パンプスやヒールを履くと足が痛むんです…。
みらいクリニックでは、このようなご相談を受けることもあります。
もちろん、カラダのことだけを考えるのであれば「履かない」という選択が一番ですが、TPOに合わせて履かざるを得ない時があるのも事実です。
2019年1月に話題となった「#KuToo」運動などをみても、靴で困っている方は非常に多くいらっしゃいますね。
例えば外反母趾、足の親指の付け根が赤く腫れて、ズキズキッとした痛みを伴うことがあります。そうなると歩くのにも支障が出ますね。
そこで問題となってくるのが靴。そう靴は道具なので選び方使い方があります。
今回はパンプスやヒールを選ぶときに意識していただきたい3つのルールについて書きたいと思います。
靴でお悩みの方は、ぜひ最後までお付き合いください。
その痛み、靴の問題?身体の問題?
その足の痛みは靴だけの問題でしょうか?
もちろん、靴によって傷めている場合もありますが、足指が外反母趾や内反小趾といった変形していることが原因になっていることもあります。
タコや靴擦れができる位置によって、どちらに原因があるかをチェックする方法があります。
足の裏にタコができてしまう場合は、足指に問題がある場合が多いと言われています。
また、足の甲や側面にタコや靴擦れができてしまう場合は、靴の問題が多いと捉えて下さい。
足の裏にタコがよくできるという方は、まずは「ゆびのば体操」と「ゆびのばソックス」で足の形をととのえるところから始めてみてください。
遠回りに思えますが、足指をしっかりとととのえることがパンプスやヒールを痛みなく履くための近道なんです。
足指がしっかりとつかえていないと、扁平足や開張足といった足のぺたーっと伸びてしまう変形を起こしてしまい、正しい足のサイズも計れなくなってしまいます。
まずは、足指をしっかりと伸ばしてください。
ルール1.サイズ(縦幅)の選び方
パンプスやヒールを選ぶときに気を付けていただきたいのは、足のサイズの計り方です!
パンプスやヒールの場合は、椅子に座って足に体重をかけずに計ってください。
足に体重がかかると、個人差はありますが5~10mmほどサイズが変わってしまいます。
靴のサイズでいうと、1~2サイズの違いは大きいですよね?
かならず、椅子に座って計るようにしてくださいね。
スニーカーなどの「紐靴」であれば、靴紐で足を固定することができますが、パンプスやヒールには固定するための紐がありません。
なので、パンプスやヒールは脱げてしまわないように、ジャストサイズで履く必要があります。
サイズ(縦幅)が合っていないと、踵がパカパカと抜けてしまい靴擦れになってしまう原因になってしまいます。
街中でも、踵に絆創膏を貼っている方をよく見かけます。
街中だけでなく、なんと私の自宅でも…。
妻の踵(アキレス健)に絆創膏が貼ってあったんです。
と言っていましたが、ヒールのサイズが合っていれば靴擦れはできません。
ということで、足のサイズを計ってみると以前より足が小さくなっていました!
靴擦れの原因は、やはりヒールのサイズの間違い!
話を聞くと、ここ1ヶ月で2~3kg痩せたようで足への負担が軽くなり、さらに浮腫みが無くなったので足のサイズが少し小さくなったようです。
(今度、足に合うヒールを買いに行かされそうです…^^;)
うちの妻のように、体重の変化によっても足のサイズは変わります。
女性であれば、月経周期による浮腫みでも変化します。
理想をいえば、その時の体調に合わせたサイズが必要となります。
ルール2.ワイズ(横幅)の選び方
ルール1.はサイズ(縦幅)の選び方でしたが、ルール2.はワイズ(横幅)の問題です。
ワイズ(横幅)という言葉を初めて耳にするという方もいらっしゃると思います。
ですが、このワイズ(横幅)がパンプスやヒールだけでなく、スニーカーを選ぶ時のキーポイントとなります。
では、みらいクリニックで行っているワイズの計り方をお伝えいたしますね。
パンプスやヒールを選ぶという前提ですので、サイズ(縦幅)と同じように椅子に座った状態でワイズを計ってみます。
足のサイズを計る時はフットゲージ(下図)があると簡単に測れます。
無い場合は、定規などで代用することもできます。
ワイズを計る位置ですが、親指の付け根~小趾の付け根を計ります。
こちらの女性のワイズは84mmとなっています。
これを元にワイズ(横幅)が8.4mmのパンプスでOK!…ではないんです。
実はこの方の足は「開張足」という変形を起こしているんです。
開張足とは、ワイズ(横幅)が広がった状態をいいます。
足の形がすでに変形しているんです!
変形した足では正しい靴を選ぶことはできません。
ということで、足を元の形に成形してみましょう。
親指の付け根~小趾の付け根を軽く押さえてあげると、足指がすこし広がって末広がりの形に近づきます。
この状態で計ってみると79mmとなります。
この5mmの差が身体に痛みを起こしてしまう原因なんです。
手で圧迫する方法が難しいという方はラップを足に巻いてみましょう!
ポイントは少しきついくらいキュッと巻き付けることです。
この状態でも79mmとなりました。
これである程度のサイズがわかりましたね。
あなたの足にシンデレラフィットする運命の一足まであと少し!
さぁ、あとは素材の問題です。
ルール3.素材の選び方
パンプスやヒールの素材まで意識して選んでいるという方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか?
素材なんかより、デザインのほうを重視されますよね?
それが普通だと思いますが、カラダを守るためには素材も大事なんです。
もし、あなたが外反母趾の痛みに悩んでいたとして、下記のどちらの素材を選びますか?
A. 足の形に合わせて伸びる柔らかい素材
B. 足をキュッと固定する硬い素材
さぁ、あなたはどちらを選びましたか?
多くのかたはA.を選んでしまうと思いますが、足のことカラダのことを考えるのであれば、正解はB.です!
パンプスやヒール選びで大事なことは、ジャストサイズで、足を固定できることです。
外反母趾用として販売されているパンプスやヒールの多くが、A.の柔らかい素材でできています。
もちろん、みらいクリニックでは着用をお勧めしていません。
足をしっかりと固定するためには、硬い素材を選ぶようにされてください。
パンプスやヒールを選ぶときには、ご自身の足のサイズをを元に店員さんにサイズを出してもらってください。
例えば…
といえば、何種類か提案してくれるはずです。
その中でデザインや履き心地を確かめて購入していただくことをオススメします。
すべての靴が、すべての人の足に合うわけではありません。
パンプスやヒールの選び方3つのルールを守っていただければ、シンデレラフィットな一足との運命の出会いが待っています。
みらいクリニック「痛みと姿勢の外来」では、膝痛や腰痛だけではなく、靴のチェックも行っています。
シンデレラフィットな一足との運命の出会いをお求めの方は、ぜひ受診のご予約をお願いいたします。
https://mirai-iryou.com/shinryo/itamitoshisei/shoes/
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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