いまは国民病と言われる花粉症。昭和30年半ば頃にはじめて国内でも報告されました。海外ではhay feverとも呼ばれ18世紀頃から症状の報告があったようです。

鼻腔内に入った花粉が異物として認識されⅠ型アレルギー症状を引き起こすもので、くしゃみ、鼻汁、鼻の痒みなどが特徴的です。

近年アレルギー発症の概念は大きく変わってきており、以前言われていた「風呂おけ理論」は顧みられなくなりました。また治療も、従来の抗アレルギー剤などの薬物治療から花粉に体を慣れさせていく舌下免疫療法へと移り変わってきています。

花粉症は、アレルギー性鼻炎のなかでも季節性アレルギー性鼻炎に含まれますので大人の場合はそちらをご覧下さい。

みらいクリニックでの花粉症治療

みらいクリニックにも花粉症の方は多く受診しますが、なるべく薬を使わずに治療をします。

これはアレルギー性鼻炎の項目でも書きましたので内容が重複しますが、この項目ではとくに小児に焦点を当てたいと思います。

小児の口呼吸判定

小児の口呼吸を判定するにはいろいろな方法があります。

  • 30秒間口を閉じて鼻息がなく楽に呼吸ができているか
  • 口の中に入れた水を3分間そのまま口の中に保持することができるか
  • 口唇が厚ぼったくないか
  • 口臭がするか

などが挙げられます。

外来では、「い」の発音をしたときにしっかりと上の歯茎まで見えるかどうかを指標にします。

「い」と力強く発音したときに上の歯茎が見えず歯も唇で隠れるようなら口の機能がしっかりと発達しておらず口呼吸の可能性が高くなります。

きちんと咀嚼出来る食事、音読など毎朝しっかりと発音させる、あいうべ体操を行うなどして上唇を使えるようにすると鼻炎・花粉症が治まっていくことがあります。

症例紹介

一例のみ紹介しましょう。

11歳男児 ダニ・ハウスダストアレルギー、花粉症

処方薬:漢方薬、クラリチン

処方されているが鼻汁や鼻閉などの症状が続いており、なるべく薬を使いたくないとの希望で受診してきました。

あいうべ体操と夜間就寝時の口テープを指導したところ、一ヶ月後には鼻閉はなくなり、投薬も不要となりました。

子どもは歯列不正、アデノイド、扁桃肥大など治療必要な疾患がない場合は、あいうべ体操などですぐに改善することが多いものです。

心配して受診する前に、一ヶ月ほど親子で一緒にあいうべ体操をやってみてください。それだけで病気にならない体作りができる可能性があります。

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執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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