こんにちは、みらいクリニックの今井です。
今回は『慢性上咽頭炎の治り方その2』ということでお話をしていきたいと思います。前回は上咽頭炎はいろんな治り方があるんですよというお話でした。これは病気全般に言えることだと思うんですね。
目次
上咽頭炎の症状が複数ある場合
今回はこれ。「症状が複数にわたる場合」という風に書いてみました。
慢性上咽頭炎の症状はこれだ
ご存知だと思いますが、慢性上咽頭炎は様々な症状があるわけです。例えば「鼻炎」「目の痛み」「頭痛」この三つがありますよ、なんていう方は珍しくありません。さらには「肩こり」もある「喉の違和感」「へばりつき」もあります、何ていう方もいらっしゃるわけですね。人によっては症状が10もあるということはざらなんです。
それぞれがどういう風な治り方をするのか、そのパターンがどういうふうになるのかということについて、今回は解説したいと思います。
理想パターン
理想的なパターンからいきましょう。理想的なパターンですね。縦軸が症状がひどい軽い、横軸が時間、治療開始から経った時間です。理想的なパターンとしてはこうなっていくというのを前回もお話をいたしました。
これは痰症状、咳ですとか痰がありますとか、歯が痛いです、ベロが痛い、舌痛です、という風に痰症状の場合のお話でした。ところが、こういう方はむしろ少なくって、様々な症状が絡み合ってる方のほうが多いんですね。
二つの症状の治り方例1
ということで、パターンとして「咳」そして「後鼻漏」、鼻が後ろに垂れるというやつですね。この二つを持っている方を出してきました。
これで見ていくと、咳は理想的なパターンだけれども、後鼻漏は逍遥するパターン。逍遥パターンというのは。一旦良くなってそして悪くなって、一旦良くなって悪くなってなんていうふうな話でしたね。
咳は徐々に順調に良くなっていくんだけど、後鼻漏だけはなんだか良くなったり悪くなったりしていって良くなっていって、最終的には時間とともにこの二つの症状とも良くなっていく。これはいいですね。どちらがメインの症状なのかによって患者さんのきつさというのは変わるとは思いますけれども、例えば後鼻漏がメインの症状であれば、「なかなか後鼻漏治んないんです」というふうなことになるでしょうが、時間とともに良くなっていくというのは素晴らしいことだと思いますね。
二つの症状の治り方例2
そして理想的なパターンと遅発劇的パターンの組み合わせなんていうのもあるわけですね。咳は理想パターンに治っていく。ところが後鼻漏だけがずっと続いて、ある時にグッと良くなっていく。これが理想的なパターンと遅発劇的なパターンの組み合わせですね。
ですから「咳は良くなったんだけど、先生、後鼻漏だけが治んないんですよ」というパターンはよく経験しますね。最終的に良くなることによって、これは患者さんも医者も安心するわけです。
そしてもちろんこれは咳と後鼻漏という風に書いていますが、何でもいいわけです。頭痛と眼痛でもいいし舌痛と咳でもいいわけですね。あるいは逆流性食道炎のような症状を引き起こすこともありますから。
二つの症状の治り方例3
これは理想パターンと劇的パターン。後鼻漏がものすごく良くなった。咳の方は理想パターンで良くなったということですね。
いろんなパターンがあります。いろんな組み合わせがありますから。
三つの症状の治り方例
次は咳、後鼻漏さらに頭痛、三つのパターンの組み合わせですね。三つある方は全く珍しくありません。むしろ普通だと思ってください。咳は理想パターンで良くなっていく、そして後鼻漏は遅発劇的パターンで良くなっていく、頭痛は段階を追って階段状に良くなっていく。
こういう風な経過を追っていく、いろんな症状がいろんな治り方をしていきますので、どれも一応に治っていくわけではないということは、治療中に頭の片隅に置いといていただきたいと思うんですね。咳がこれだけ治まったんだから、後鼻漏も絶対に治ってないといけないなんていうことはありませんので。
多症状の理想的パターン
理想パターンとしては全症状がこのように同じように改善していくことですね。同じように改善していくのが理想的です。
やっかいな遷延パターン
遷延パターンというのは、良くなったり悪くなったり良くなったり悪くなったりを繰り返してなかなか良くならないパターンです。
「先生なんか良くなってない気がするんだけど、また何か PM 2.5とか台風が来たとか黄砂が降ったみたいなことで悪くなっちゃいました」
というような遷延パターンを示す方がいらっしゃるんですね。こういう時、患者さんも辛い、でも医師も辛いです。
治らないと医師はどう感じるか・・・
「いつ治るんですか」とか「どうやったら治るんですか」という風になってきて、やっぱり治す方も頭を抱える、もちろん私も神様ではありませんから、100人いたら100人の方を治せるわけではありません。大体8割前後(3~6月の治療期間)でしょうか、治るとしてもですね。その他の一割から一割五分の方は、残念ながら私も治せないということをはっきりと正直に申し上げたいと思います。
そのときはやはり私も辛い。
でなんとかいい方法はないかということで悩むわけです。ですから医者の方も足りない知恵を絞って頑張っておりますので、遷延パターンの方も諦めず治療していっていただきたいと思います。
症状が多岐にわたるほどいろんな治り方があります。その都度心配しずぎることはありません。少しでも改善のために私も努力しますので、動画を視聴して下さっている皆様も、是非ともご自分のために様々なケアをしてみてください。諦めずに治療していきましょう。今日は『慢性上咽頭炎の治り方その2』をお届けいたしました。
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執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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