痛くない鼻うがい(堀田修著)が発売と鼻うがいに関する最近の論文紹介

あいうべ(息育) 鼻うがい 上咽頭

堀田修先生の新著「痛くない鼻うがい」が刊行

2020年11月に堀田修先生(日本病巣疾患研究会理事長、堀田修クリニック院長)の新著「痛くない鼻うがい」が発売されました。

表紙がわかりやすくて良いですね。

ウイルスを寄せ付けない

とありますが、そうなんです鼻うがいはインフルエンザやコロナウイルスの増殖地である上咽頭を物理的に洗い流すことができるんです。

この本は鼻うがい(鼻洗浄)のやり方はもちろん、イソジン(ポピドンヨード)を使った方が良いの?一日に何回すれば良いの?といった聞いてみたいことや鼻うがいの実際のアイテムについても詳しく解説してあります。

鼻うがいしたことないよ、ちょっと怖いなぁという人も、もうすでに鼻うがいを実践しているという人にも十分見応えのある内容です。

実は日本で鼻うがいをしている人は推計で10%程度、まだまだ少ないですね。

つい最近までは、「鼻うがいをしています」と患者さんが病院で告げると「中耳炎になるから即時止めなさい」と耳鼻咽喉科医から注意されたり、「ふーん」とnagaされたりしていましたが、新型コロナ対策のこともあり一気に鼻うがいの習慣が広まった感があります。

頻度の少ない鼻うがいのデメリット(たとえば勢いよく洗浄液を流入させると耳管に入って中耳炎になったりすることがある)をことさらに強調して止めさせようとする医師がいますが、抗生剤などの投薬でも副作用、デメリットはあるわけです。

ですから、デメリットだけに着目して止めさせようとするのはおかしいですね。風邪(ウイルス性上気道炎)の時に、効果のない(ということは副作用だけが起る)抗生物質を投与したり、去痰剤、鎮咳剤、抗アレルギー薬、はたまた胃薬といった多剤処方の方がよっぽど副作用の心配をしなきゃいけませんね。

鼻うがいには上咽頭まで洗えるような勢いよく鼻の奥まで洗う方法もあれば、鼻の入り口だけを優しく洗う方法、自分で洗浄液をすする方法など色々なやり方があります。自分に合った方法を探してみるのも良いですね。

JFIRの「みんなで鼻うがいプロジェクト」

私も所属している認定NPO法人日本病巣疾患研究会では、2020年に新型コロナ対策として「みんなで鼻うがいプロジェクト」をスタートしました。

これはコロナ予防を3つの愛(i)で行おうというもので、KANKITEARAIHANAUGAI、換気、手洗い、鼻うがいを推奨しています。

最初私も鼻うがいをするときはちょっと怖かったですが、鼻うがい液はまったく痛くありません

むしろ拍子抜けするくらいにするっと鼻の奥に入っていきます。

コロナの対策にはできれば上咽頭まで洗ってほしいもの。そんな時には鼻から洗浄液を入れて、もう片方の鼻から洗浄液が出てくるように洗うのが良いです。

鼻から口に抜けると上咽頭全体をしっかりと洗い流すことができません(内視鏡にて数回確認しています)。

2021もコロナとの共生は続きます、というより終わりはありません。これからも私たち人類は感染症と付き合っていかねばなりません。

セルフケアの重要性はますます高まるでしょう。

なぜ鼻うがいが良いのか、堀田先生の書籍によると

風邪の震源地である「上咽頭」を直接ケアできるのは鼻うがいがベスト、一気にコロナウイルスを洗い流そう

ということです。鼻うがいは、各種ウイルスのみならず、空気中に漂っている多くのゴミやチリも洗い流しますし、鼻の粘膜にこびりつく固まった鼻くそもザザッと流します。

ということは、鼻粘膜の異物除去能力がアップすると言うことですね。

鼻うがいのエビデンス

こちらに関しては以前のブログを参考にしてください。またヨミドクターの私の記事もよろしければご覧下さい。

ここでは新たな論文について紹介します。

Squeeze bottle versus syringe nasal saline irrigation for persistent allergic rhinitis – a randomized controlled trial
アレルギー性鼻炎に対するスクイズボトルと注射器の鼻うがいランダム化比較研究

スクイズボトル(ぎゅっと絞り出すような鼻うがいキット)と注射器(シリンジポンプ)のどちらがアレルギー性鼻炎には有効かという研究です。

結論は、スクイズボトルの方が症状緩和には有用、という実感としてもその通りというもの。

116人の被験者が1日2回、4週間にわたって鼻うがいをした結果です。自覚的な症状改善はスクイズボトルの方が統計学的に有意に改善しましたが、シリンジポンプのほうも改善は認められました。この研究ではスクイズボトルを進めていますが、なれたシリンジポンプでもいいでしょう。

でもシリンジポンプ(注射器)を使っている人は少ないでしょうね一般的じゃありません。似たようなものとなるとNeti potでしょうか、ティーポットのようなものですね。たらたらと鼻の中に垂らしていく鼻うがい形式でも十分です。より効果を求める人はスクイズボトルをお勧めします。私はスクイズボトルを使っています。

また

Could nasal irrigation and oral rinse reduce the risk for COVID-19 infection?
鼻洗浄とうがい薬はCOVID-19感染のリスクを減らすことができますか?

という論文もあります。これは総説のようなものですが、COVID19(新型コロナ)の入り口である鼻と口の衛生状態を保つことは予防に大切で、鼻うがいでは鼻腔内コロナウイルス量を減らせること、口腔うがいもおなじようにウイルス量を減らして予防に繋がることを示しています。

ぜひとも皆さんが元気でコロナ禍を乗り切るために鼻うがいスタートして下さい!!

執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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