HIIT(高負荷インターバルトレーニング)
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HIIT【高強度インターバルトレーニング】とは

HIIT(High-intensity interval training)高強度インターバルトレーニングとは、高強度・短時間のトレーニングをインターバル(休憩)をはさみながら行うトレーニング方法です。

高強度・短時間のトレーニングを限界に近いレベルで行うことが必要です。限界の目安として、最大心拍数(220-年齢)を用います。

HIITには決まったメニューはなく、それぞれの体力レベルに合わせたメニューで行うことができます。

基本的には、20-60秒の高強度・短時間の運動に対し、半分の10-30秒のインターバルをはさむことが一般的です。この運動と不完全な回復状態(短時間の休憩)を挟みながら行うのがHIITの特長です。

インターバル中は心拍数を急激に落とさないためにも、完全に休憩するのではなく、ジョグや足踏みを行うことをオススメしています。

HIITにかかる時間は基本的には4-30分で、短時間で行える効率的なトレーニングとして注目されています。

みらいクリニックでは、30秒:10秒×8セットの5分間でのHIITを行っています。

HIITのメリットは、体力レベルに合わせてどのようにでもトレーニングメニューを変えることが出来ることです。色々なメディアでコロナ太り対策やおうち時間(ステイホーム)での運動不足に対してスクワットや踵挙げなどが紹介されますが、それらで運動不足は解消出来ることはほぼ無いと考えて良いでしょう。

スクワットを30回するにしても、体力のある人とない人では強度に違いが出てしまいます。またスクワットでさえも出来る人と出来ない人がいます。HIITは、心拍数という単純な指標によって運動強度を見ていますから体力のある人はそれなりの負荷をかけなければなりませんし、高齢者であれば椅子からの立ち座りだけでも心拍数が上昇するくらいの負荷になります。

ですから、年齢や性別、運動経験などを問わず気軽に取り組めるのがHIITの最大のメリットと言えます。

心拍数が測れない時は、自分の感覚(疲労困憊ヘトヘトで動けないという状態が最大の負荷とする)で、ちょっとキツいかなと言う程度の運動量を目指します。この「ちょっとキツい」が体にとってとても良い影響を与えるのです。

HIIT【高強度インターバルトレーニング】の運動効果

海外で爆発的な人気トレーニングとなっているHIITですが、実は日本で生まれたトレーニングなのです。立命館大学の田畑泉教授が開発された「タバタ式トレーニング」が元になっています。

その研究がフィットネス大国アメリカで認められ、さまざまな大学、トレーニング業界で研究が進められたのです。

さまざまな論文も出ていますが、HIITを行うことで期待できる運動効果は以下のとおりです。

アンチエイジング効果

これは加圧トレーニングにも言えることですが、HIITを行うことでも成長ホルモンの分泌があがると言われています。

成長ホルモンの分泌量が上がることで、さまざまな恩恵を得ることができます。

成長ホルモンは年齢とともに分泌量が低くなりますが、運動をすることで一定値を保つことができます。

運動習慣がない方は、成長ホルモンの分泌を促進させることができないため老化が早まると言われています。

その成長ホルモンを、短時間で効率よく分泌できるトレーニングとしても注目をされています。

体脂肪燃焼

運動により体脂肪が燃焼されることは皆さんご存知だと思います。

むかしから体脂肪燃焼のためにランニングを行っている方も少なくないと思うのですが、最近の研究結果では「ランニングよりHIITのほうが体脂肪燃焼効率がよい」ということがわかりました。

HIITを行うことで運動中だけでなく、運動後にアフターバーンと呼ばれる現象が起こります。アフターバーンとは、運動後のエネルギー消費のことを指しています。

ゆるHIITの書籍より抜粋

ゆるhIIT

骨格筋量の増加

HIITは短時間で乳酸を溜めることができ、骨格筋量の増加に期待が持てます。

一般的なウェイトトレーニング骨格筋量を増やすのであれば、トレーニングの時間は60-120分ほどかかってしまいます。

成長ホルモンの分泌を高めることにより、1/10ほどの時間で高い効果を得ることができます。

アンチフレイルトレーニングをやってみませんか?

みらいクリニックでは、HIIT【高強度インターバルトレーニング】の指導をおこなっています。

運動、トレーニング、エクササイズと聞くと、「元気な人がやるものだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。それは大きな間違いです。

トレーニングをおこない筋肉を維持し続けることは、健康に生きるため、いつまでも元気に歩くため、どなたにも必要なことです。

しかし、過度なトレーニングによってカラダを痛めてしまう方がいらっしゃるのも事実です。また、トレーニングの時間を長時間つくることが難しい方もいらっしゃいます。

そのため、なるべくカラダに負担をかけずに、短時間で、筋肉を維持するために加圧トレーニングとHIITをオススメしているのです。

週に一度のトレーニングで、筋肉を維持し、カラダを強くすることができます。ぜひ、ご自身のために運動をはじめてみませんか?

※2021/03/09一部修正、加筆しています。

 

これらは今井院長のゆるHIITの書籍です。いろんなノウハウが詰まっています。ぜひ参考になさって下さい。まだまだHIITに関する書籍は少ないのが現状です。これらの書籍はより分かりやすく、実践的な内容になっています。

 

またこちらは書籍に関する特設ページです。一部内容も紹介していますので、よろしければご覧下さい。

フレイルという言葉を知っていますか、虚弱という意味で介護の一歩手前の状態を指します。

残念ながら加齢現象を止めることはできません。でも遅くすることはできます。

フレイルを筋肉の面から見ると、筋力、筋量が減っていくのはもちろんですが、中でも速筋(白筋)の減少がフレイルの特長です。

筋肉は大きく分けて白い速筋と赤い赤筋に分けられます。素早い動き、瞬発力などを担っているのが速筋、持続力、姿勢維持などを担っているのが赤筋です。

速筋は力が出ますが持続力がありません、赤筋は持久力があります。年を取ってとっさの機敏な動きができなくなってしまうのは側近が失われていくからです。

赤筋は有酸素運動(エアロビクス)であるウォーキングやジョギングで力を維持することはできますが、速筋を維持するためには筋トレが必要であるため通常のウォーキング程度では維持することは困難です。

筋肉にある程度の負荷をかけなければなりません。みらいクリニックであればこれを加圧トレーニングによって通常のウォーキング程度の負荷で速筋を鍛えることができますが、自宅ではなかなかできません。

ところがHIITでは、短時間ですがはげしい動き、瞬発力を伴う動きを求められるため速筋を増やすことができるのです。短時間のHIIT習慣で、歩く速さが早くなった、よろけなくなった、転倒したけれど踏ん張れたといった動きの変化を実感出来るのはそのせいなのです。

またHIITは若年者よりも高齢者にとって良い運動であることも分かっています。高齢になって跳んだり跳ねたりなどできないと思われるかも知れませんが、そんなことはありません。やはり動かすと体は付いていきます。

HIITは、通常の運動よりも筋肉肥大の遺伝子発現が多く認められ、その量も若年者より多いということが分かっています。

これからの超高齢社会を乗り越えるためにもHIITの活用が求められていると思います。

もちろん運動量の少なさの問題は全世界的ですし、一日を座って過ごす人の増加も見過ごせません。私たちが元気良く人生を過ごせるためにも、ちょっとした隙間時間を見つけてHIITをされることをお勧めします。

アンチフレイルトレーニング~元気なカラダを維持するための医療トレーニング~

フレイル外来の「アンチフレイルトレーニング」を受けるには?

ゆるHIIT

執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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