自宅療養から生還するには鼻うがいをぜひ活用して

あいうべ(息育) 上咽頭 治療

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プレプリントの状態ですが画期的な文献が発表されたのでご紹介します(2022/01/08追記)

新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るっており、またの緊急事態宣言発出も取り沙汰されている昨今です(2022/01/08現在)

いつまで変異株との競争を続けるのでしょうか。ワクチンは当然後手後手に回りますし、経口薬なども耐性株が必ずや発生しすぐに効果がなくなる可能性があります。

そして、密を避ける、マスク、手洗い程度の従来の感染予防を声高に唱えるだけでほとんど進歩がありません。

やはり鼻うがいを取りいれるべきでしょう。注意しなければならない上気道感染症はコロナウイルスだけではありません。オミクロン株もいろんな検査をすり抜けて、驚くほどの変異を遂げたのですから、そのような変異株がこれからも出てくる可能性があります。

ですから、ウイルスが侵入する上咽頭部を機械的に洗い流し、界面活性剤をも活用するポビドンヨードやベビーシャンプーを混入した鼻うがいが推奨されます。

Rapid initiation of nasal saline irrigation to reduce morbidity and mortality in COVID+ outpatients:
a randomized clinical trial compared to a national dataset

コロナPCR検査が陽性(感染した)になってからの鼻うがい導入で自宅療養からの入院が1/8にまで減ったというアメリカからの報告です。

動画を撮りましたので、実際のやり方を参照して下さい。

こんな簡単なことで入院が減るのであればさっそくやらない手はありません。

また入院が減るのであれば医療崩壊も防げます、実際に減少できるのは87万人の入院に相当するとの試算も載っていました。

ぜひぜひ家庭内感染を減らすためにも、最先端で治療に当たっている医療者の負担を減らすためにも価値ある報告だと思います。

 

  • Key Points
  • Question: After testing positive for COVID-19, will rapidly initiating nasal irrigation with alkaline or povidone-iodine isotonic solution reduce the risk of morbidity and mortality compared to a national dataset?
  • Findings: In this randomized trial of 79 older adults nested in a case:control with the CDC COVID-19 National Dataset, 1.27% of participants initiating nasal irrigation were hospitalized or died, compared to 10.6%, a significant difference.
  • Meaning: In older outpatients testing positive for SARS-CoV-2 who initiated nasal irrigation rapidly after diagnosis, risk of hospitalization or death was eight times lower than national rates reported by the CDC

 

  • キーポイント
  • 質問:COVID-19が陽性であるとテストされた後、アルカリ性またはポビドンヨード等張液で鼻洗浄を迅速に開始すると、全国的なデータセットと比較して罹患率と死亡率のリスクが減少しますか?
  • 調査結果:CDC COVID-19 National Datasetを使用したケースコントロールと今回の79人の高齢者を対象としたこのランダム化試験では、鼻洗浄を開始した参加者の1.27%が入院または死亡(ゼロ)しましたが、対照群では10.6%と有意差がありました。
  • 意味:診断後すぐに鼻洗浄を開始したSARS-CoV-2陽性の高齢外来患者では、入院または死亡のリスクはCDCによって報告された全国率の8分の1でした。

またこ救急救命でつくっているグループFLCCC(Front Line COVID-19 Critical Care Alliance)にても鼻うがいを推奨している旨記載されています。

 

うがい薬と点鼻薬について詳しく教えてください。

うがいやすすぎ(飲み込んだり飲んだりしない)マウスウォッシュ溶液(界面活性剤入り)を使用し、鼻スプレーまたは鼻洗浄を使用して、鼻と喉のウイルス量を減らし、それによって病気の症状と重症度を軽減します。 これは、Deltaバリアントの方が複製が速く、ウイルス量が多いため、より重要になる可能性があります。 ポビドンヨード点鼻薬/点鼻薬は、妊娠中の5日を超えて使用しないでください。

何のうがい薬? 塩化セチルピリジニウム(CPC)を含むうがい薬は、幅広い抗菌特性を持ち、歯肉炎や歯垢の抑制に効果的です。 

どのような点鼻薬またはすすぎ? 指示に従って1%ポビドンヨード市販点鼻薬を2日3〜1回使用します。 10%の製品が入手できない場合は(日本ではポビドンヨードきず薬)、より広く入手可能な4%の溶液を希釈し、曝露後予防と初期の症候期のために、各鼻孔に5日4~5滴を塗布します。

※鼻うがいについては上記文献を参照のこと

  • まず、大さじ1½(2.5 ml)の10%ポビドンヨード溶液を250mLの鼻洗浄ボトルに注ぎます。

  • 次に、蒸留水、滅菌水、または事前に沸騰させた水を上まで満たします

  • ポビドンヨード現役の場合は、頭を後ろに傾け、各鼻孔に4〜5滴を適用します。 数分間傾けたまま、水気を切ります。 

     

ヨードアレルギー、甲状腺疾患のある方、妊婦さんは主治医にご相談ください。ただ長くても2週間程度ですから普通の方はヨード負荷を心配することはありません。

短いですが、今回はこれだけ記載しておきます。

 

執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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