運動嫌いの医者が伝える「運動は薬である」 その4

【5回シリーズ】運動は薬である!リバウンドを防ぐにはUCP(脱共役蛋白)!?vol 4

ちょっと間が開いてしまいました。すいません。

コロナ自粛期間が終わり、またもとの日常が少しずつ戻ってきて業務が増えてきており、ブログの投稿が滞ってしまいました。

 

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「運動は薬である4」を始めます。3までをどんな風に伝えたのか、はっきり詳しく思い出せないので、動画の内容と一部表現など変わる可能性がありますが、ご容赦下さいm(__)m

 

体重のリバウンドを防ぎたい

そもそも「ダイエット」ということ自体が、リバウンドを目指すようなものですね。食事制限や運動が”義務化”されるととても辛いものです。

ですから「ダイエット」と聞くと「つらい」「きつい」「大変だ」というイメージが浮かびます。

これではもう潜在意識はそこから逃れるしかありません。

 

ですから一定期間はガンバレる、けれどもそれが終われば元の木阿弥どころか以前よりも体重が増えてしまうということになります。

 

有酸素運動はダイエットに良い時もありますが、難点は「すぐにリバウンド」すること。

 

有酸素運動することによって「低燃費型」の体になってしまうからです。

 

目指すべきは「悪燃費」、ムダに燃えるからだが必要になるわけです。

 

それを実現するのがUCPです。uncouping protein(脱共役タンパク)の略です。

 

脱共役とは、共同作業を止めるという意味です。では、何の共同作業かというとミトコンドリアにあるATP合成酵素との共同(coupling)です。

 

ATP合成酵素は、電子の流れを利用してとても効率的に体のエネルギー通貨であるATPを生み出します。ADP(アデノシン二リン酸)にP(リン酸)を付加してATP(アデノシン三リン酸)に変えます。これが私たちの体を動かしています。

 

ATPは一日に体重分ほど生まれます。もちろん生まれた瞬間にはエネルギーとして使われて、ADPに戻るため、ADP→ATP→ADP→ATPというふうに、作っては消費され、消費されては作られています。

UCPは、このADP→ATPとなる反応を省略して(脱共役)、電子の流れを”熱”に変えてしまいます。熱に変わると言うことは、消えてしまうと言うことです。

 

UCPは褐色脂肪組織に多く含まれています。褐色脂肪は、熱を生み出すことで有名ですね。肩回りや肩甲骨周りに存在します。寒冷刺激があると積極的にここで熱が生み出されます。

すごいぞ褐色脂肪!!

 

ATPを生み出さずに熱に変えてしまうのですから、エネルギーの効率が悪くなってしまいます。これが「ムダに燃える」と言うことなんです。

 

では褐色脂肪が重要って事ですよね。

 

それはそうなんですが、ここで大きな問題が・・・褐色脂肪は体には卵一個分ほどしか存在しないんです。小さな体を維持するために赤ちゃんにとっては大切な組織ですが、赤ちゃんの時のまま増えないと言われています。

 

う~~~~ん、残念。

 

では他にそれに変わるものがないかというとあるんです。

 

私たちがイメージする脂肪組織は、白色脂肪組織です。これを「褐色」にすることができるんです。

白色脂肪組織を褐色に

白色脂肪組織を褐色脂肪組織(ベージュ脂肪細胞)にするには、いくつか方法があります。まず”寒冷刺激”、そう冷たい環境に身を置くんです。

 

熱を産生しなきゃいけませんから、白色細胞を褐色にする反応が起ります。

 

たとえばダイエットで、コールドベスト(冷却剤などで冷やす)を着るというのがあります。アレなどは、体温を上げるためにエネルギーを使うという目的で使用されます。

エクササイズしているのに冷える?

ところで女性で冷えを改善するために有酸素運動やヨガをしているという人がいます。

話を聞いてみるとあまり冷えが改善していなかったり、手足がマダマダ冷たかったりすることを経験します。

 

どうしてなんでしょう?

 

これは”低燃費”の体になってしまったことが考えられます。有酸素運動は、ミトコンドリアの効率が良くなり、”燃えにくい体”作りをしてしまいます。上にリバウンドのことを書きましたが、有酸素運動を止めるとすぐ太ってしまうのは、この様な理由なのです。

 

ミトコンドリアの高率が”良すぎて”しまうわけです。だからUCPを増やして効率を悪くする必要があるのですね。

 

筋肉の違いで言うと、有酸素運動により赤筋が増えます。赤筋は加齢によっても増えます。

 

増えると言っても、白筋(速筋)が減ってしまうので、相対的に増えてしまうのですね。

 

実は、赤筋と白筋は互いに変化することがわかっています。

 

赤筋がより白筋に近づいたものをピンク筋といいます。なんとピンク筋にはUCPが多いのですね。

 

褐色脂肪は卵一個、骨格筋は体重の30%程度と考えると筋肉をピンクにした方が、アッと言う的に効率よくムダに燃える体になることがイメージできますね。

卵一個50gと約20Kg の違いですから。

 

骨格筋のUCPを増やしたい 増やすには

ダイエットというより冷えを防ぎ、活性酸素の害から体を守るためにはミトコンドリアの質と量そしてUCPの存在が大切です。

 

ではどうやると増えるのか。

 

それがレジスタンストレーニングなんです、そう、いわゆる筋トレですね。有酸素運動だけでは難しいんです。

 

有酸素運動もとても有用なのですが、それだけでは加齢変化などに対応しきれないのです。

 

速筋(白筋)は、機敏な動き、とっさの動作に関係します。年をとるとそんな動きができなくなってしまって、転倒してもすぐに対処できず骨折などの大事に至ることになるのですね。

 

 

加圧トレーニングが有効

ここで簡単にUCP増やし、速筋を増やしていくために加圧トレーニングが登場します。

 

レジスタンストレーニング(筋トレ)の問題点として、関節を痛めてしまう、怪我の恐れがあります。

重いものを持つ、負荷をかけなければ、筋肉にそれなりのきつい刺激を与えなければ筋肉が作られないからです。

 

ミトコンドリアの質、量を高めてUCPを生み出すのにPGC1αという物質があります。

 

PGC1は、脂質代謝、脳細胞賦活化にも関っています。ところがこれを細胞内に発現するためには細胞内環境をそこそこ悪化させる必要があります。

 

また新しい若返りホルモン(マイオカイン)として説明したイリシンも増加させまる。

 

例えば酸性に傾かせる(乳酸をたくさん貯める)、ADPじゃなくAMP(アデノシン一リン酸)にまでなるほどエネルギーを使うなどです。

 

これはなかなか大変な作業なんです。

 

この大変なことが、加圧ベルトを巻いて加圧するだけでPGC1αが発現することが研究結果で示されたのです。

 

これはすごい!

 

私は感動しましたよ。加圧ってやっぱりヘンタイ的にすごいと。

 

これは加圧学会の重鎮、中島先生(獨協医科大教授)の論文ですが、左上のグラフを見るとPGC1αと出ています。

 

そしてその横軸にCONT、EXER、EXER+BFR、BFRとありますね。このBFRが加圧トレーニングの事。EXERはエクササイズ、CONTはコントロール、対照群、何もしないって事ですね。

これで見るとEXER+BFRにおけるPGC1αの発現が飛び抜けていることがわかります。加圧トレーニングしてエクササイズすると普通に運動するよりもPGC1αが増えるのです。

そして今度は、右下のグラフ。BFRのみの群では、コントロール群と比べてFNDC5がふえています。このFNDC5は、若返りホルモン、イリシンの前駆体です。と言うことは、巻くだけでもイリシンが増える、ミトコンドリアの質が良くなる、UCPが増えると言うことですよ!

 

こんなことあります!?

 

だから加圧トレーニングをお勧めするんです。これは空圧式の加圧トレーニングです。ゴムベルトではありません。

 

 

まとめ:燃費の悪い体へ

効率よく、リバウンドをしないためのダイエットにはUCPを増やすことを心がける。

UCPは筋トレ、寒冷刺激で増える。

でも、きつい、、、そんな時は加圧サイクルを活用する。

 

以上です。読んでいただきありがとうございます(^.^)

執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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