成長痛で膝が痛いときの正しい対処法|やっていいこと・避けたいこと

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あいうべ(息育)

今井一彰院長

この記事の執筆・監修:今井 一彰

みらいクリニック 院長 /内科医・東洋医学会漢方専門医 /一般社団法人 慢性炎症コントロール・予防学会代表理事

1995年山口大学医学部卒業、救急医学講座入局。2006年にみらいクリニックを開業。
自身のバレーボールでのケガの経験から足元・足指のケアの重要性に気づき、「ゆびのば体操」や「あいうべ体操」など、薬に頼らないセルフケアの治療哲学を確立。現在も日々の外来で多くの患者様の悩みに向き合いながら、テレビ、新聞、ラジオなどのメディアでもその大切さを発信し続けている。

成長期のお子さんが夕方から夜にかけて膝の痛みを訴えると、親御さんは心配になるものです。成長痛は多くの場合、一過性で翌朝には消失しますが、正しい対処法を知っておくことで痛みを和らげ、お子さんの不安も軽減できます。この記事では、成長痛で膝が痛いときにやっていいこと・避けたいことを具体的に解説します。

また、ここでは、当院がおすすめする5本指ソックスである、「ゆびのばソックス」を紹介します。成長痛の予防には足指の機能を整えることも大切です。足指が広がり地面をしっかり捉えることで、膝への負担を軽減できます。

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すぐにできる成長痛で膝が痛いときのセルフケア

成長痛で膝が痛いときは、症状の段階に応じた適切なセルフケアが重要です。急性期と慢性期では対処法が異なりますので、お子さんの状態を見ながら使い分けましょう。

急性期の対処法 安静と冷却の目安

痛みが強く出ている急性期には、まず無理をさせず安静にすることが基本です。運動後に膝が熱を持って腫れている場合は、アイシングが効果的です。氷をタオルで包み、患部に15〜20分程度当てましょう。

ただし、冷やしすぎには注意が必要です。必要以上に冷却すると筋肉が硬くなり、血流が悪化して回復を遅らせることがあります。アイシングは1日2〜3回を目安に、患部の様子を見ながら行ってください。

痛みが強い時期に無理に動かすと症状が悪化するため、この段階では膝に負担をかける運動は控えましょう。

慢性期の対処法 温めと適切な運動

急性期の強い痛みが落ち着いてきたら、温熱療法に切り替えます。お風呂でゆっくり温まったり、蒸しタオルを当てたりすることで血流が改善し、筋肉の緊張がほぐれます。

慢性期には完全に安静にするのではなく、膝に強い負担がかからない範囲で体を動かすことが大切です。軽いウォーキングや水泳など、膝への衝撃が少ない運動から始めましょう。体幹トレーニングや上半身の運動を取り入れることで、スポーツ感覚を維持しながら回復を促せます。

実践しやすいストレッチ

成長痛の予防と緩和には、大腿四頭筋とハムストリングスのストレッチが効果的です。成長期は骨の成長に筋肉が追いつかず、筋肉が硬くなりやすいため、柔軟性を保つことが重要です。

また、成長期は重心バランスが乱れやすく、成長に伴い靴のサイズが合わなくなることもあります。それらがキッカケとなり踵重心になりやすく、足指の変形を起こしやすくなっています。足指をやさしく伸ばす「ゆびのば体操」をおこなうことで成長痛の予防・改善に繋がります。

ストレッチ部位 やり方 目安
大腿四頭筋(太もも前面) 立った状態で膝を曲げ、つま先を持って太ももの前を伸ばす 30秒×左右2〜3セット
ハムストリングス(太もも裏面) 床に座り片足を伸ばし、上体を前に倒して太もも裏を伸ばす 30秒×左右2〜3セット
ふくらはぎ 壁に手をつき、片足を後ろに引いてかかとを床につけたまま伸ばす 30秒×左右2〜3セット
足指 足指と手を合わせ、足の裏側・甲側に伸ばす 5秒×左右10セット

ストレッチは痛みを感じない範囲で、反動をつけずにゆっくり行うことが鉄則です。強く伸ばしすぎると、成長期の弱い骨に負担がかかり剥離骨折を起こす可能性があるため注意してください。

日常生活とスポーツでの具体的な予防策

成長痛を予防するには、日常生活での習慣づけが重要です。以下のポイントを意識しましょう。

  • 運動前後にウォーミングアップとクールダウンを必ず行う
  • 急激な運動量の増加を避け、週に1〜2日は休息日を設ける
  • 正しい姿勢を意識し、猫背や足を組む癖を直す
  • 十分な睡眠をとり、体の回復を促す
  • タンパク質やビタミンDを含むバランスの良い食事を心がける

部活やスポーツをしているお子さんは、痛みを感じたらすぐに運動を中止することが大切です。試合が近いからと痛みを我慢して続けると、症状が悪化してオスグッド病に進行することがあります。

市販薬やサポーターの使い方と注意点

湿布や消炎鎮痛剤は一時的な痛みの緩和に役立ちますが、長期使用は避けましょう。これらは痛みを抑えるだけで根本的な原因を解決するものではありません。痛み止めに頼りすぎると、痛みに対する感覚が鈍り、症状の悪化を見逃す恐れがあります。

サポーターやテーピングも同様です。膝への負担を軽減する補助道具として有効ですが、装着したまま無理に運動を続けることは危険です。サポーターは「どうしても出たい試合」など限定的な場面で使用し、日常的に依存しないようにしましょう。

成長痛の根本的な対策として見落とされがちなのが、足指の機能です。足指が縮こまっていると体のバランスが崩れ、膝への負担が増します。履くだけで足指を広げて伸ばす「ゆびのばソックス」は、体の土台を整えることで膝の負担軽減に役立ちます。

膝の成長痛は何が原因になる?

成長痛の正しい対処法を実践するためには、原因を理解しておくことが役立ちます。成長期特有の体の変化と日常の習慣が複合的に関係しています。

骨の急成長による筋肉や腱の緊張

成長期は骨が短期間で急激に伸びる時期です。しかし、筋肉や腱はその成長スピードについていけず、相対的に短く硬い状態になります。このアンバランスが膝関節に負担をかけ、痛みの原因となります。

特に膝の場合、大腿四頭筋の腱が脛骨粗面(膝のお皿の下の骨)を引っ張り続けることで炎症が起こりやすくなります。これがオスグッド病の発症メカニズムです。成長痛とオスグッド病は似ているようで異なる状態であり、オスグッド病は運動時に痛みが出て患部に圧痛があるのが特徴です。

運動や負荷の蓄積が招く痛み

日中の活動による筋肉疲労は、成長痛の大きな要因です。サッカー、バスケットボール、バレーボールなど、膝の屈伸やジャンプを繰り返すスポーツは特に負担が大きくなります。

中学生の部活動では練習量が急増することが多く、体が適応する前に過度な負荷がかかりやすい環境です。急激な運動量の増加は避け、徐々に体を慣らしていくことが成長痛やスポーツ障害の予防につながります。

筋力不足や柔軟性のアンバランスの影響

成長期の子どもは、骨の成長に対して筋力が追いついていないことが多いです。特に体幹や股関節周りの筋力が不足していると、膝に余計な負担がかかります。

部位 筋力不足や硬さの影響 推奨されるケア
大腿四頭筋 膝蓋骨下の腱に過度な張力がかかる ストレッチ、フォームローラー
ハムストリングス 膝の動きが制限され負担が増す ストレッチ、軽い筋力トレーニング
体幹 姿勢が崩れ、下肢への負担が増加 プランクなどの体幹トレーニング

柔軟性の左右差や前後のバランスの崩れも見落とされがちな要因です。リハビリテーションの専門家に相談し、個々の体に合った筋力トレーニングやストレッチ指導を受けることで、再発しにくい体づくりが可能になります。

体重や姿勢などのリスク要因

体重が増加傾向にある場合、膝への負担は自然と大きくなります。成長期は体重も急激に変化する時期ですが、骨や関節がその変化に対応しきれないことがあります。

姿勢も重要なリスク要因です。猫背や反り腰、O脚やX脚などの不良姿勢は、膝関節に偏った負荷をかけます。足裏が安定しない状態で踏ん張り続けると、膝や腰に余計な力が入り続けることになります。

人間の体はカメラの三脚に例えられます。足指が広がって地面をしっかり捉えていれば体は安定しますが、足指が曲がったり浮いたりしていると接地面積が狭くなり、膝や腰に無理な力がかかります。インソールの活用や正しい靴の選び方に加え、足指本来の機能を取り戻すことが、膝の負担軽減には欠かせません。

足指変形による要因

体が成長する過程で重心バランスも徐々に変わってしまいます。バランスを補おうと無意識で足指がギュッと踏ん張る屈み指になってしまい、姿勢の乱れに繋がることがあります。
また、体の成長に合わせて足のサイズも当然変わっていきます。

しかし、足の指に痛みや違和感が出ることが少ないため、靴による影響は見逃されてしまうことが多いです。痛みで歩くことが難しかったお子さんが、ゆびのばソックスを履いた瞬間に痛みが消えたという経験もあります。成長痛の改善のためには、靴や靴下など道具の見直しも重要です。

実際の改善事例

どこに行っても「様子をみましょう」と言われた5歳女の子の回復ストーリー

「成長痛だから様子をみましょう」と言われる日々

4歳から大好きなバレエを習い始めたその女の子(5歳)は、ある時期から夜になると足の痛みを訴えて泣き、眠れない日々が続くようになりました。症状は次第に悪化し、最近では激しい運動をしていない安静時でさえ痛むようになり、ご両親は心配でたまりませんでした。
慌てて小児科や整形外科をいくつも受診しましたが、結果はどこも「成長痛でしょう、様子をみましょう」と言われるばかり。具体的な対処法や解決策が見つからず、ご家族は途方に暮れていました。

痛みの根本原因は「屈み指」にあった

当院で足を詳しく拝見すると、足の指がギュッと丸まってしまう「屈み指」がはっきりと見られました。足指がしっかり使えず不安定な状態のままバレエの練習や日常生活を送っていたため、足全体に過度な負担が蓄積していたのです。
さっそく足指を優しく広げる「ゆびのば体操」をお伝えしましたが、最初は指を触るだけでも痛みを感じるほど、足全体がガチガチに緊張していました。

ゆびのばソックスの着用と、笑顔の練習復帰

体操すら痛がる状態だったため、まずは履くだけで無理なく足指を広げてくれる「ゆびのばソックス」を毎日の生活に取り入れていただくことにしました。
ソックスによって足指がまっすぐ伸び、地面を正しく捉えられるようになると、体の土台が徐々に安定し始めます。すると、あんなにひどかった夜の痛みの訴えが、少しずつ減っていったのです。

今では夜泣きすることもなくなり、痛みを訴えることもすっかりなくなりました。お休みしがちだった大好きなバレエの練習にも、元気に笑顔で参加できています。「様子を見るしかない」と諦めかけていた痛みが、足指の環境を整えることで劇的に改善したのです。

まとめ

成長痛で膝が痛いときは、急性期には安静とアイシング、慢性期には温めと適度な運動という使い分けが基本です。ストレッチは痛くない範囲でゆっくり行い、湿布やサポーターに頼りすぎないよう注意しましょう。痛みを我慢して運動を続けることは症状悪化の原因となるため、痛みを感じたら休むことが大切です。予防には、バランスの良い食事、十分な睡眠、正しい姿勢を意識した生活習慣が効果的です。

また、体の土台である足指を整えることで、膝への負担を根本から軽減できます。成長痛は適切な対処で多くの場合改善しますが、症状が続く場合は早めに医療機関を受診してください。

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執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長 
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業 現在に至る
あいうべ体操・ゆびのば体操などセルフケアの大切さを伝えている。テレビ、新聞、ラジオなどのメディア出演も多い。
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