これは是非とも読んでいただきたい本なんです
あなたは「食卓の向こう側」シリーズを知っていますか?
ここで使われている「食卓の向こう側」というフレーズは、ただ単に物理的な食卓の向こうに置いてあるものではなく、食事や食文化に関わる様々な視点や背景を考えることを意味します。
シリーズ合計100万部を超えた食育に関する書籍としては一番売れている「食卓の向こう側(西日本新聞社)」はすでに絶版になったものも多く、現在では古本でしか入手できない状態でした。それらにはたとえばこんな書籍があります。いずれも新聞連載をまとめてその後加筆したもので、分厚い書籍ではありませんので気軽に読むことができます。価格もお手軽です(古本ならなおさらです)。知らなかった人もぜひ、どれか一冊でも手に取っていただけるとその価値が分かると思います。
そしてこの度、シリーズ中でも大人気だった「食卓の向こう側コミック編」が大幅加筆され新版として出版されました!食卓の向こう側のエッセンスが詰まっていますから、一気に振り返ることもできますし、マンガなので楽しく学べますから、とってもお勧めなんです。さらに今回は「健幸は口から」というサブタイトルも付いています。健康では無くて、健康のさらにその先を行く健幸です。今回のブログでは、この食卓の向こう側コミック編をご紹介します。
これを読んでさらに昔の本も読みたくなったという方が出てくるかも知れませんね、古本が流通しているうちにゲットしてください。
食育の入り口に最適
さてさて、みらいクリニックは、息育・足育という二つのソクイクで健康を足元から支えるコンセプトで診療を行っています。さらに病巣疾患という観点から病名として病気を診るのではなく、その原因はどこにあるのかという視点から心身を見るように心がけています。
病巣疾患は「原病巣と呼ばれる小さな慢性炎症部位が、遠隔臓器に影響を及ぼし別の病気となって現れる病態」です。例えば慢性扁桃炎からIgA腎症や掌蹠膿疱症が引き起こされたり、歯周病が関節リウマチの発症の引き金となったりする現象です。
この原病巣ですが、酸素と食物、この体を作るエネルギーを取り入れる鼻と口に圧倒的に多く存在するのです。だから息育なのです、息育は鼻呼吸へ促すことにより健康を維持するものです。一方、口(口腔)も同様に重要です。オーラルケア(口腔衛生を保つ)が元気な生活には大切だということが少しずつ理解されてきています。この健康(健口)に欠かせないのが食育です。
この「食卓の向こう側コミック編」は食育のエッセンスが詰まっています。食育に関して「半歩先の挑戦」に挑む主人公が自分の生活を振り返りながら食とは何か、命とは何かを追求していきます。
コミックの作画担当は魚戸おさむ先生(イリヤッド、玄米先生の弁当箱、はっぴーえんど、家栽の人など)が担当し、巻頭はカラーページとなっています。そして今回はコミック編の解説ページからピックアップした紙面をお届けします。本当に素晴らしい内容ですから、気になった方、面白そうと思った方はぜひ入手されることをお勧めします。
日本における食育の位置づけと「食卓の向こう側」
日本の食育に関して言えば、日本では食育の重要性が認識されており、子どもたちや一般の人々に対して食の知識や食生活の大切さを啓発する取り組みが行われています。食育の目的は、バランスの取れた食事の摂取や食品の安全性に対する理解、食文化や食の歴史に触れることなどです。
「食卓の向こう側」シリーズでは、日本の食育の視点を広げることや、食事の背後にある問題や課題を考えることが含まれます。例えば、地域の食材や伝統的な料理の価値を再評価することや、食品ロスの削減、環境への配慮、食品の産地や生産者への理解と支援、食物摂取を取り巻く人体の影響(咀嚼や嚥下についても)などです。
このマンガの続きはぜひ本書で!(食卓の向こう側コミック編とは違います)
さらにさらに巻頭だけじゃ無くて巻末カラーページも充実しています。
これらの他にも食育、息育にまつわる盛りだくさんの情報が詰まっています。どうでしょうか、どんどん読みたくなったのでは無いでしょうか。食卓の向こう側の講演をリアルタイムで聞いたことがある人は当時を思い返して、全然知らなかったという人はこれからの健幸作りのためにもぜひぜひご覧下さい。
ここに紹介したページは文字が多いですが、マンガの部分はすらすらと読むことができます。もちろん内容は充実しています。おっぱい(母乳)の話、子どもの口の成長の話、食育にまつわるいろんな事が分かってきます。
もとは2007年に出版された本なので2023年の今からすると15年以上も前のものなのです。加筆部分は最近の内容ばかりですが、原本の部分もいまだに色あせていません。
スマホの普及でワンハンドフード(スマホを見ながら片手で食べられる食事)も広がりましたし、コロナ禍でのリモートワークで食事内容が簡素になってしまったという声も聞こえます。
長く続いたマスク生活で咀嚼筋、表情筋が衰えたという人も多いでしょう。今こそ食育(よく噛んで咀嚼筋力を保つことも食育です)を再び考える時期なのでは無いでしょうか。
そういう意味でとても大切な本と思うのです。ぜひ入手してください、そして周りの人にシェアしてください。読んでいただきありがとうございました。
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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