巻き爪対策にも「ゆびのば」
「痛みと姿勢の外来」(フットケアセンター)には、色々なお悩みを抱えた方が受診されます。
軽度の外反母趾で「これくらいの状態で受診して良いのかしら」と心配しながら来られる方もいます。
あるいは「足が痛むけど、靴のサイズが合っていないのかも」なんて悩んでいる方もいます。
大丈夫です!痛みと姿勢の外来では、どんな小さなお悩みでも真正面から対応します。
70代の女性が
- 足の冷え
- 猫背
- 関節リウマチ
という三つの症状を抱えて受診してきました。
病名を見るのはもちろんですが、私たちはなぜそうなったんだろうという原因まで追及していきたいと思っています。
このTさん、頚椎ヘルニアの手術をした後に、きちんと背を伸ばすことが出来なくなったと仰います。
レントゲン検査では、胸椎の圧迫骨折を起こしていることが判明しました。8
8種類の薬を内服しながら、それでも何とかもとの元気な状態になっていきたいと「痛みと姿勢の外来」を頼ってこられました。
こんな時も、まずは体の土台である足指を見ます。
Tさんの左の母趾の爪は、「へ」の字に曲がっていました。いわゆる「巻き爪」です。
巻き爪の悩みで受診される方も少なくありません。
歩く度に、ぎゅぎゅっと爪が肉に食い込むため、歩くのもつらくなってしまうのです。
まだTさんの場合は、爪の周りにひどい炎症があるわけではありませんから、ゆびのば体操とゆびのばソックス、そして何といっても「歩くこと」で改善しそうなことをお伝えしました。
冷えも取れて、爪も伸びてきた
お一人お一人の足指の状態に応じて、色々な注意点を伝えるのですが、Tさんにお伝えしたこと。
- ゆびのば体操
- 小股歩き
- ゆびのばソックス
- 靴のサイズの変更
でした。
案外、靴のサイズを間違えている方も多いですし、大股歩きで「足指を使って歩いていない」方も多いものです。
巻き爪では、きちんと足指を地面に付けて歩くことが大切なのですが、痛みがあったりするとなかそれもできません。
小股で歩くようにすると、足指を効率よく蹴る、あおり歩行が出来るようになります。
しっかりと歩かなければ、巻き爪はすぐにでも元の形に戻って行ってしまいます。
さて、受診して二ヶ月(4回目の受診時)。
Tさんは、足の冷えが改善して、体の動きも良くなってきました。
そして、薬も一錠減らすことが出来ました。
いままで痛みのために痛み止めを飲んでいたのですが、それを止めることが出来たのです。
そして、爪はどうなったかというと。。。。
肉の巻き込みが減って「へ」の字だったのが伸びてきています。
爪クリップやワイヤは使用していません。
だからお風呂に入る時やストッキングをはく時など、あまり気を使う必要がありませんでした。
これくらいの変化でも、体に与える影響は大きいんです。
炎症が強い時などは、爪クリップで巻き込みをすこし解除するだけでも痛みがかなり減ることもあるんです。
長く歩ける、姿勢が良くなる
姿勢が悪く猫背で悩んでいたTさんですが、思いがけず足指の状態が改善することでそれらの悩みが減りました。
「長く歩けるようになりましたよ、動きやすくなり、姿勢も良くなったと言われます」
ととても喜んでいただけました。
巻き爪治療をしているけど、一度改善してもまたすぐ悪くなると言う方は
- 靴のサイズチェック
- 靴の扱い方チェック
- 歩行のチェック
- 爪を圧迫するソックス、ストッキングのチェック
をしてみて下さい。巻き爪も生活習慣病とも言えますね。
ちょっとした足指、足腰、姿勢などのご相談は「痛みと姿勢の外来」にお任せ下さい。
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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