掌蹠膿疱症

掌蹠膿疱症など皮膚病治療について

みらいクリニックでは、病巣疾患治療を重要視しています。ここでは代表的な疾患である掌蹠膿疱症を例に挙げて説明します。

掌蹠膿疱症

掌蹠膿疱症などの皮膚難病の原因は

掌蹠膿疱症とは手のひらや足の裏に小さな水ぶくれができて、かさぶたになったりすることが繰り返される病気です。爪にも症状が出ることがあります。

原因は不明とされていますが、中高年の喫煙者に見られることがあります。

皮膚病変がひどくなると水仕事が辛かったり、時には足裏の皮がむけて歩行が困難になることもあります。

また掌蹠膿疱症性関節炎といって全身の関節の痛みを引き起こすことさえもあります。

中には診断が付かずに多数の医療機関を受診してまわるという方も珍しくありません。

季節的な変化があり特定の季節に悪化したり改善したりすることがあるため、「時期が来たら治る」といって受診自体をしない方もいます。

掌蹠膿疱症の罹病期間は長期にわたり10年以上に及ぶことも稀ではありません。

治療は、ビタミンD3軟膏やステロイド剤を塗布したり、ビオチンやビタミンCを内服したりします。

この掌蹠膿疱症の原因の一つに「慢性扁桃炎」や「歯周病」が上げられます。

扁桃を摘出すると報告にもよりますが5~8割が快方に向かいます。掌蹠膿疱症と診断されたときには扁桃摘出術は考慮したほうがよい治療法です。

なぜ、のどにある扁桃と皮膚の病気が繋がっているのでしょうか?

扁桃にあり通常は体を守るために働くリンパ球が、何らかの原因で異常な免疫反応を引き起こしてしまうと考えられています。

掌蹠膿疱症では皮膚は病気の現れるところであって、原因はのどにあるという状態が存在するのです。

口呼吸は、慢性扁桃炎や歯周病悪化の原因となります。のどや口にもともと存在していた炎症をさらにひどくしてしまいます。

それにより関係の無いような全身の病気が発症し、症状や数値の異常が出やすくなってしまうと考えられます。

 

のどから来るいろいろな皮膚病

慢性扁桃炎や慢性上咽頭炎から発症する皮膚病としてはアトピー性皮膚炎、多形滲出性紅斑、色素性紫斑、尋常性乾癬など多数の疾患が上がります。

この様な疾患の場合は、それぞれの臓器の治療も問題ですが、病気の根本を解決することが大切です。

病巣疾患の概念図

慢性上咽頭炎は時に片頭痛や顎関節症、舌痛症といった一見まったくのどとは関係ない部位にまで炎症が及んで症状を引き起こすことがあります。

みらいクリニックでは、この原病巣治療の観点から慢性上咽頭炎治療を行っています。

後鼻漏や鼻炎、鼻閉、耳閉など耳や鼻の症状のみが焦点に当てられやすい慢性上咽頭炎ですが、実は原因不明と言われている多くの疾患と関係していることがあります。

問診でそのことが判明する場合もあります。

命の入り口であるのどや口は、全身の健康と大きく関わっています。みらいクリニックではEAT(上咽頭擦過治療、Bスポット治療)をご希望の際でも全身疾患とのかかわりを考えながら治療に当たっています。

慢性扁桃炎に対する扁桃摘出術や咽頭扁桃(アデノイド)摘出術は耳鼻咽喉科で治療することになりますので他の医療機関を紹介させていただきます。

また同様に歯周病や根尖病巣などの歯科的疾患についても歯科医院と連携をとって治療に当たります。

原因の違う二つのケース

病巣疾患治療の難しさの一つに原病巣(病気の元となっている炎症部位)を探し出すところがあります。

当院では侵襲が少なく、金額的負担も少ない部位から治療を行うようにしています。

掌蹠膿疱症と金属アレルギーは結び付けられることが多いのですが、実は金属アレルギーが掌蹠膿疱症の原因となっていることはあまりありません。

歯科金属アレルギー治療は費用も期間もかかるため第一選択の治療にはなり得ません。まず慢性炎症部位の検索が必要です。

慢性上咽頭炎が原因だった例

30代の女性です。10年以上掌蹠膿疱症で悩んでおり、ビオチン療法なども試しましたが効果はありませんでした。

掌蹠膿疱症の手のひら(治療前)

これが4ヶ月後の手掌の状態です。重症の慢性上咽頭炎があったためEATを行いました。

塗布剤なども使用せず治療を終えることができました。

※喫煙をしている方はまず禁煙が治療の最初です。当院は禁煙外来はありませんので、ご希望の場合は禁煙外来を受診して下さい

掌蹠膿疱症の手のひら(治療後)

口腔内病変が原因の例

50代女性のケースです。関節リウマチを併発していました。

抗リウマチ薬の処方もありました。掌蹠膿疱症と関節リウマチはまったく関係ないような疾患ですが、「病巣疾患」の観点から見ると原病巣治療が二つの疾患を治療するのには役立つことがわかります。

50歳代女性の掌蹠膿疱症の手のひら(治療前)

この方の場合は、慢性上咽頭炎や扁桃炎よりも歯肉からの継続的な排膿があったため歯科治療を優先しました。

適切な歯科医院へ紹介し治療をおこなってもらったところ4ヶ月後には下のような手掌になりました。

その後のどの治療を継続し2年間の治療で内服薬が不要になり、通院を終えることができました。

50歳代女性の掌蹠膿疱症の手のひら(治療後)

以上のように、同じ病気であっても原病巣が違えば治療が変わります。

病巣疾患においては適切な治療を選択することも重要な視点です。

※参考にしていただきたいこれまでの記事。

慢性上咽頭炎

参考文献、参考ウェブサイト

前橋賢(2008)『信じてもらうための挑戦』近代文藝社 http://amzn.asia/d/1CRo45g

形浦昭克(2005)『2つの顔を持つ臓器 扁桃とその病気』南山堂  http://amzn.asia/d/3BiXGSh

ヴィジュアルダーマトロジー編集委員会(2017)『Visual Dermatology 2017年12月号Vol.16No.12』学研メディカル秀潤社 http://amzn.asia/d/5jUrbC9

今井 一彰(2017)『口呼吸をやめて万病を治す!』宝島社

東京歯科大石川総合病院皮膚科(2017)「Retrospective analysis of the clinical response of palmoplantar pustulosis after dental infection control and dental metal removal.
J Dermatol. 2017 Jun;44(6):695-698
歯性病巣感染コントロールおよび歯科金属除去後の掌蹠膿疱症の臨床反応に対する後ろ向き解析」

GutzeitとParadeの病巣感染の定義 1939

Dental Infection as a Triggering Factor in Palmoplantar Pustulosis
掌蹠膿疱症における発症因子としての口腔内感染症 Acta Derm Venereol. 2013 Nov;93(6):721-2.

NPO法人日本病巣疾患研究会

森下歯科

今井一彰(2017)掌蹠膿疱症改善例 http://miraiclinic.blog.jp/archives/51902432.html 2018年12月28日アクセス

今井一彰(2016)10年来の掌蹠膿疱症が改善 http://miraiclinic.blog.jp/archives/51891929.html 2018年12月28日アクセス

今井一彰(2014)胸肋鎖骨過形成症と慢性上咽頭炎 http://miraiclinic.blog.jp/archives/51799151.html 2018年12月28日アクセス

執筆・監修 医師 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医・NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター

みらいクリニック(内科・アレルギー科・リウマチ科)
福岡県福岡市博多区博多駅東1-13-31駅東サンシティビル6F
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