口呼吸について

2018/7/24 MBS(TBS系列)「教えてもらう前と後」に出演しました。

番組の司会者は、滝川クリステルさんで「知らないとコワイ!口呼吸」というテーマでお話しが進んでいきます。

今回は、「口呼吸って何?」「はじめて聞いた」「口と鼻の呼吸の違いでそんなに変わるの」という方に向けて簡単な口呼吸の害悪について解説をしてみます。

私が口呼吸の弊害について知ったのが2000年前後。当時漢方治療をメインに行っていましたが、「病気の発する匂い」に気がついてから、口呼吸問題を知るようになりました。それから口呼吸の改善に対してひたすらに取り組んできて、今では「口呼吸改善の専門家」として紹介されるまでになりました。

呼吸や咀嚼、発音というのは「教育」が必要です。「勝手にできるようになる」訳ではありません。そのため口呼吸をどう鑑別するかも結構難しいんですよ。

口で息をするから口呼吸、と単純にはならないのです。

口呼吸と鼻呼吸の比較

番組内では、口呼吸は「ごはんを鼻で食べるようなもの」と簡単に説明しましたが、本当にそれくらい違うんです。

口は食べるための器官、鼻は呼吸をするための器官ですから自ずと使い道が決まってしまいます。

ところが人間は「しゃべる」ことが出来るようになったため「口呼吸になりやすい」動物と言えます。

鼻呼吸だと鼻毛や線毛といった防御機構により花粉やチリなどを空気中から効率よく除去してくれますし、加湿・加温能力も素晴らしいものがあります。

冷たくて乾燥した空気でも、体にとって害のない綺麗な空気にして肺の方へと送り込んでいきます。

マイナス何十℃という空気を吸っても、鼻の奥に流れ込んだとたんに体温近くにまで温めることができますからすごいですね。

ところが口呼吸の場合は、空気をキレイにしたり、加温加湿したりという装置がありませんから、空気が汚れたまま肺の方に送られてしまいます。

鼻呼吸と口呼吸の空気の温度差は、喉の奥で3~4℃ありますから、線毛の動きが鈍ったり、上皮が乾燥したり、白血球の働きが弱まったりするんですね。

呼吸は一日になんと2万回です。これを正しい鼻から行うのか、間違って口から行うのかであなたの健康度合いが変わってしまいます。

ほとんどの人は「自分は大丈夫」と思っているでしょうが、口呼吸は「無意識」に行っているからコワイのです。

例えば会話も口呼吸です。しゃべり続ける仕事の人は、知らず知らずのうちに口呼吸になっているのですが、自覚がないのです。

病気や事故で食事が口から摂れなくなり、鼻や胃瘻からの経管栄養になってしまうと腸の粘膜が萎縮(薄くなる)してしまうことが分かっています。

食事は口から、呼吸は鼻からが本来の体の使い方なのです。

口呼吸が引き起こす色々な病気

 食事の間違いは体に色々な影響を与えます。これはすぐに理解できますね。

同じように、いやそれ以上に呼吸の間違いは心身に悪影響を与えてしまうのです。

 

番組で列挙した病気を書いてみます。

うつ病・気管支ぜんそく・糖尿病・気管支炎・肩こり・肺炎・インフルエンザ・風邪・花粉症・鼻炎・高血圧・過敏性腸症候群・胃炎・口内炎・歯列不正・便秘・痔・睡眠時無呼吸症候群・冷え症・虫垂炎・頭痛・下痢・腰痛・顔の老化など

もちろんこれは一例です。

えっこんな病気まで??と不思議に思う人もいると思いますが、それらは「病巣疾患」の考え方を理解するとわかってきます。

病巣疾患に関してはブログでこれまでもたくさん紹介してきましたから、ぜひそちらを参考にして下さい。

これからは病巣疾患の時代

口呼吸は、疲れ、倦怠感、副腎疲労などにも関係していますし、パニック障害など「メンタルなもの」とされている疾患にも関係しています。

というのも、呼吸は自律神経と密接な関係があるからです。

自分ではコントロールすることができない自律神経ですが、唯一呼吸はコントロールすることができます。

呼吸はゆっくりと深くしたほうがよいと聞いたことがあるでしょう。

実験では、口呼吸は浅く速い呼吸、鼻呼吸は深くゆっくりとした呼吸になることが分かっています。

呼吸の経路で、自律神経の働きにまで影響をおよぼしてしまうのですね。

また空気中には2000種を超える細菌が浮遊していると言われます。これを除去・濾過して体に安全な空気を提供するのも鼻の役目なんですね。

口呼吸だとそれがそのまま・・・って考えたら、体にとって悪いと言うことがイメージできますね。

なぜ口呼吸になるのか

ほとんどの人が自分が口呼吸であることを自覚していないと書きました。

年を取ってくると徐々に口呼吸あるいは口鼻呼吸(鼻から吸って口から吐く)が増えてきます。

これは口蓋垂(のどちんこ)付近の筋力、舌筋力の低下によるものと考えられます。

舌位置は加齢と共に下がってきて、いわゆる二重顎(ブルアゴ)を作り出してしまいます。

この舌位置が下がった状態(専門用語では低位舌といいます)の人が成人では8割位を占めることがわかりました(以前の調査にて)。

今回の番組独自の調査でも63人中53人(84.1%)が低位舌であったことが示されました。

この低位舌は、口呼吸のリスクなのです。ですから、舌位置が下がっている人は、口呼吸に陥っていないか十分注意する必要があるのです。

番組では舌位置の違いで横顔の印象もがらりと変わることを映像に残していました。

写真は同じ人ですが、舌が正常な位置にあると顎周りがシャープになります。鼻呼吸が美呼吸といわれる所以ですね。

舌は、上あごに着くようにしておくことが鼻呼吸の基本です。

これが上あごの幅や間違った嚥下などにより舌位置を正すことが難しい人がいます。それらを治療するのがみらいクリニックの治療とも言えます。

舌位置を改善するあいうべ体操(変顔)

あいうべ体操は、舌位置を正して口呼吸を鼻呼吸に戻していく体操です。

ただ顔、表情筋を動かすだけではないのです。

あいうべ体操の詳しいやり方はこちらをご覧下さい。

あいうべ体操で口呼吸を鼻呼吸に改善

番組でも「口呼吸改善トレーニング」として紹介されました。

副次的効果として、ほうれい線が薄くなる、小顔になる、顔がスッキリとなるのですが、それはあくまでも本来の目的ではなくて、鼻呼吸にしていくこと、舌位置を戻していくことが重要なのです。

顔を動かすと顔表面の温度も上がります。

二つの写真は、あいうべ体操直後と60分後のサーモグラフィーです。

あいうべ体操を1分間(約10回)やるだけでも60分後は顔表面はポカポカと暖かいことが分かります。

ちなみに左側はリハビリの時に使われる「パタカラ体操」をしています。あいうべ体操と比べると温度の上がりが悪いですね。

これは、パタカラ体操が速い動きだけで構成されているのに対して、あいうべ体操は大きくゆっくりと動かすという違いのためです。

舌を前後に出し入れすることにより唾液も出るようになります。

※あいうべ体操はいつまでやればよいですか?

時々こういう質問をされます。手足の運動は元気な間はずっとするように、あいうべ体操もご自分の健康を守るため、舌位置が改善してもずっと継続することをお勧めします。

あいうべ体操で起こる変化

千葉県市川市立中国分小学校では、あいうべ体操を実践しています。

子ども達のぜんそく状態が改善したり、鼻が通るようになったり、風邪を引かなくなったということが報告されました。

この小学校の栄養師である森幸子先生はあいうべ体操を普及するために日夜いろいろな取り組みをなさっています。

森先生は、あいうべ体操を専門的に学ぶことができるコースを終了しておられます。

また神奈川県川崎市のふくじゅ保育園では、園児さん達があいうべ体操の歌をうたいます。

「病気の治りが早く元気に過ごしている」という保育士の先生のコメントが紹介されました。

また病気でのお休みがゼロのクラスもあるとのこと。

ふくじゅ保育園(同法人の他園も含む)では、インフルの欠席が減り、他の感染症でのお休みも減ったことが分かりました。

食べる●●を変えてインフル撃退!

  あいうべ体操をして鼻呼吸になり、顔が暖かくなると風邪菌に強い体になっていきますね。

子ども達が元気になるためには、まず鼻呼吸です。

副鼻腔炎や慢性鼻炎があると落ち着きがない、集中力がないという症状が出ることがあります。

子どもの学力を伸ばすためにも鼻呼吸です。

認知症予防にも??

また番組内では三浦雄一郎さんが登場して口開け舌出し体操を紹介していました。

ブログにも書きましたが、舌の出し入れは脳を活性化して認知症予防になる可能性も示唆されます。

脳に貯まる老廃物を舌を動かすことでどんどん脳から追い出していきたいものですね。

詳しくは下のブログをご覧下さい。

脳を鍛えるなら、舌を鍛えなさい1

今すぐできる健康法は「鼻呼吸」

番組では変顔で口呼吸を改善と紹介されましたが、普段からよく声を出したり、歌ったりということも口や舌の筋力を落とさないよい練習になっているのですね。

オーラルフレイル(口、ノドの老化)という言葉を知っていますか?食べられない、むせてしまう、しっかり噛めない、そんなことで栄養不足になったり、風邪を引きやすくなったりします。

いつまでも元気で生活するためにはまず口を閉じて鼻呼吸ですね。そのためにぜひあいうべ体操をご活用下さい。

番組スタッフの皆様ありがとうございました。

MBS/TBS「教えてもらう前と後」「知らないと!コワイ 口呼吸!」
見逃した方は、MBS公式サイトで無料でご覧いただけます。(7月31日19:59まで)

あいうべ体操で口呼吸を鼻呼吸に改善

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