※上咽頭炎治療(EAT、Bスポット治療)の痛み軽減の前処置として麻酔薬を使用します(キシロカインアレルギーの方を除く)。
※小児の慢性上咽頭炎治療について行っておりません(2023年5月1日現在)

慢性上咽頭炎とは、ノドの一番上、鼻の奥にある上咽頭部に慢性の炎症が起こっている状態です。後鼻漏(鼻だれ)や鼻閉、鼻声、咽頭痛・違和感といった耳鼻咽喉科的な症状や疾患のみならず、咳ぜんそく、ぜんそく様気管支炎といった呼吸器疾患、逆流性食道炎様の症状、顎関節痛(顎関節症)、舌痛、多歯痛など歯科口腔外科的疾患、片頭痛、眼痛、頚部痛(ストレートネック)と様々な症状の原因となっていることがあります。

また掌蹠膿疱症や反応性関節炎、多形滲出性紅斑などの皮膚病、整形外科的疾患などの”原病巣”となっていることもあり、免疫学的にも重要な部位と言えます。

とくにIgA腎症や繰り返す副鼻腔炎、炎症性疾患は慢性上咽頭炎が関与している場合があります。みらいクリニックでは上咽頭擦過治療(旧名称;Bスポット治療)を行っております。

※初診は予約が必要です。受診の際は保険証を持参ください。

上咽頭炎の大切さ

上咽頭部(鼻咽腔、鼻咽頭、Bスポットなどと呼ばれることもあります)は、体の中に入っていく空気が全て流れこむ免疫の最前線です。Bスポットという呼び方は、上咽頭擦過治療(Bスポット治療)を提唱した堀口申作先生が、当時、鼻咽腔(びいんくう)と呼ばれていたためBiinkuuの頭文字をとってBスポットと命名したことによります。ノド(咽頭)の一番上ですから上咽頭といいます。

この上咽頭に慢性炎症(急性ではありません)が起こると体に色々な不調が起こります。これを治すのが上咽頭擦過治療(Bスポット治療)です。

上咽頭擦過治療(Bスポット治療)は、2017年9月よりEATEpipharyngeal Abrasive Therapy イート)と呼ぶことが第5回病巣疾患研究会で提唱されました。

それに習い当院でもEATと表記します(2017年9月~)従来の上咽頭擦過治療(Bスポット治療)と治療内容は変わりませんので、ご安心下さい。

後鼻漏、副鼻腔炎、咳喘息、繰り返すカゼ様症状

喉の奥の不快な症状・慢性上咽頭炎では?

後鼻漏(こうびろう:鼻水が絶えず垂れてくる、鼻汁が喉に落ちこむという症状)や慢性の咳が続いて苦しい咳喘息などの症状や病気で毎週、毎月のように医療機関を受診しているという人は少なくなりません。

また喉の奥の不快な症状(咽喉頭違和感、喉頭異常感症)で絶えず不快な症状につきまとわれる場合もあります。

これらに関係しているのが慢性上咽頭炎まんせいじょういんとうえん)です。

慢性上咽頭炎

片頭痛 耳鳴・めまい 眼痛 鼻炎・後鼻漏 慢性咳噺・食道炎 舌痛・歯痛・顎 咽頭違和感 肩こり。ストレートネック うつ・不眠

慢性上咽頭炎はいろんな症状や疾患に関わっています
※画像内の病名等をクリックしていただくと関連記事をご覧いただけます。

慢性上咽頭炎の症状の特徴

  • 抗生物質を何度飲んでも症状が改善しない、去痰剤や咳止めも効果がない
  • 咳喘息と言われて吸入ステロイド薬を処方されたが長引く咳が止まらない
  • 逆流性食道炎と言われて、胃酸を抑える薬を飲んでいるが、どうも喉の辺りがヒリヒリする
  • ストレートネックといわれて姿勢などを正したりリハビリを受けているが首や後頭部の痛みが治らない
  • 顎関節症と診断されたが原因が不明と言われた
  • 舌痛症で投薬を受けているが痛みが続いている
  • うつやパニック障害、不安症で治療を受けている

これらの症状は慢性上咽頭炎の場合があります。
長年の悩みがあっという間に改善することがあります。
もう病院を何十件も回ったという高齢女性が、6回の治療で全快したというケースもあります。
それくらい慢性上咽頭炎は見のがされやすいと言えます。

慢性上咽頭炎とは

のどちんこの裏にある上咽頭の炎症には、大まかに分けて急性症と慢性症に分けられます。急性咽頭炎はいわゆるカゼです。
慢性上咽頭炎は、繰り返し急性上気道炎を引き起こしたり、炎症が治まる前に治療を中断してしまった際などに起こります。
また口呼吸や冷えなどのさまざまな原因で起こります。
咽頭とひと口に言っても、上咽頭と中下咽頭とは粘膜表面の組織形態が違っています。
上咽頭組織は、腺組織であり、リンパ球が体の外に向かって露出しているというちょっと特殊な部位なのです。
鼻道を通る空気はすべて上咽頭を通ることになり、免疫の要としての役割もあります。
一方で、空気中のゴミや異物により絶えず危険にさらされてもいるわけです。

慢性上咽頭炎の診断は

さて、この見のがされやすい慢性上咽頭炎ですが、どのように診断するのでしょうか。
みらいクリニックにおける慢性上咽頭炎の診断は、まず咽頭ファイバーを使用します。この視診によってもある程度の状態が把握できます。
たとえばこのような上咽頭の場合は、全体的な浮腫、画面下部に後鼻漏を認めます。

一見正常に見える上咽頭の粘膜も・・・

上咽頭のヒダの境界が不明瞭であり、EAT(擦過治療あるいはBスポット治療)をすると出血することが想定されます。
喉頭ファイバー下で上咽頭を擦過します。
今回は、塩化亜鉛溶液を浸した綿棒を使います。
すると、軽く擦過(こする)程度ですぐに出血を認めました。

綿棒で擦るだけで出血を認めます

綿棒と巻綿子(こちらは口から広範囲に擦過するために使います)の治療後は下の写真のようになります。
一面出血をしていることが分かります。
これが慢性上咽頭炎(重症・堀田分類)です。

現在の所、擦過しなければ分かりません。「擦る(こする)」ことがとても大切です。

これが鼻うがいやネブライザ(吸入)と違うところです。

歯医者さんの治療で言うと、鼻うがいやネブライザ(吸入)がうがいや歯みがき、そしてBスポット治療(上咽頭擦過治療)が、歯石取りなどの処置という感じです。

みるみるうちに出血が広がります

慢性上咽頭炎治療はお任せ下さい

みらいクリニックでは、最新鋭の喉頭ファイバーを使用しています(PENTAX社製)。

Pentax社製の直径の細い喉頭ファイバーです

ファイバーの直径も小さく負担が少ない状態で検査、治療を行えます。
また院長は、約8年前より慢性上咽頭炎の治療に取り組んでいます。
また東洋医学会認定漢方専門医としての立場から、慢性上咽頭炎へのなるべく薬を使わない治療、漢方薬などより体に悪影響を与えない治療を心がけています。
また院長は、1999年から現在まで、長年にわたる口呼吸問題の専門家として活躍しています。
慢性上咽頭炎は口呼吸により悪化することから、口呼吸改善で有名になった「あいうべ体操」の考案者としてのアドバイスもしています。
なかなか薬を止められない、ノドの違和感がとれない、咳で息苦しいなどの症状がある場合は、ぜひお任せ下さい。

慢性上咽頭炎についてより詳しく知りたい方は、NPO法人日本病巣疾患研究会理事で耳鼻咽喉科医の田中耳鼻咽喉科・田中亜矢樹先生の書かれた総説を参考になさって下さい。

慢性上咽頭炎解説サイトに移動します

病巣疾患(病巣感染症)の原病巣としての慢性上咽頭炎

慢性上咽頭炎は、頭頚部だけの症状にとどまりません病巣疾患の「原病巣」として全身に悪影響をおよぼすことがあります。

例えば

  • 腎臓病:急性腎炎、進行性腎炎、IgA腎症など
  • 皮膚病:乾癬、多形滲出性紅斑、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、結節性紅斑、アレルギー紫斑など
  • 膠原病:皮膚筋炎、関節リウマチ、胸肋鎖骨過形成症、SAPHO症候群など
  • その他:ぶどう膜炎、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、虫垂炎、甲状腺炎、気管支炎など

関与する疾患は多岐にわたります。

掌蹠膿疱症(その他皮膚疾患)についてはこちらの記事もご覧下さい。

病巣疾患の概念図

病巣疾患は、昔は病巣感染症と呼ばれており(免疫学的な問題もかなり詳しくわかってきています)古くて新しい問題として注目を浴びています。

「体のどこかに限局した慢性炎症があり、それ自体はほとんど無症状か、わずかな症状を呈するに過ぎないが、遠隔の諸臓器に、反応性の器質的および機能的な二次疾患をおよぼす病像」と定義されます。

GutzeitとParadeの定義

ここで重要なのは、原病巣「それ自体はほとんど無症状か、わずかな症状を呈するに過ぎない」と言うところです。

原病巣は、その大部分を鼻と口の慢性炎症が占めており

  • 鼻・扁桃:慢性副鼻腔炎、慢性扁桃炎、慢性上咽頭炎など
  • 口:う歯(虫歯)、歯周病、辺縁性歯周炎、根尖病巣など

が代表的疾患として挙げられます。

例えば、掌蹠膿疱症という病気の治療に対して扁桃摘出術が効果があるという事実に対しては、たくさんの論文が発表されています。

この場合、原病巣は慢性扁桃炎であり、遠隔臓器が皮膚になります。

まさに皮膚という局所のみを見ていては治療できない病気と考えられます。

この原病巣の一つとして慢性上咽頭炎が大きな関与をしていると考えられています。

でから、喉や鼻と一見全く無関係な全身の病気の治療に際しても上咽頭や扁桃の診察、治療が必要となるのです。

※慢性上咽頭炎治療ご希望の方は、予約が必要です。

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執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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