長も
と驚いて駆け込んでくるほどでした。それくらい悪くなっていたんですね。
でもこの小趾の変化は本人には分かりません。そしてレントゲンにも写りません。
彼女の痛みが強くなった原因は浮き指にありました。
そして彼女は靴の履き方に問題があったのです。何が問題か分かりますか?
面ファスナーの違い
彼女の問題点は面ファスナー(マジックテープ)にありました。
シッカリと締めてくれているんですが、折り返しがないタイプでした。
細かいところですが、これは大きな違いです。
もっと細かいことを言えば、紐靴の方が良いのですが…
マジックテープで留めるタイプの靴であれば、折り返しがある物を選ばれることをお勧めしています。
理由は簡単!
より締まるからです。
この写真を見て下さい。ずらっと靴が並んでいます。
今井院長の娘さんの歴代シューズだそうです。一番左のファーストシューズは何とひも靴。一回一回ほどいては結び、結んではほどいてを繰り返していたそうです。
その右側の白いシューズの折り返し部分を見て下さい。これが理想的なマジックテープのシューズです。
足首と足の甲の所の二カ所をきちっと締められるようになっています。
こうやってきちっと靴を固定できると靴と足が一体化するので、足指がしっかりと使える状態になります。
指が使えないカカト重心の状態が続くと、屈み趾、浮き趾などの足指が変形することも(+_+)
彼女にそのことを再度伝えてから、紐靴を試着してもらうと
この前と同じ感覚です!
痛くない(^^♪
と笑顔を見せてくれました。
靴とハサミは使いよう
私は今回あらためて、靴の間違いは怖いと再認識しました。
1ヶ月という短い期間で、こんなにカラダのバランスを崩す原因になるのだと確認したからです。
もちろん、これは逆のことも言えるということも知っています。
原因不明といわれるような、カラダの不調、痛みは靴の履きかたを変えるだけで改善することがあります。
これは口呼吸を鼻呼吸に改善すると、様々な症状が改善することと一緒です。
道具、カラダには使い方があります。
正しく使うことで、自分のカラダ、命を守りましょう。
靴の選び方
最後に、クリニックでお伝えしている靴選びの方法をお伝えします。
足指が使える、カラダを守るための靴選びの方法です。
詳しい説明は動画にて♪
(馬をかぶっておりますが、内容はいたって真面目なものです。ご了承くださいませ。)
1.ソールが硬いこと
ソール部分が柔らかい靴が増えているように思いますが、簡単にねじれてしまうような靴では足にかかる負担が大きくなります。
ソールはしっかりしたものを選ばれることをお勧めしています。
2.カカト部分が硬いこと
かかとの部分のことをヒールカウンターといいます。
このヒールカウンターのお陰でカカトをまっすぐに保つことができます。
ヒールカウンターがないような靴では、カカトがずれてしまい膝痛などの原因となることもあります。
3.鳩目の数は5つ以上
靴ひもは、靴と足を一体化するテーピングのような役割があります。
靴がゆるゆるな状態であれば、スリッパを履いている状態と変わりがありません^^;
脱げないように足指が曲がってしまったり、カカト重心で足指が浮いてしまう原因となります。
今回、靴による弊害を目の当たりにして本当に怖いと感じました。
もしかしたら、あなたのカラダの痛み、不調はクツの間違いのせいかもしれません。
健康もオシャレも足元から!
もう一度ご自身の足元を見直してみませんか?
痛みと姿勢の外来ではこの様な相談にも対応しています。
- いろいろ検査したけれど原因が良く分からなかった
- 成長痛と言われて経過観察と言われている
- オスグッド病と言われて部活を休んでいる
- 突然足が痛いと言いだして歩かなくなった(幼児)
などなど、相談は多岐にわたります。
受診ご希望の方は、電話でのご予約が必要です。
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執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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