関節リウマチは、関節が慢性の炎症により徐々に壊れていってしまう病気です。人口の約1%前後に発症するといわれており、けっして希な病気ではありません。
発症は、30~40代の女性に多く、自己免疫病(膠原病)の一種です。膠原病のうち、9割以上はこの関節リウマチであり膠原病を代表する疾患です。
原因は不明とされてきましたが、遺伝的な原因の他に喫煙や肥満、歯周病などの問題もあることがわかってきました。
関節リウマチに関しての解説は多くのサイトにありますから、ここでは割愛させていただき、なぜ関節リウマチとあいうべ体操が関係あるのかという説明をします。
また私が執筆したこの書籍も参考にして下さい。
関節リウマチと口呼吸
私(今井一彰)の初めての単行本である「免疫を高めて病気を治す口の体操「あいうべ」( 2008/2/1 マキノビタミン文庫)」の中でも紹介しましたが、口呼吸と病気の関係に気がついたのは、「匂い」が発端でした。
アトピー性皮膚炎の匂い、関節リウマチの匂い、がんの匂いなどなど病気には様々な「匂い」があります。
ところがこの匂いは他の人に伝えたり、数値で表したりということが難しものです。そんなことで隔靴掻痒していました。
「関節リウマチ患者さんは、口臭が強い人が多い」そう気がついていろいろ文献や本を調べていくと「口呼吸」という言葉を知りました。
これはMucosal Immunology volume 5, pages 112–120 (2012)の図表を私が日本語に訳したものですが、歯周病から関節リウマチへの発症の機転が載っています。
口腔内疾患と関節炎、関節リウマチの関係は古くからいわれており、虫歯の治療でリウマチが改善した、歯の根っこの治療をしたら関節の痛みが取れてきたという経験をしている医師、歯科医師は多いものです。
この口腔内環境を悪化させる原因として口呼吸は見逃せません。
慢性的口呼吸状態の人は、口の中の炎症が悪化してしまうことがわかっています。
歯周病は世界中で一番たくさんの人がかかっている感染症とも言われますが、これが全くない成人は多くありません。逆に言うと、私たちの口の中は小さなもの大きなものでも必ず炎症巣が存在します。
その炎症をひどくしてしまうのが、口呼吸です。
ですから、関節リウマチの患者さんもあいうべ体操や口テープでしっかりと鼻呼吸をする必要があります。
呼吸の問題は、必ず存在すると思って下さい。
私だけは鼻呼吸をしているから大丈夫と思わないように注意して下さい。
関係ないと思っても耳鼻科や歯科で「命の入り口のチェック」(例えば慢性扁桃炎、副鼻腔炎、歯周病、根尖病巣など)をするようにお願いします。
歯科医院は、NPO法人日本病巣疾患研究会所属の歯科医院だと口の中と全身の病気の繋がりを勉強している人が多いですから、リストを参考にして下さい。
関節リウマチの治療は、生物学的製剤が開発されて劇的に変化しました。ただ費用の問題、副作用の問題も生じます。
外来診療では、食事や運動指導なども行います。日常生活習慣の改善は、どのような病気であってもとても大切です。
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執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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