リウマチ性多発筋痛症

中年期以降で、全身が痛む、肩が動かしにくい、太ももの辺りが痛い、発熱が続いている、痩せてきたという症状が続いている場合はリウマチ性多発筋痛症の場合があります。

多くは70代での発症ですが、50代前半での発症もあります。リウマチと病名が付いていますが、関節リウマチとは関係がありません。

関節リウマチとの大きな違いは、朝の手指の強ばりを認めないことです。

リウマチ性多発筋痛症の診断と治療

リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica、PMRと略します)は、経験したことのある医師であれば比較的鑑別は簡単ですが、診断までに数ヶ月を要することがあります。PMRは血液中の炎症反応(CRP)がとても高くなるくらいで、リウマチ因子やその他の特徴的な血液検査や画像検査はありません。

高齢者で微熱が継続して、体重減少もあると悪性腫瘍の可能性もあるためCTやMRIといった画像検査も行われることがあります。また炎症反応が高いため、細菌感染症を疑われて頻回の血液検査を行われることがあります。

血中炎症数値が高い高齢者を診察するときには念頭に置いておく疾患の一つです。

PMRは、他の疾患と合併することは余りありませんが、血栓症を引き起こすことがあり注意が必要です。

治療は副腎皮質ホルモン(ステロイド、プレドニンなど)投与でほとんどの場合、速やかに症状が消失します。中には劇的に改善する場合もあります。診断的治療として、ステロイド剤の内服をする場合もあります。半年から一年ほどで服薬を中断できることが多いです。

ただし、薬を減量すると再燃する場合があり慎重な減量が望まれます。

また漢方薬(桂枝加苓朮附湯や越婢加朮湯など)を併用する場合もあります。

PMRの原因は不明ですが、ほとんどの患者さんで口呼吸状態になっていることがあり、口腔の清潔を保つ意味からも口を乾燥させないようにすることが望まれます。

リウマチ科

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