あなたは、毎日忙しくて運動する時間がない、運動が苦手でなかなか続かない、あるいは年齢とともに体力が落ちてきたと感じていませんか?
「運動しなきゃ」とは思うけれど、
- ジムに行く時間がない
- 辛いトレーニングはしたくない
- 怪我が怖い
そんなお悩みを抱えている方にこそ、ぜひ知っていただきたいトレーニング方法があります。
それが「加圧トレーニング」です。
加圧トレーニングは、適切に行えば短い時間で効果が期待でき、体への負担が少なく安全であることから、様々な方におすすめできる方法なのです。
今回は、加圧トレーニングがなぜ「時間がない現代人」「運動嫌いな方」「高齢者や中年層の方」にとって魅力的なのか、その秘密を分かりやすくお伝えします。
目次
加圧トレーニングってどんなトレーニング?
まず、加圧トレーニングとは一体どんなものなのでしょうか?
これは、専用のベルトや機器を使って、腕や脚の付け根部分に「適度な」圧力をかけながら運動を行うトレーニング方法です。
「圧力をかける」と聞くと、少し怖いと感じる方もいるかもしれませんが、ポイントは「適度な血流制限」であること。
血液の流れを完全に止めるわけではありません。
加圧トレーニングで使う機器は、運動中も血流が完全に止まらないようにコントロールする機能を持っています。
この「適度な血流制限」をかけた状態で軽い運動を行うことで、様々な良い効果が期待できるのです。
短時間で効果が期待できる!タイムパフォーマンスの良さ
加圧トレーニングの大きな魅力の一つは、そのタイムパフォーマンスの良さです。
通常、筋肉を大きくするためには、自分の力に合わせてかなり重い負荷をかけてトレーニングする必要があります。
(一般的なトレーニングでは、一度に持ち上げられる限界の重さの65%以上と言われています)
ところが、加圧トレーニングでは、ベルトで圧力をかけた状態で行うことで、ほぼ日常レベルの軽い負荷でも、筋肉がしっかり鍛えられることが分かっています。
(加圧トレーン二ングでは、一度に持ち上げられる限界の重さの20%程度で効果が出ると言われています)
なぜ軽い負荷で効果が出るのでしょうか?
一つの理由として、適度な血流制限によって筋肉への酸素供給が少し減ることで、通常のトレーニングのように大きな力を出す速筋という種類の筋肉が使われやすくなること。
さらに、運動によって筋肉の中に乳酸などの物質が溜まりやすくなり、これが脳に刺激を与えることで、成長ホルモンがたくさん分泌されると考えられています。
ある研究では、加圧トレーニングの後に分泌される成長ホルモンの量が、通常のトレーニングの約10倍、安静時の約290倍にもなったと報告されています。
この成長ホルモンが、筋肉を大きくしたり、体力を回復させたりするのに役立つのです。
つまり、重いものを持ったり、長時間運動したりしなくても、短い時間で効率的に筋肉を鍛えることができるのです。
実際、ある研究では、わずか2週間の加圧トレーニングで得られた効果が、通常の筋力トレーニングを3ヶ月行った場合と同程度だったという結果も示唆されています。
リハビリテーション目的の場合、週に1~3回程度の頻度で実施することがプログラムとして示唆されており、忙しい毎日を送る方でも、比較的時間を取り入れやすいのではないでしょうか。
体への負担が少なく安全性が高い
加圧トレーニングが、運動嫌いな方や、体力に自信がない方、そして怪我が心配な方におすすめできるもう一つの理由は、その安全性です。
軽い負荷で効果が得られるため、体にかかるメカニカルなストレス(物理的な負担)が少ないと考えられます。
これは、例えば関節に痛みがあったり、体力に不安があったりする方でも挑戦しやすいという大きなメリットになります。
実際に、膝の靭帯を損傷した後のリハビリテーションに加圧トレーニングを取り入れた研究では、トレーニングを行ったことで患部に痛みや腫れが出たり、回復が遅れたりするような副作用はなかったと報告されています。
むしろ、リハビリテーションの効果を高める可能性が示唆されています。
また、加圧トレーニングの安全性に関する全国調査も行われており、4,000例を超える多くの登録患者において、深部静脈血栓症や肺塞栓症といった重篤な合併症の報告が1例もなかったことが示されています。
これは、加圧トレーニングが適切に行われれば非常に安全性が高いことを示唆しています。
先ほどお伝えしたように、加圧トレーニングは「適度な血流制限」で行われるものであり、医療現場で手術などの際に完全に血流を止めるために使う機器(医療用ターニケット)とは異なります。
加圧トレーニングで一般的に使われる機器の設定圧では、完全に血流を止めてしまう危険性は極めて低いと推察されています。
ただし、どんなトレーニングでも言えることですが、安全にそして効果的に行うためには、正しい知識が必要です。
加圧トレーニングを始める際は、加圧トレーニング本部が認定した専門の資格を持った指導者のもとで行うことが非常に重要です。
認定資格者や認定施設については、下記のリンクで確認することができます。
こんな人におすすめ!
加圧トレーニングは、その特性から様々な方におすすめです。
- 時間がない現代人: 短時間で効果的に運動したい方にぴったりです。忙しい合間でも、効率よく体を鍛えられます。
- 運動が苦手・嫌いな人: 軽い負荷から始められるので、運動の辛さを感じにくく、運動への苦手意識を克服できるかもしれません。
- 高齢者の方: 疾患や体力的な問題で高負荷の運動が難しい場合でも、軽い負荷で筋力や筋量の維持・向上を目指せます。転倒予防や骨折予防にもつながる可能性が期待されています。
- 中年層の方: 年齢とともに気になる筋力や代謝の低下に対して、効率的にアプローチできます。
怪我からの復帰を目指すアスリートや、膝の痛みに悩む方のリハビリテーションにも活用されている事例もあります。
特に、膝の靭帯再建手術を受けた後のリハビリにおいて、加圧トレーニングが再生した腱の成長を助け、太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)の筋力低下を抑える可能性も示唆されています。
自宅でもできる? 個人用機器も登場
最近では、ジムや専門施設だけでなく、個人で使用できる加圧トレーニング機器も出てきています。
これにより、自宅などでも手軽に加圧トレーニングを取り入れることが可能になってきました。
2024パリパラリンピックの期間中、国際オリンピック委員会(IOC)および世界オリンピアン協会(WOA)のオンラインプラットフォームであるOLY Houseにて、世界初機能を搭載した新製品【KAATSU M1】の発表が行われました。
米国FDAの認定登録を受けたアメリカ製KAATSUデバイスの機能をさらに進化させた加圧トレーニング専用ユニット。
日本国内で設計から製造まで一貫した厳しい管理体制の下で製造される、待ちに待ったチューブレスのMade in JAPAN製品です。
まとめ
加圧トレーニングは、「短時間」「低負荷」でありながら、高い効果が期待でき、安全性も高いトレーニング方法です。
時間がないあなたも、運動が苦手なあなたも、体力に不安があるあなたも、加圧トレーニングなら無理なく続けられる可能性があります。
ただし、安全にそして効果的にトレーニングを行うためには、必ず加圧トレーニング本部が認定する専門の資格を持った指導者のもとで行うようにしましょう。
まずは最寄りの認定施設に相談してみるのがおすすめです。
ぜひ、加圧トレーニングで効率よく理想の体を目指しませんか?
執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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