子どもの成長を守るためには、靴をしっかりと選ぶことが必要です。
もちろん、いろいろな運動や教育も必要です。さらにこれらは「痛みなく動ける」「まっすぐ立てる」ことが前提ではないでしょうか?
靴は大事なカラダを預ける道具です。
履ければ良い!というわけではありません。
ということで、今日は子どもの成長を守る靴の選び方について書いてみようと思います。
もちろん、子どもだけではなくて大人にも当てはまることなので、ぜひ子どもさんと一緒にご自身の足元も見直してみてください。
目次
子どもの「足」守りたくないですか?
生後3日目の私の息子の足です。
本当に末広がりで、きれいな形をしてますよね。
私の息子が特別!ではなくて、実はみんなこの形で出てきているんです。
このきれいな末広がりは、いつから崩れてしまうと思いますか?
みらいクリニックでは、崩れる原因がファーストシューズや靴下ではないかと考えています。
一人で歩くようになれば、足を守るために靴が必要ですよね。
でも、その靴で足を壊しているとしたら?
私は、自分の息子を守るために靴はシッカリと選んでやろうと思っています。
僕がそう思うということは、世のお父さんお母さんは皆同じように自分の子どもを守ってやりたいと考えているはずですよね。
痛みと姿勢の外来には、小さな子どもさんが受診に来られることもあります。
お父さんお母さんは子どもを守るために、イロイロな病院や靴屋さんを巡っておられる方がほとんど・・・。
場所が変われば言われることが変わります。
時間とお金をかけてでも、子どもを守ろうと必死です。
でも、足を見てみると「足指変形のデパート」状態。
保育園調査に行かせていただいたときにビックリしたのですが、2歳児ですでに内反小趾や屈み指になっている子がほとんど。
上の写真から、2年でここまで変わるのか・・・と愕然としました。
その光景を目の当たりにして、自分の息子の足を守りたいとつよく思ったのと同時に、息子以外の足も守りたいと思いました。
そのために、皆さんにぜひ知っていただきたいことは「靴の選び方」です。
簡単なルールを理解すれば、誰にでもできます!
ぜひ、子どもを守るために最後まで読んでみてください。
どんな靴がいいの?
まずは、どんな靴を選ぶべきなのか。
デザイン?機能性?ピカピカ光る靴?キャラ物?
イロイロありますが、見てほしい部分は下記の3つ!
- 靴底(アウトソール)の硬さ
- かかと部分(ヒールカウンター)の硬さ
- 靴ひも穴(鳩目)・マジックテープの数
1.靴底の硬さ
子どもの足の骨はそのほとんどが軟骨です。
完全な骨になるのは平均で18歳ごろと言われています。
そんな柔らかい足を、ふにゃふにゃの靴の中に入れるとどうなりますか?
足につよいストレスがかかってしまい、変形の原因になることは簡単に想像できますよね。
靴底はシッカリ硬いものを選んでください。
2.かかと部分の硬さ
O脚やX脚の原因の一つに、かかとの捻じれがあげられます。
本来、靴にはヒールカウンターといって硬い素材がかかと部分に入っています。
最近では脱ぎ履きしやすいようになのか、ヒールカウンターがない靴が多いです。
靴をイスで例えるなら、ヒールカウンターは背もたれの役割をしています。
背もたれがシッカリしているイスは長時間座ってもあまり疲れませんよね?
逆に背もたれがないイスの場合は、姿勢が悪くなってしまったり、カラダが強張ってしまったり・・・。
楽に歩いたり、姿勢を維持するためにもかかと部分は硬いものを選んでください。
3.靴ひも穴・マジックテープの数
子ども靴の場合、靴ひもタイプは本当に少ないですね。
あったとしても、すごく高級だったり・・・。
理想は靴ひもで固定できる靴ですが、幼児の場合はマジックテープの選択肢しかないかもしれません。
紐靴であれば、靴ひも穴(鳩目)の数は4つ以上
マジックテープであれば、2本以上(二本に分かれているように見えて一度に止めることができるものはダメですよ)
が望ましいです。
マジックテープは、シッカリと固定するために折り返しがあるタイプにしてください。
「子どもに紐靴はムリ」と言われることもありますが、靴の先進国といわれるドイツでは幼児期から紐靴を履いています。
自分で靴の脱ぎ履きができない子は、幼稚園に入園できないというルールもあるのだとか。
そのための教育もシッカリしてて、靴ひもの練習用の絵本やオモチャがたくさんあります。
成長した後のことを考えると、小さなうちからトレーニングさせてあげたほうが良いかもおしれませんね。
時間がかかるから・・・って言うのは親の都合です。
子供のことだけを考えるなら、紐靴のほうが良いのではないでしょうか。
靴のお下がりはNG
私は3人兄弟の末っ子なのですが、靴のお下がりを貰うことがありました。
部活で使うシューズだったのですが、あんまり使ってないしサイズも合っているから・・・っと軽い気持ちで履いていました。
しかし、その靴のせいでひどい捻挫をしてしまうんです。
しかも、大事な新人戦の前に。
今になって考えると、私の兄は足が細いんですが、私は広めなんです。
縦幅は合っていたのですが、横幅が合っていなかったんですね!
そのせいで小指が機能せずにバランスを崩していたのだと思います。
その靴を履いているときだけ捻挫や軽い怪我をくりかえしてしまうので、私は「呪いの靴」と呼んでいました(笑)。
シューズを変えてからは、捻挫をしたことがありません。
縦幅が合っていても横幅が合わないことがあるため、お下がりは絶対にやめてください。
それだけではなく、靴には持ち主のカラダの癖が残っています。
歩き方や立ち方には一人ひとり癖がありますからね。
靴だけでなく、その癖までついてきてしまいます。
カラダを預ける大事な道具ですから、使いまわしやお下がりは避けてくださいね。
サイズの見直しは季節ごとに
子どもの足は1年間で1~2cmくらい大きくなる事があるそうです。
ということは、1年間で2~4足の靴が必要だということです。
すぐに大きくなるから大きめの靴を買う。
気持ちはわかりますが、これもNGなんです。
大きめの靴では、足が泳いでしまい屈み指などの変形を作ってしまいます。
季節ごとに見直して、サイズを合わせたほうが良いです。
早ければ2~3ヶ月しか履けないので、高い靴を買う必要はないと思います。
どこどこのブランドのカラダに良いと言われている「サイズが合っていない高級靴」より、どこにでも売っている「サイズが合っている靴」のほうがカラダには良いです。
カラダを守るため、たかが靴ではありません。
子どものため、ご自身のために靴を見直してみてはいかがでしょうか?
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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