潰瘍性大腸炎・クローン病に代表される炎症性腸疾患の罹患者数は年々増えて行っています。特に潰瘍性大腸炎は、すでに患者数が10万人を超えそれほど珍しい疾患ではなくなりました。
治療は、内服薬が中心です。ペンタサやアサコール、リアルダといったメラサジンを主体とした炎症を抑えるものから、強い炎症がある時はステロイド剤が内服や注腸(腸の中に直接注入する)が投与されます。
また免疫抑制剤や生物学的製剤、白血球除去療法、大腸切除術なども行われることがあります。漢方薬なども症状緩和に使われることがあります。
最近では、他人の糞便を移植することによって症状を抑えようとする糞便移植術が行われるようになってきて、これから治療が様変わりしていくかも知れません。
食事療法でも、一時は忌避されていた繊維分の多い食事をとることによって炎症が治まっていくといわれるようになっています。
炎症の悪化要因を探る
私の最初の単行本である「免疫を高めて病気を治す口の体操あいうべ」(マキノ出版2008)にも潰瘍性大腸炎のケースが登場します。
ひどい血便が続いて修学旅行の引率ができないかも知れないと受診した教諭の話です。あいうべ体操と口テープで一週間で症状が緩和し引率に行くことが出来たという劇的な回復を見せた症例です。
この方は、まだいまでも年に一回ほど診察をしていますが潰瘍性大腸炎の再燃ありません。
口呼吸や心的ストレスといったものも炎症性腸疾患を悪化させてしまいます。
CRP(血中炎症反応)が上がったとしても、すぐに心配せず、身の回りの変化などに気を配って、何か悪化させた原因はないかと言うことを立ち止まって考える必要があります。
すぐに薬を増やしてしまうと、その原因を追及できません。と言うことは、薬を減らしていくことも難しくなってしまうからです。
一件関係のないような呼吸やストレスに着目してみると改善のヒントが得られる可能性があります。
あいうべ体操と口テープはいますぐ行うことをお勧めします。
外来診療では、呼吸指導、食事指導などもあわせて行い減薬、症状緩和を目指します。
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執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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