頭にもや コロナ後遺症 ブレインフォグ(読売記事3月19日記事)

読売記事2022年3月19日の記事でみらいクリニックの事例が取りあげられました。

(私の名前が出てきませんが、字数の関係で削らざるを得なかったと担当記者から謝罪されました笑、気にしてませんって)

「頭にモヤ」コロナ後遺症ブレーンフォグ…集中力低下仕事できず

詳しくは当該記事を読んでいただければ分かりますが、ずっとリンクが残るわけでもありませんから簡単に記します。

読売記事2022年3月19日の記事

 

取材担当は坂田記者、それまではブレインフォグ(脳の霧)という言葉を知らなかったと言います。取材を進めるにつれて悩んでいる人、困窮している人がたくさんいる現状に驚かれたようです。

新型コロナウイルスの後遺症とされる記憶障害や集中力の低下が深刻化し、就労が困難になるケースが出ている。頭にもやがかかったようになる「ブレーンフォグ」とも呼ばれ、治療法が確立されていないために長期の休業や失業を招き、経済的苦境に立たされることもある。(坂田元司)

 

治療法未確立 1年前感染今も休職

みらいクリニックに受診中の40代の方のケースです。多くのケース(7割)ではEAT開始後2ヶ月で症状が改善し、社会復帰できるのですが3割の方が症状遷延してしまうのが現状です。

この方も遷延してしまい、休職を余儀なくされています。日常生活にも支障が出ており、就業できません。

読売記事2022年3月19日の記事 見出し1

国が昨年2月までに患者525人を追跡調査したところ、陽性の診断から半年たった段階で、思考力や集中力の低下を訴える人が11%に上り、味覚(9%)、嗅覚(7%)の異常よりも高かった。東京都世田谷区が同12月にまとめた調査でも、回答のあった6289人のうち14%に「集中力の低下」、6%に「記憶障害」が療養が終わった時点で残っていた。

これらは既報の部分もありますが、まだまだ社会的に認知されていないのが現状です。

クラスターで自分一人だけがコロナ後遺症で苦しんでいる、という状況も珍しくありません。

そうなるといきおい「他の人は治っているのに、どうしてあなたばかりが続くのか」「療養になれてしまってサボり癖が付いたのじゃないか」「やる気が無いだけじゃ無いのか」などという評価をされてしまいます。

 

明かな炎症後の残存症状(後遺症)にも関わらず病として認められないのです。医療者でもまだ理解が進んでいない状況は嘆かわしいですね。

 

とはいえ、EAT(上咽頭擦過治療)が奏功するのははっきりしてきましたから、治療法が無いわけではありません。対症療法では無く,ある程度の治療は可能です。

※その意味では、ちょっと不調が続くという場合は速やかに医療機関にかかった方が良いと思います。一月程度待てば改善する事もあるとアドバイスされることもありますが、やはり早期に治療した方が改善が早いです。オミクロン株流行によりコロナ後遺症のことも徐々に知られるようになり、早期治療の人は早期に回復することが実感としてあります。

それよりも問題なのはこちらです。

療養後治療費自己負担

そう、療養期間が明けたらすべてじ

読売記事2022年3月19日の記事 見出し2

 

後遺症を抱えると、経済的な負担も生じる。コロナは「指定感染症」で感染中の治療は公費で行われるものの、後遺症に関しては他の疾病と同様に自己負担が生じる。正規社員や公務員は健康保険から傷病手当が出るが、パートなど「非正規」の場合は受け取れないケースもある。自営業者らが加入する国民健康保険からは後遺症での傷病手当は支給されない。

ここが問題ですよ。無症状のコロナは躍起になって発熱外来で探し出すのに、療養が明けたらほとんど放置されてしまいます(療養中もそのような状態ですが)。コロナ自体は軽症でなんともなかったのに、倦怠感や長引く咳、読書が出来ないほどの集中力低下、思考がまとまらないブレインフォグなどが襲ってきて「自分の体はどうなってしまうのだろう」と不安に駆られてしまいます。

相談するところもなく情報は自分で見つけなければなりませんが、スマホを見ても文字の内容が入ってこない、PCに向かうと疲れが倍増するとなると情報収集もままなりません。

診断だけでは無くその後のフォローもぜひとも手厚く行われていきますように。

執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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