体のあちこちの関節の腫れや痛みというとまず思い浮かべるのが関節リウマチという病気の人も多いでしょう。
中年前後の女性に発症することが多く、人口の約1%の有病率があるとされています。
関節の痛みや腫れは関節リウマチだけではなく、様々な病気の症状として現れます。
今回は,その中でも心配して受診される方の多い二つの疾患を紹介します。
手指関節の痛み、腫れ、変形を起こす
手指の節々が赤く腫れて変形する病気の代表的なものに「ヘバーデン結節」と「ブシャール結節」があります。それぞれ手指の第1関節と第2関節の痛み、変形を伴います。1、2年ほどすると痛みも治まり、少し変形を残したままの状態になります。
それまでは、あちこちの関節に腫れや痛みが生じることもあり、関節リウマチではないだろうかと不安になります。
ヘバーデン結節、ブシャール結節は、変形性関節症のひとつで関節リウマチではありません。よく使う関節の所に発症しやすいといわれています。
血液検査では、リウマチ因子や炎症反応などが陽性になることもなく、特徴的な検査結果もないために「原因不明の関節炎」として扱われていることもあります。
関節リウマチとの一番の違いは、朝の強ばりだと思って下さい。
朝起きたときに手指が1時間以上強ばることはありません。ほとんどが10分前後で(あったとしても)治まります。それ以上に長引くようなら関節リウマチや他の病気を疑ってみることが必要です。
また関節の腫れ方も関節リウマチとは違います。これは視診、触診でもよく分かります。
あまり強ばりが長くなければことさらに心配する必要はありません。赤く腫れたところ、変形したところを戻そうとしたりして普段より触る、うごかすことは避けた方が良いです。
一般的な治療としては、消炎鎮痛剤の内服が行われます。患部を冷やす、小さなシップでコテ椅子をすることもあります。
心配なときは一度ご相談下さい。