11月は膝痛が増える?!考えられる原因は?

11月は膝痛が増える季節とのこと。
ちなみに…
11月13日は、ひざの痛みの治療や予防の啓蒙のために制定された「いいひざの日」なんだそうです。

寒くなると膝痛の方が増えるって不思議な話ですよね?
寒さで筋肉や関節の動きが悪くなるのであれば、例外なく誰もが痛みが出るはずなんですよ。
そして、人間の体温はおおむね一定に保たれていますし、夏場にくらべると洋服も厚手のものが増えますよね。
なので寒さと膝痛には、直接的な関係はないのではないか?と私は考えています。

ということで、今日は寒くなると増える膝痛の原因について考えてみたいと思います。
膝痛でお困りの方は、ぜひ最後までお付き合いください。

5月は腰痛、11月は膝痛が増える?!

加圧 膝痛

11月になると膝痛が増える。
これと似たような話で、5月になると腰痛が増える…というものがあります。
※詳しくは下記のリンクへ
インターネットで検索してみても、季節の変わり目は「腰痛」や「膝痛」が増えるという記事がおおくみられます。
おおむね「季節の変わり目」「寒暖差がおおきいこと」が原因とされていました。
もちろん、寒さによって血流が悪くなることもあるかもしれません。
暖かい夏にくらべると、関節や筋肉の動きに硬さを感じることもあります。

しかし、寒くなっても膝痛や腰痛にならない方も多くいらっしゃいますよね?
かくいう私も、季節の変わり目に腰痛や膝痛を経験したことはありません^^;
また、寒さによって血流や関節、筋肉の動きが悪くなることが原因なのであれば…
膝痛や腰痛など、下半身に痛みが集中していることにも疑問を持ってしまいます。
たとえば、手首や肘など、上半身にも痛みが出てしまうのではないかと思うわけです。

それに5月は11月よりも暖かいですし。
そうなると、腰痛や膝痛と気温は関係なさそうですよね…。

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季節ごとに変わるもの

気温や寒暖差のほかに、季節ごとに変わるものといえば?
季節ごとに、着るものが変わりますよね。
それに合わせて、履くものも変わります。
5月の梅雨時期であれば、レインブーツ。
暑い時期になれば、サンダルなど。
そして、11月の寒い時期になるとブーツなどが増える傾向があります。

これまでブログでも紹介させていただきましたが、靴で私たちの足は簡単に崩されてしまいます。
先日6年ぶりに受診に来られたIさん。
ここ最近、カラダのバランスの悪さが気になり始めたそうです。

Iさん
そのまま放っておくと膝痛になりそうな気がしたので、予防したい。
外反母趾もすこし悪化した気がする…。
とのことでした。

これが6年前の足の写真です。

そして、先日の写真。

比べてみると、左親指のつけ根の変形が進行していることがわかります。
生活リズムに大きな変化はないし、仕事で動き回っているとのことでした。
また、履いている靴のサイズもバッチリ…。
でも、原因はこの2つの中に隠れていました。

原因の1つ目は…
靴のサイズはバッチリでも、靴ひもが緩くなっていました。
みらいクリニックでは、伸びにくい純綿の平ひもをつかって、靴と足をフィットさせていきます。
伸びにくいとは言っても、形あるものはいつか壊れるのが世の常です。
靴ひもも例に洩れず。
基本的には、3ヶ月ごとの交換をオススメしております。
靴を履く頻度にもよりますが、3ヶ月で3~5cmほど伸びてしまうんですよ。
しかも、毎日少しずつ伸びていくので、緩んでいることに気がつけないことが多いです。
ちなみにIさんの靴ひもですが、7.6cmも伸びていました^^;
スニーカーであっても、靴ひもがシッカリと結べていなければ足を痛めてしまいます。
サイズが合っていればOK…ではないんです。
道具ですから、使い方にも気をつけていただきたいです。

11月に膝痛が増える原因の1つは、寒くなるとブーツなどおしゃれ靴が増えることと関係していると感じます。
また季節は関係ありませんが、Iさんのように靴ひもが緩むだけでも足は痛んでしまいます。
オシャレな靴を履くな!と言いたいわけではありません。
痛みと姿勢の外来では、オシャレを楽しんでいただくためにも、日々のケアをオススメしております。

運動不足にご用心

原因の2つ目は…
季節性のものとして、天気や気候の影響もあるかもしれません。
5月の梅雨時期になると、外に出かける回数が減ってしまうという方も多いですよね。
夏本番になると、暑いから外に出たくない。
寒い季節になると、寒いから外に出たくない。
知らず知らずのうちに、運動量は少しずつ減ってしまいがちです。
運動量が減れば、もちろん筋肉量の維持がむずかしくなりますし、血流も悪くなってしまうでしょう。
寒暖差がはげしいからではなくて、運動不足による問題という気がしています。

じっさいに、膝痛や腰痛でお悩みの患者さんであっても、カラダを動かしている方の方が改善が早い傾向にあります。
筋肉を動かすことによって分泌されるIL-6(インターロイキン6)など、マイオカインの働きが大きいのだと考えています。
やっぱり運動、筋肉が大事ってことですね。
マイオカインについて、くわしくは下記の記事へ。

運動嫌いの医者が伝える「運動は薬である」 その3

運動といっても、ハードな筋トレをしないといけないというわけではありません。
外をいつもより2-3分多めに歩くだけでもOKです。
暑さや寒さで外を歩けないのであれば、自宅でできる「ゆるHIIT」
ご自身の体力レベルに合わせて、ちょっと息がはずむくらいまで心拍数をあげれればバッチリ。
Youtubeに200種類ほどメニューをアップしていますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

ゆるHIIT

 

さぁ、11月になると増えるといわれている膝痛。
痛みと姿勢の外来が考える原因は「靴」と「運動不足」です。
膝痛がご心配な方は、「靴」と「運動」の見直しをされてみてはいかがでしょうか?
足指や膝痛・腰痛、そして、靴のご相談は痛みと姿勢の外来にお任せください。

執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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