あいうべ体操とは、口呼吸を鼻呼吸に改善していく簡単な口の体操です。いつでもどこでも誰でもできる「あいうべ体操」は食後に10回、一日30回を目安に地道に続けると、舌力がついて自然を口を閉じることができるようになります。口呼吸の改善は、あらゆる病気の原因治療につながります。あいうべ体操をしっかり継続している人は、自然に鼻で呼吸ができるようになり、アレルギー性疾患等の症状が改善していくことがあります。

あいうべ体操のやり方は、次の4つの動作を順にくり返します。声は出しても出さなくてもかまいません。
(1)「あー」と口を大きく開く
(2)「いー」と口を大きく横に広げる
(3)「うー」と口を強く前に突き出す
(4)「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
(1)~(4)を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続けます

執筆・監修
みらいクリニック院長
内科医 今井一彰

口呼吸を鼻呼吸に改善するあいうべ体操について、考案者の今井一彰院長が解説

あいうべ体操とは?

「あいうべ体操」って聞いたことがありますか。「あいうえお」、じゃなくて「あいうべ」ってすこし変ですね。
あいうべ体操は、今井院長が考案した口呼吸を鼻呼吸に改善していく口の体操のことです。いつでもどこでも誰でもできる「あいうべ体操」は食後に10回、一日30回を目安に地道に続けると、舌力がついて自然を口を閉じることができるようになります。口を閉じるということは、鼻で呼吸をしているということ。
ここではあいうべ体操と口呼吸の問題について簡単に説明します。

こういう方におすすめです。

  • 口がいつも開いている
  • 何となく疲れやすい、だるい、やる気が起きない
  • 手軽に、いつでもどこでも出来る健康法が知りたい
  • アレルギー性疾患(花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎など)で困っている

口呼吸の改善は、あらゆる病気の原因治療につながります。
そのため、「あいうべ体操」をしっかり継続している人は、自然に鼻で呼吸ができるようになり、症状が改善していくことがあります。

呼吸は生まれてから死ぬまで一時も休むことなくしなければなりません。
一日の呼吸回数は何と2万回。
それを鼻からする鼻呼吸なのか、口からする口呼吸なのかで驚くほどあなたの体が変わっていきます。

今井院長が考案

口呼吸との関係に気がついたきっかけ

口呼吸との関係に気がついたきっかけ

今井院長は「リウマチの患者さんは口臭が強い。しかも炎症がひどくなるほど強くなる」という発見から、口呼吸の健康被害に注目しました。
口呼吸によって口腔内に雑菌が繁殖しやすくなると、当然、口臭も強くなります。
さらに免疫系の働きも阻害され、炎症も悪化していくと考えられます。

あいうべ体操にいきつくまでにはいろいろな器具や方法を試してみました。
ところが、なかなかうまく伝わらなかったり続けたりするのが難しいということがありました。

そこで、道具を使わない、いつでもどこでもできる方法が大切だと考えてあいうべ体操を開発しました。
それが2005年頃です。

あいうべ体操のやりかた

次の4つの動作を順にくり返します。声は出しても出さなくてもかまいません。

(1)「あー」と口を大きく開く

普段よりも大きめに

(2)「いー」と口を大きく横に広げる

首に筋が張るくらいまで

(3)「うー」と口を強く前に突き出す

しっかりと前に突き出します

(4)「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす

顎の先をなめる感じで

(1)~(4)を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続ける

この体操は、真剣に行うとかなり疲れます。慣れるまでは、2~3度に分けたほうが続けやすいでしょう。入浴時にやるのがおすすめです。
また、「あいうべ体操」は、しゃべるときより口をしっかり、大きく動かす必要がありますが、無理は禁物です。

とくに顎関節症の人やあごを開けると痛む場合は、回数をへらすか、「いー」「うー」のみをくり返してください。この「いー」「うー」体操は、関節に負担がかからないため、何回行ってもけっこうです。
「ベー」がうまくできない人は、大きめのあめ玉をなめて、舌を運動させましょう。舌運動と甘味の刺激で、脳も活性化します。

あいうべ体操の効果

「あ」アトピー性皮膚炎などのアレルギーの病気

あいうべ体操はどんな病気に効果があるのか。まずはあいうべの「あ」からいきましょう。
「あ」トピー性皮膚炎などの、「あ」レルギーの病気です。

アレルギーは、その原因がよく分かっていません。一説には清潔になりすぎた現代生活が問題では無いかと言われます。

昔から言われていた「風呂桶仮説」(体が許容できるアレルギー物質量を超えると発症する)は今ではあまり言われなくなってきました。

口呼吸は、慢性扁桃炎を引き起こし口、鼻の周りのリンパ組織が免疫異常を引き起こしてしまいます。それがアレルギー発症に関与しているのではと考えています。

「い」インフルエンザなどの呼吸器の病気

次はあいうべの「い」。「い」ンフルエンザなど呼吸器の病気です。カゼや気管支喘息なども含まれます。

あいうべ体操を取り入れて子ども達野欠席日数が減った小学校、入所者の熱発率が減った高齢者施設などの報告があります。

口呼吸は、乾いて冷たい、そしてきちんと異物が濾過されていない空気を体の中に入れ込んでしまいます。これがインフルエンザや風邪の発症に大きく関係しています。

気管支喘息でも、気道の過敏性が高まり冷たい空気を吸うことにより気管支が収縮し喘息発作の引き金となることも分かっています。やはり体にとって優しい空気の取り込み口である、鼻を活用することが呼吸器にとっては正しい呼吸なのですね。

「う」うつ病などの心の病気

あいうべの「う」は、「う」つ病など心の病気です。その他にはパニック障害や倦怠感、慢性疲労症候群なども含まれます。

呼吸が自律神経に与える影響は小さくありません。
浅く速い呼吸は交感神経を緊張させますし、深くゆっくりとした呼吸は副交感神経の刺激となります。

口呼吸は浅く速い呼吸になり、鼻呼吸は深くゆっくりとした呼吸になることが分かっています。鼻呼吸は精神安定につながります。

カゼなどで鼻づまりがひどかった経験を思い出してください。集中力が途切れがちになり、身体のだるさかあきらかです。

心と体はつながっています。呼吸と心もつながっています。鼻呼吸で、ユッタリとした呼吸を意識したいですね。

「べ」べんぴなどのお腹の病気

最後は、あいうべの「べ」、「べ」んぴなどお腹の病気です。その他には過敏性腸症候群(IBS)、潰瘍性大腸炎、クローン病といった炎症性腸疾患(IBD)です。

便秘が気になる方は、「い~う~」体操だけを5分間続けてみてください。それだけで翌日「スッキリ」となる場合も。

お通じが良くなれば、痔もよくなることがあります。私は講演会や外来で「痔が良くなりました」と喜ばれた経験を何度もしています。

身体に悪い口呼吸

厚い唇は口呼吸のサイン

厚い唇は口呼吸のサイン

口で息をするだけそんなに体に悪いのだろうか、そう考える人がいることでしょう。
また、もともと鼻で呼吸をする習慣がなくて呼吸は口からと考えている人も多いでしょう。

口呼吸の弊害については、今院長も1999年にそのことに気がつき、そこから口呼吸の悪さを啓発してきました。

口呼吸がもたらす最大の弊害は、咽頭リンパ組織の乱れや鼻粘膜などの萎縮、口腔内雑菌の繁殖によって引き起こされる免疫異常です。
さらに顔や体の歪みまでも引き起こしてしまうのが口呼吸の怖さなのです。

口呼吸の弊害を知ることはあなたの健康にとってとても大切な事です。
口呼吸については日本病巣疾患研究会のHPに今井院長が詳しく書いていますから、そちらも参考にして下さい。

あいうべ体操で口呼吸を鼻呼吸に

もちろん全ての病気があいうべ体操で改善するわけではありません。またすべての筋肉の動きができるわけでもありません。大切なことはあいうべ体操をすることではなくて、口呼吸を鼻呼吸に変えて行くことなんです。

あなたの呼吸を正しい呼吸に変えていく、ということが大切です。あいうべ体操についてはこれまでもたくさんの書籍を出してきましたからぜひそちらもご覧ください。またブログの方でも時々詳しい解説や症例を載せていきますのでそちらも参考になさってください 。

鼻呼吸を日本の文化に !

治療費は「タダ」です。上記のやりかたを参考にぜひ今日から行ってください。
詳しく知りたいかたは、こちらをご参考にされてください。

自律神経を整えて病気を治す! 口の体操「あいうべ」

今井院長のあいうべ体操関連著作一覧

日本だけでなく世界に広がるあいうべ体操

ミャンマー語版のあいうべ体操

あいうべ体操は小さなお子様からお年寄りまで誰でもいつでもできたらいいだろうな、こういう健康法があったら楽しいだろうな、ということで開発されました。
お金も時間もかかりませんから簡単にできます。
今日本全国の学校で、風邪予防や健康増進にあいうべー体操を取り入れてくれるところが増えています 。

この広がりは少しずつ世界にも広がっていっています。あいうべ体操の本は台湾や韓国語にも翻訳されました。
また志のある人達が英語、モンゴル、中国語、ミャンマー語などたくさんの言語に訳してくれています。

住む場所や年齢が違えば食事の内容は違います。
でも途中は全世界どこにいても同じ空気を吸っているのです。だからこそ鼻呼吸にしていくあいうべ体操が大切なです。

あいうべ体操の動画

 

[arve url=”https://www.youtube.com/watch?v=SYdt1pvZtdk” maxwidth=”650″/]

口呼吸について

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今回は、「口呼吸って何?」「はじめて聞いた」「口と鼻の呼吸の違いでそんなに変わるの」という方に向けて簡単な口呼吸の害悪について解説をしてみます。

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執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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