靴によって、足の機能が抑制されている。
実は100年以上前から、靴による足指の変形、偏平足などの研究がされています。
とくに有名なのが、Dr. PHIL HOFFMANNが1905年にThe American Journal of Orthopedic Surgeryで発表したこちらの研究。
CONCLUSIONS DRAWN FROM A COMPARATIVE STUDY OF THE FEET OF BAREFOOTED AND SHOE-WEARING PEOPLES
この研究では、裸足の人々と靴を履く人々の足の違いや、靴が足に与える影響についての詳細なデータについて書いてあります。
今日はみらいクリニックでの経験と、この研究を元に靴選びについて再考してみます。
靴選びでお悩みの方は、ぜひ最後までお付き合いください。
靴で足はどう変わった?
上記の論文では、裸足の人々としてフィリピンの部族の方々がでてきます。
サンプル画像がいくつが出てくるのですが、どれもすごくキレイな末広がり!
また、道具を使わずに木登りをしている写真では、足指でしっかりと木をグリップしている様子が見てとれます。
靴を履くことで変わったことは、下記の3つが挙げられています。
- 足指の変形
- 足の機能の制限
- 支持基底面の減少
研究の中では、親指の角度(外反母趾)について言及されていました。
ですが、画像を見る限りでは内反小趾への影響も大きいようです。
そして、足指が変形してしまうと、足首、膝、股関節の動きに制限がかかってしまいます。
それだけでなく、カラダを支える面積が狭くなってしまうので、バランスも崩してしまいます。
これまでブログに書いてきた内容と、ほとんど同じ内容ですね。
論文を読みすすめながら、すこしホッとしました^^
それと同時に、100年以上の時間がたっているのに、いまだに正しい靴選びが広まっていないことへの危機感も覚えました。
元気な方を増やすためにも、靴の正しい選び方をもっともっと広めないと。
靴の中で足はどうなっている?
靴の中で足がどうなっているのか?
実際に目にしたことがないので、想像できないと思います。
なので、実際に靴を解体してみました!
それが上図です。
ゆびのば体操とゆびのばソックス歴7年の私の足。
手前味噌ですが、なかなかきれいな末広がりでしょ?笑
これをサイズが合っていない靴に足を通してみると…
足指がギューッと寄ってきているのがわかります。
親指の変形「外反母趾」
小指の変形「内反小趾」
そして、スペースがないために指が重なってしまっています。
せっかく足指のケアをしていたとしても、この靴で歩くと足指はドンドン傷んでしまいます。
足指を守るためには、縦幅ではなくて、横幅をしっかりと合わせることをオススメいたします。
上図のように、靴の中で足指が圧迫されていないこと。
指先には、かなりスペースが余ってしまうかもしれません。
ですが、靴ひもでしっかりと固定すれば、安全にあることができます。
より詳しい靴選びについては、下記のブログに書いております。
こちらもチェックしてみてください!
Dr. PHIL HOFFMANNは論文の中で、靴は足のことを考えて作られていない。
足の健康よりも、社会的な好み(流行)や企業の利益が優先されていると述べていました。
足を守る大切な道具だからこそ、サイズ選びや履き方が大事です。
2ヶ月で足の形が変わる
上記の研究の中で、フィリピンの部族の方々に靴を履いてもらうと2ヶ月で足が変形したとあります。
「靴を履く前」と「履いた後」を比べた結果、下記のことが分かったそうです。
- 足の前部が狭くなった
- 親指の長軸の方向が変わった
靴を履くことによって、足指がギューッと圧迫されてしまい、外反母趾になってしまったということですね。
「従来のアメリカの足型(ラスト)に基づいて作られており、もちろん、彼らの足には合っていませんでした(意訳)」
とあるとおり、靴が足に合っていなかったことが理由の1つです。
上記の通り、靴は横幅で合わせることが大事です。
足の健康を守る「足育」
今日は100年以上に書かれた論文についてご紹介させていただきました。
私たちは靴を履くようになって、足に問題を抱える人が増えた。
そう考えても良いかもしれません。
いつも申しておりますが、靴は道具です。
選び方や使い方を間違わなければ、カラダを守ってくれます。
観たい景色を観にいく。
会いたい人に会いに行く。
食べたいものを食べに行く。
これらは元気に歩けるからこそできることです。
その為にも、足指のケア・靴選びはマストです。
靴を履いて生活をしているからこそ、靴や足指の知識はとても大切です。
11月11日開催のフットコーディネーションセミナーでは、靴や足指について学んでいきます。
今回のセミナーでは、院長の今井・主任の石田が診察の時に何を見て、何を考えているのかをお伝えいたします。
これまでのセミナーでは触れてこなかった、細かすぎる目の付け所をご紹介いたします。
「セミナーを受講したけど、うまく活かせていない…」という方は必見です!
セミナーでは、実際の診察風景を見ていただきながら、学びをシェアさせていただきます。
概要はコチラ↓
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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